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バラのフラワーギフト、選び方とおすすめ10選

バラのフラワーギフト、選び方とおすすめ10選

花屋さんを訪れるのは、どんなときでしょう。ふらりと花を買っていく男性が登場するのは、海外の映画や小説のシーンばかり? そう思っていたら、東京・用賀の花店『ブロッサム(BLOSSOM)』で、素敵なシーンに出合いました。片手に買い物袋を提げた男性が、オーナーの嶋 友紀さんとしばらく会話を弾ませたあと、花を数輪買っていったのです。「よく来店くださるお客さまのひとりです。お店に飾る花や、奥さまのための花を買っていかれます」と嶋さん。世田谷の住宅地にある花屋さんには、さまざまな花好きのかたが訪れます。嶋さんに、バラのギフトについて伺ってみましょう。

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バラのフラワーギフトを贈りたい。ぴったりのシーンは?

数多くある花のなかで、圧倒的な人気を誇るバラ。それはギフトシーンでも変わることはありません。自分もしくは贈る相手がバラ好きという場合はもちろん、豪華な花=バラという印象が一般的に強いことも、バラが選ばれる理由にあります。花びらをたっぷり重ねるバラは、少量でも華やかになる花。季節の花と合わせて、お祝いの席を彩るのにぴったりです。卒業や入園・入学、発表会、出産、新築などのお祝い、誕生日や結婚の記念日などの人生の節目に、ぜひ、バラで華を添えてみてください。

花材:バラ(ミスティックサラ)、サクラコマチ、ユーカリ、アイビーベリー

たとえば、ピアノやバレエなど、女の子の習い事の発表会には、こんなスイートな花束はいかがですか。ピンクのワックスペーパーに、レースのリボンを結んで、ロマンティックに仕上げています。

手みやげに迷ったときはぜひ、バラの花束を

ホームパーティ、お茶会などで、手みやげに迷ったら…。花を持って行ってみてください。その場が華やいで、喜ばれること請け合いです。

花材:バラ(ミスティックサラ)、サクラコマチ、ユーカリ、アイビーベリー

前に紹介した、発表会のお祝いの花束をアレンジ。ラッピングをクラフト紙に替えれば、印象ががらりと変わります。手みやげであれば、これぐらいカジュアルでも。

プロポーズは、赤バラの花束が定番です!

花を贈るシーンのなかでも、プロポーズは格別!「これだけはバラでないと…!」というかたも多いことでしょう。色は、愛の象徴、赤が選ばれることがほとんどです。

その1 格好よく決めるなら1輪をおしゃれに

花材:バラ(ブリランテ)

赤バラ1輪の花束。茶色のペーパーでラッピングし、細いリボンやラフィアを結んで、シックに決めました。プロポーズなら、ラッピングにこだわって。

その2 何本か束ねるときも、バラだけで!

花材:バラ(ブリランテ)

こちらは赤バラだけ。葉を生かして、シンプルにまとめただけですが、むしろ特別感があります。プロポーズだからこそのひと束。

その3 バラ+グリーンなら、やさしい印象です

花材:バラ(ブリランテ)、アイビー

甘さを加えたいときは、花丈を短めにして、ラウンド形にしてもらいましょう。周りをアイビーで囲んだら、赤バラの表情が柔らいで見えます。

贈るときに気になる! 親愛を伝えるバラの花言葉

最近は、フラワーギフトを贈る際に花言葉にこだわる方が増えています。そこで、バラの花言葉を紹介しておきましょう。

バラの花言葉
全般…私はあなたにふさわしい
赤…愛情、熱烈な恋
ピンク…上品、感銘
黄…友情、嫉妬
オレンジ…無邪気、魅惑
白…純潔、深い尊敬
紫…誇り、気品
緑…穏やか

花言葉はその花の特質などに合わせて象徴的な意味をもたせたもので、明確な根拠があるものではありません。監修する人や国、文化などによって、選ばれる言葉が違うこともよくあります。贈られる相手は花言葉を知らないことも多いので、あまりこだわりすぎず、自分や相手の好きな色の花を選ぶのが、いちばんよいでしょう。

バラのフラワーギフト(プレゼント)としての価格や相場は?

