春先をメインに、花屋さんの店先に並ぶマーガレット。ぱっと開いた花形の愛らしさから人気がありますが、ギフトのイメージはあまりない、という方も多いのではないでしょうか? 「最近は草花がブームなので、若い方を中心に、こういう楚々とした花を主役にした花贈りが喜ばれています。ぜひ日常的なシーンでのフラワーギフトに、マーガレットを使ってみてください」と話すのは、東京・二子玉川の花店『メゾンフルーリ』の佐々木久満さん。強く主張をせず、それでいてかわいいマーガレットは、誰にでも好かれるため、じつはギフトの素材としても優秀な花なのです。そんなマーガレットのフラワーギフトついて、価格の相場や選び方、おすすめのスタイルなどを、佐々木さんに教えていただきました。
目次
マーガレットのフラワーギフトを贈りたい。ぴったりのシーンは?
最初にも述べましたが、最近は草花だけの花束など、ナチュラルなスタイルの花贈りが注目を集めるようになってきています。野の花であるマーガレットは、そうした贈り花の主役にぴったり。自然素材にこだわる方、ボタニカルなものが好きな方、そして流行に敏感な方への花贈りには、だんぜんおすすめです。
さらに、マーガレットは小さくて可憐な花なので、気取らないシーンでのフラワーギフトに最適です。たとえば、友人においしいものをおすそわけしてもらったとき、お礼にバラの花束を贈るのはちょっと仰々しいもの。でも、家にあるかわいい包装紙などで、ラフにくるんだマーガレットの花束を渡せば、相手を恐縮させずに感謝の気持ちを伝えることができます。同じような理由から、マーガレットはプレゼントに添えるミニ花束の素材としても大活躍します。
3~4月にもっともたくさん出回るマーガレットは、卒業式や入学式のお祝いの花として贈るのもいいですね。とくに女子なら、幼稚園生から大学生まで、年代を問わず「わあ、かわいい!」と歓声をあげてくれるはずです。
贈るときに気になる! 愛にまつわるマーガレットの花言葉
最近は、フラワーギフトを贈る際に、花言葉にこだわる方が増えています。そこで、マーガレットの花言葉を紹介しておきましょう。
■マーガレットの花言葉
全般…「心に秘めた愛」「真実の友情」
ピンク…「真実の愛」
黄色・オレンジ色…「美しい容姿」
白…「秘めた愛」「恋占い」「信頼」
花言葉はその花の特質などに合わせて象徴的な意味を持たせたもので、明確な根拠があるものではありません。監修する人や国、文化などによって、選ばれる言葉が違うこともよくあります。贈られる相手は花言葉を知らないことも多いので、あまりこだわりすぎず、自分や相手の好きな色の花を選ぶのが、いちばんよいでしょう。
マーガレットのフラワーギフト(プレゼント)としての、価格や相場は?
フラワーギフトの価格は、花の種類や本数、大きさ、地域、時期(季節)によって、かなり違います。また、ギフトを作る花屋さんの立地条件、そのポリシーなどによっても幅があります。
このため、あくまで目安にはなりますが、マーガレットの1本の金額は100~300円。マーガレットを主役にしたフラワーギフトの場合、価格の相場は3000円前後です。花束でもアレンジでも、スタイルによって、相場額に違いはありません。マーガレットだけでフラワーギフトを作るなら、この金額で20本ほど入ります。他の花を組み合わせた場合は、マーガレットの本数は減ることになるでしょう。
マーガレットはリーズナブルな花ではありますが、ある程度見栄えをよくしたい場合は、使う本数が少ないと地味に見えてしまいます。ほかの花材をたっぷり添えるか、1種であしらうときはまとまった本数が必要でしょう。
マーガレットのフラワーギフト(プレゼント)には、3つのスタイルがあります
マーガレットが主役のフラワーギフト(プレゼント)の種類は、大きく分けて次の3タイプです。フラワーギフト(プレゼント)は、花の種類にかかわらず、ほとんどがこのどれかのスタイルになります。フラワーギフトのベスト3といっても過言ではありません。もちろん、これ以外のスタイルをオーダーすることは可能なので、花屋さんに相談してみましょう。
花束
いちばんオーソドックスな、贈り花のスタイルです。茎を長く使うと、大きさやボリュームが出るので華やかさが感じられ、贈る際のインパクトは抜群です。ラッピングペーパー、リボンの色や素材にこだわると、よりおしゃれにセンスよく見えます。贈られた相手が、あとから束をほどいて、好きなスタイルにいけ直せるメリットもあります。
アレンジメント
器に吸水性スポンジを入れて、デザインしながら花をいけたものです。花屋さんが素敵にいけた花を器と一緒に贈るので、そのまま飾れるというのが便利です。花に詳しくない方、病院や施設など手間をかけられない場所にいる方、給水ができるので遠方の方に花を贈る場合などには、特におすすめです。
ボックス
アレンジメントのなかで、箱(ボックス)を使ったものは特にこう呼ばれます。近年、人気のスタイルで、箱(ボックス)にセロハンなどを敷いて、水が染み出ないようにしてから吸水性スポンジを置き、デザインしながら花をいけたものです。アレンジメントと同様、このまま飾れるので、贈られた相手に手間がかからない、というメリットがあります。安定性がよく、スポンジで給水もできるので、自分で長時間持ち運びする際にも便利です。
