料理にハーブを加えると、料理上手になったような錯覚を覚えるほど、いつもよりグレードアップした一皿になることをご存知ですか? でも、何を合わせたらいいの?どのくらい入れたらいいの? など、ハーブ初心者には「?」もいっぱい! そんな疑問に、ハーバルライフコーディネーターの堀久恵さんがお答えします。ハーブの料理への取り入れ方と、おいしくハーブを食べられるレシピ「ガーリックパセリバター」の作り方をご紹介。食欲の秋、ハーブでおいしいごはんを楽しんでみてください。
目次
ハーブの役割は3つ
ハーブを料理に入れるって、「おしゃれ」な印象を受けるかもしれませんね。確かに見た目におしゃれにもなりますが、それ以上に注目したいのが、とにかく味がグレードアップするという点。今回は、ハーブを料理に使う際の基本となる考え方を、お伝えします。
まず、料理に加えるハーブの役割は、3つ!

1.香り付け、2.色付け、3.辛味付け。中でも香り付けは、ほとんどのハーブが該当する効果です。おいしそうな香りを付けて、食欲をそそったり、肉や魚など素材がもつ臭みを抑えてくれる作用があります。この香りは、精油成分。植物内部に蓄えられていた揮発性の成分が、たたいたり刻んだりと刺激を与えることで、香りを発生させます。
ここで大事なことは、ハーブは味付けにはならないということ。
いくら足しても、味には変化がありません。味の薄い・濃いを調整する役割は、塩やしょうゆなどの担当で、ハーブではありません。ですから、「ハーブを入れると、味が濃くならないかしら…」という心配はご無用です。
ハーブはどのくらい入れたらいいの?
料理にハーブを取り入れる際、量はどのくらい入れるのかしら? と疑問に思うかもしれませんね。これは、作る料理、ハーブの種類や好みによって異なりますので、自分の舌で試してみましょう。コツは少量から始めること。徐々に追加していくこと。そうすると、失敗が少ないはずです。
もう一つのコツは、乾燥ハーブを使うか、生葉を使うかで、同じ料理でも使用する量が変わること。乾燥したものは、水分が抜けてかさが減っていますから、生葉の量の1/3程度でも大丈夫です。ですが、これもハーブの種類によって、水分含有量が異なりますので、いろいろ試しながら楽しんでみてください。
また、はじめは1種類だけからスタートし、慣れてきたら、いろいろなハーブを混ぜて使ってみましょう。1種類だけでは感じられなかった複雑な一皿になりますよ。組み合わせる際には、単品で使ってみて好きだなと感じたハーブの量を多めにすると、まとまりやすくなります。
添え物だなんてもう言わせない! 今日の主役はパセリ

どうしても料理の添え物という印象がぬぐえないパセリですが、これも立派なハーブです。
パセリはセリ科の二年草。葉が縮れた「モスカールドパセリ」と、葉が平たい「イタリアンパセリ」が主流です。料理の彩りや香り付けに使われます。パセリの鮮やかなグリーンには、鉄やカルシウムなどミネラル分や、βカロテン・ビタミンCが豊富に含まれていて、特にβカロテンはニンジンに迫る含有量を誇るんですよ。そして、あの特徴のある青い香りには、抗菌作用や消臭作用、整腸作用があります。料理の最後に食べると、口臭防止にもなります。
このように、作用がたくさんあるので、ぜひこの機会に見直してみましょう。
パセリは、かなり使い勝手のいいハーブ。スープの浮き実にしたり、薬味としても優秀です。いっぱい採れたら、冷凍保存しておき、使いたいときには手でぱらぱらと砕いて添えればOK! パセリは卵料理とも相性がいいですよ。
初心者さん向けハーブ! パセリを育ててみよう

パセリは栽培も簡単。地植えでも鉢植えでも管理可能で、育てやすいハーブです。庭やベランダで育てておくと重宝します。
育て方のコツは、日光にしっかり当てて、水はけ・風通しよく管理すること。25℃以上になると生育が衰えます。高温多湿と、夏の強い日差しは苦手ですので、黄色くなった葉は取る・適宜収穫するなどして、株元を風通しよくしておくと、ずっと収穫可能です。
また、夏場暑くなる地域の方は、地植えではなく、鉢で管理するのがおすすめ。夏場は涼しい場所に移動できるほうが、安心です。また、初夏に花を咲かせると枯れます。花芽がついたら、摘むようにしましょう。春~秋は屋外でよく日に当てて、冬場は室内に取り込むなどして管理すれば、長期に渡り収穫ができます。
パセリ消費レシピ♪ ガーリックパセリバターを作ろう

パセリは地植えにすると、かなり大量に収穫できる優れもの。あれこれ使うのですが、それでも消費が間に合わない時には、私はよくこのパセリバターを作ります。

作り方はこちら!
材料
- バター(有塩) 200g
- にんにく 大1~2片程度
- パセリ 生葉を片方の手のひらに乗るくらい
作り方
作り方は簡単。ニンニクとパセリはみじん切りにしておき、常温に戻したバターに混ぜれば完成。保存容器に入れて10日ほど保存可能です。冷凍保存もできます。

バケットにガーリックパセリバターをたっぷり塗って、トースターでこんがりするまで焼いて食べてみてください。おいしい香りに食欲が増します…要注意です(笑)。
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