フラワーギフトの価格は、花の種類や本数、大きさ、地域、時期(季節)によって、かなり違います。流通量が多くて需要が少ない時期は安価に、母の日、クリスマス、正月、彼岸の時期などは価格がアップします。また、ギフトを作る花屋さんの立地条件、そのポリシーなどによっても幅があります

このため、あくまでも目安にはなりますが、嶋さんに参考価格をお聞きしました。写真で紹介しますので、オーダーの際に活用してみてください。バラを主役にした花束やアレンジは、だいたい3000円以上が主流だそう。

その1 予算3000円の花束

花材:バラ(ミスティックサラ)、サクラコマチ、アイビーベリー、ユーカリ

3000円の予算には、スプレー咲きのバラがおすすめです。これは予算以上の、ボリュームを出しやすいため。ここでは、スプレーのバラに、草花と実もの、グリーンを合わせました。

その2 予算4000~5000円のアレンジ

花材:バラ(ブラッドオレンジ+、オリエンタルエクレール、ミスティックサラ)など

4000~5000円ほどの予算があれば、ある程度のボリュームがあるアレンジのオーダーが可能です。器はバスケットや紙製のボックスなど。バラをいくつか組み合わせることもできますよ。

その3 予算6000~8000円のアレンジ

花材:バラ(ピンクレース)、チューリップ、スカビオサ、ヘレボルス、アイビーベリーなど

ゴージャスに贈りたいときは、少し気張って、器にも凝ってみませんか。6000~8000円の予算があれば、陶器にアレンジしてもらっても。旬の花を数種合わせて、季節を届けましょう。

バラのフラワーギフト(プレゼント)には、4つのスタイルがあります

バラが主役のフラワーギフト(プレゼント)の種類は、大きく分けて次の4タイプです。フラワーギフト(プレゼント)は、花の種類にかかわらず、ほとんどがこのどれかのスタイルになります。フラワーギフトのベスト4といっても過言ではありません。もちろん、これ以外のスタイルをオーダーすることは可能なので、花屋さんに相談してみましょう。

花束

いちばんオーソドックスな、贈り花のスタイルです。ラッピングペーパー、リボンの色や素材にこだわると、よりおしゃれにセンスよく見えます。実際に会って目の前で渡せるシチュエーションなら、花束がいいでしょう。贈られた相手が、あとから束をほどいて、好きなスタイルにいけ直せるメリットがあります。

アレンジメント

器に吸水性スポンジを入れて、デザインしながら花をいけたものです。花屋さんが素敵にいけた花を器と一緒に贈るので、そのまま飾れるというのが便利です。花に詳しくない方、病院や施設など手間をかけられない場所にいる方、給水ができるので遠方の方に花を贈るときには、特におすすめです。

ボックス

アレンジメントのなかで、器に箱(ボックス)を使ったものは特にこう呼ばれます。近年、人気のスタイルで、箱(ボックス)にセロハンなどを敷いて、水が染み出ないようにしてから吸水性スポンジを置き、デザインしながら花をいけたものです。アレンジメントと同様、このまま飾れるので、贈られた相手に手間がかからない、というメリットがあります。安定性がよく、スポンジで給水ができるので、自分で長時間持ち運びする際にも便利です。

リース

花や葉で紡いだ輪の形のアレンジメントを、リースといいます。ひと味違うギフトを贈りたいときは、リースを選ぶのもよいでしょう。贅沢なひと品に仕上がり、特別感が出せます。ベースが吸水性スポンジになっているので、アレンジ感覚で持ち運んだり配送したりすることができます。

バラのフラワーギフト(プレゼント)の選び方。その秘訣が知りたい

フラワーギフトは基本的に、用途、予算、主役にしたい花、贈る相手の年齢・性別・好きな色などを伝えて、花屋さんにおまかせするのがよいでしょう。バラが主役のフラワーギフトの場合はまず、希望するバラの色やイメージを花屋さんに伝えてください。香りを添えたいときや、長もちさせたいときは、しっかりその旨もオーダーしましょう。