マーガレットのフラワーギフト(プレゼント)の選び方。その秘訣が知りたい
フラワーギフトは基本的に、用途、予算、主役にしたい花、贈る相手の年齢・性別・好きな色などを伝えて、花屋さんにお任せするのがいいでしょう。花屋さんにオーダーをする際に、もうひと言、次のような要望を付け加えると、より花の魅力が引き立ち、あなたの気持ちが伝わるギフトになります。
ラッピングもナチュラルに
マーガレットは野の花なので、ラッピングや器も凝ったもの、カラフルなものより、素朴でナチュラルなものが似合います。たとえば、花束にするならラッピングペーパーをクラフト紙にしたり、リボンの代わりにラフィアを使ったりするといいですね。アレンジメントなら籐のバスケットなどもぴったりです。マーガレットのラッピングには、こうした自然素材のものを使ってみましょう。
なんだかシンプルすぎてつまらない、というときは、ペーパーをクラフト紙とハトロン紙の二重にしたり、色違いのラフィアを2種類使ってみたりすると、ぐっとおしゃれに見えてきます。
マーガレットのフラワーギフト(プレゼント)、おすすめ10スタイル
花屋さんにおまかせではなく、自分の好きなスタイルのフラワーギフトを選びたい。そんなときにおすすめしたいのが、ここに挙げた10種類のフラワーギフトのスタイル。ヘアカットの際に、ヘアカタログの写真を示して美容師さんにイメージを伝えるように、「こんなイメージで、マーガレットのフラワーギフトを」と花屋さんに伝えれば、より自分好みのギフトに仕上げてもらえますよ。
その1 ピンクの花束をぜひ入学式に
甘いピンク~ピーチ色の花々を集めて、ピンクと白の2種類のマーガレットを散らしたキュートな花束です。大輪の花を何種類も合わせ、華やかさも表現しているので、ぜひ入学式のお祝いにプレゼントしてあげたい。
その2 紫の花と爽やかにアレンジ
ブルーの器を使い、紫の花に白いマーガレットを合わせた、爽やかなあしらいです。赤系の紫と青系の紫を合わせ、変化をつけて。緑色の葉っぱもたっぷり使うと、よりすがすがしい印象になります。
その3 スクエアなお花畑で遊ぶ気分に
四角い箱に低く花を敷き詰め、マーガレットだけに高さを出したロマンチックなボックスアレンジ。花びらがふんわり広がるトルコギキョウ、小さい花びらがぎゅっと集まるアスターと、質感の違う花が主役のマーガレットを引き立てます。
その4 ヒマワリみたいな明るさを束ねて
黄色いマーガレットは、小さな小さなヒマワリみたいで元気いっぱい! 花芯が大きめで花びらの幅も広いタイプなので、色だけでなく形にもインパクトがあります。たっぷり束ねて、とびきりの笑顔で渡したいですね。
その5 草花茂る庭園の静謐さが漂う
アンティークな器に、くすんだピンクの花やブラックベリーと一緒にマーガレットを合わせました。忘れ去られた庭園に無造作に茂る草花を思わせる、静謐さと生命感を同時に漂わせたアレンジです。
その6 濃い色が背景なら花形もくっきり
濃い色の花とマーガレットは合わない? いいえ、淡い花色が浮き立って、愛らしい形がよりくっきりとして見えるんです。バラとの間をつなぐため、軽やかな花も加えます。持ち手つきの器にアレンジしているので、持ち運びにも便利。
その7 カジュアルな花とにぎやかに
マーガレットはカジュアルな花々と一緒にアレンジすると、いきいきした表情になります。マリーゴールドやサンダーソニアなど、花壇に咲く花をいろいろ取り合わせ、にぎやかに。黄色×オレンジの色合いもフレッシュです。
その8 ちょっとした私の気持ちです
白いマーガレットにグリーンを添え、英字新聞でささっとくるんだ、1000円以内で作れる気軽な花束。お菓子を贈るときなどにちょっと添えたり、贈りもののお礼に渡すなど、かしこまらない花贈りにぜひ。
その9 野の風景をボックスに詰めて
小さくてふわふわっとした花と合わせると、花が小さめのマーガレットも堂々の主役になります。ボックスから溢れんばかりにグリーンを添えることで、自然豊かな野の風景を描き出しました。
その10 この花のキュートさを満喫!
銀の小さなオーバルボックスに、マーガレットとグリーン1種だけを盛り込みました。マーガレットは白とほのかなピンク、2種類入っているのがわかりますか? この花の楚々とした愛らしさを満喫できるあしらいです。
Credit
佐々木久満
『メゾンフルーリ』統括マネージャー。
生産者とのつながりを大切にし、これまでに訪問した花の生産地は150以上。数多い日本国内の花店のなかでも特に、産地や新品種に精通するフローリストとして活躍している。東京・二子玉川にある本店『メゾンフルーリ』とともに、長野県松本市でも花店を営む。いずれも珍しい品種の花が揃うのはもちろん、季節感を重視し、地域いちばんを目指しているというサービスのよさでも知られる。
https://www.facebook.com/MaisonFleurieTamagawa
構成と撮影と文・高梨奈々
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