花色とテイストを決めましょう

ピンクのバラを、ハーブと一緒に爽やかなギフトにしたい。少しくすみ感のあるピンクのバラで、大人っぽい花束を贈りたい。ベージュ系のバラで、甘さを抑えたナチュラルなアレンジをプレゼントしたい。こんなふうに、花を贈るときは、希望の花色とイメージを伝えてみてください。花屋さんがきっと素敵に仕上げてくれます!

花材:バラ(クリシェ)、クレマチス、グリーンーベル、ビバーナムなど

たとえば…こちらは「ベージュのバラを主役に、ナチュラルに」というオーダーで作った、リースです。淡いグリーンの花がバラを引き立て、爽やかさをプラス。春の季節感がよく出ています。

花材:バラ(ラベンダーレース)、カラー、チューリップ、ユーカリなど

上は、「主役はバラ。大人っぽいピンクの花束で」というオーダー。青みがあるクールピンクのバラを、同色のカラーと濃色の花たちで、ちょっぴり辛口に仕上げています。ユーカリのシルバーグリーンもポイントですね。

覚えておきたい香りのバラたち

最近は、香りのよさが評判のバラが増えています。長い間愛され続けているイブピアッチェとその系統、もともとガーデンローズだったイングリッシュローズのフェアー・ビアンカ、アンブリッジ・ローズなど。流通が比較的ある甘い香りのバラはチェックしておくと、いざというとき、便利です。

ピンク系では、人気の筆頭にあげられる、イブピアッチェ。華やかでエキゾティックな雰囲気で、芳香は強いのが特徴です。

ミルラの濃厚な香りを放つ、フェアー・ビアンカ。オフホワイトの中輪で、上品な花形は、他の花と合わせやすい。

アンブリッジ・ローズ。やさしいアプリコット色に、ゆったりとほどけるように花開くロゼット咲きで人気です。香りはミルラ香。

ルージュロワイヤルは、ダマスク・モダンの香りが印象的。中心がロゼット状になるクラシカルな花形は、華やかな席によく似合います。

特に長もちするバラがあります

ブルーミルフィーユやジプシーキュリオーサは長もちバラの代表。長く、愛されているバラです。ラベンダーレースと、その仲間のピンクレース、ヴィンテージレースも、とても長もちするバラです。スプレーバラなので、ボリュームを出したいときに重宝します。

花びらが丈夫で、花もち抜群の、ブルーミルフィーユ。整った花形で、香りもあるのが嬉しい。ロゼット咲きの大輪。

色の変化も楽しめる、ジプシーキュリオーサ。赤みを帯びた花が、やがて緑色になります。よく開いて咲き、花びらは丈夫で傷みにくい。

ラベンダーレースは、青みのあるシックなピンクが大人っぽい印象。花びらの先のフリルが特徴的です。花弁数が多くて、ボリューム感があります。

とても花もちがよいソルファは、開いた状態で出回ります。外弁に緑色を含むシルバー系の花色が独特。ロゼット咲きです。

※ロゼット咲きとは、大小の花びらが複雑に重なり合う花形。クラシカルな花形で、人気が高い咲き方です。

バラのフラワーギフト(プレゼント)、おすすめ10スタイル

花屋さんにおまかせではなく、自分の好きなスタイルのフラワーギフトを選びたい。そんなときにおすすめしたいのが、ここに挙げた10種類のフラワーギフトのスタイル。ヘアカットの際に、ヘアカタログの写真を示して美容師さんにイメージを伝えるように、「こんなイメージでバラのフラワーギフトを」と花屋さんに伝えれば、より自分好みのギフトに仕上げてもらえますよ。

その1 フォーマルな席へはボックスを活用

花材:バラ(ブラッドオレンジ+、オリエンタルエクレール、ミスティックサラ)など

かしこまった席へのギフトにはボックスアレンジを選んで。写真は黒いボックスにあしらった、スタイリッシュな逸品。黒の器は、予算以上に見える効果があります。

その2 バスケットでガーデンの趣きを

花材:バラ(ベビーロマンティカ)、ダリア、ワレモコウ、バラの実など

こちらは、お世話になった目上の女性へ贈りたいバスケットアレンジ。枝ものを入れることで、季節感たっぷりに。シックな色合いが、心落ち着かせてくれます。

その3 ニュアンスある色でおしゃれにまとめて

花材:バラ(シュナーベル)、ライラック、ラクスパー、ニゲラの実など

いまどき感を出して、おしゃれに見せたいときは、くすみ感がある淡い色同士を合わせて。高低差をつけながらあしらっているのも、ポイントです。

その4 バラと実ものでワンランク上のギフトに

花材バラ(ジャルダン・アラ・クレム)、スカビオサ、ニゲラの実など

夏~秋のギフトなら、サブ花材に実ものをぜひ選んで! まん丸い形が、アレンジのアクセントになるだけでなく、季節感を出すことも。期間限定のお楽しみです。

その5 多種の花を織り交ぜて季節をお届け

花材:バラ、クリスマスローズ、デルフィニウム、チューリップなど

1年中あるバラに、季節の花をいく種も合わせ、旬のガーデンのように。風が通り抜けるような抜け感が、このアレンジのポイントです。イメージは紡ぐ色しだい。

その6 かわいい、小さなバラは数で勝負です

花材:バラ(グリーンアイス)、チューリップ、スキミアなど

ポンポン咲きのスプレーバラを何十輪も集めて、かわいらしく。子どもっぽくなりすぎないよう、シックな色の花を添え、全体を引き締めます。

その7 男性へのギフトはシルバーの花や葉で

花材:バラ(ヴィンテージレース)、ユーカリなど

男性への花束なら、スモーキーな色合いでまとめてみましょう。シルバー系のバラにグリーン、色数をぐっと抑えて、印象的に仕上げます。

その8 甘さを出すなら、バラと小花のコンビ

花材:バラ(ピンクレース)、コデマリ、ビバーナム、ライラックなど

「ふわふわと、かわいらしく甘い花束」というオーダーで、嶋さんが紡いだのがこれ。小花で大輪のバラを引き立てるのは、甘く仕上げるときの王道テクです。

その9 シックに決めたいときは赤バラ!

花材:バラ、アリウム、チューリップ、ユーカリ

バラのギフトで、人気が高い赤バラ。存在感抜群の色だから、どんな花と合わせても比較的、シックに決まります。目上の方や男性へのギフトにどうぞ。

その10 ビタミンカラーでパワーチャージ

花材:バラ(ベビーロマンティカ)、ダリア、リューカデンドロンなど

「元気を出して」。そんなメッセージを込めたいときは、ビタミンカラーのバラがおすすめ。ワイルドフラワーと合わせれば、いまっぽく!

花束はラッピングでイメージが変わります

最後に、ラッピングの話を。花束は、まとうペーパーやリボンで、そのイメージを変えることができます。ここで紹介した、同じ花の組み合わせのラッピング違いを、次に並べてみました。花を贈る際の参考にしてください。

Credit

記事協力

嶋友紀

嶋友紀
『ブロッサム(BLOSSOM)』オーナー。
1輪の花との出合いをきっかけに植物に魅了され、2000年、会社勤務から花の世界へ。人気花店、市場の仲卸で経験を積み、2011年、東京・用賀にショップをオープン。日々の暮らしを豊かにする花を提案し、ヨーロッパスタイル、トロピカル、和テイストの花などをオーダーメイドで応えている。さりげない1本、葉や枝ものをたっぷり、といった植物そのままの魅力を生かした作風に定評がある。
https://www.blossom-jp.com
https://www.instagram.com/blossom_shima/
撮影・嶋 友紀 構成と撮影と文・瀧下昌代

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