色とりどりに咲いていた花が少しずつ減ってきて、植物も冬休みに向かう晩秋。庭を散策すると、さまざまな形でタネを実らせている様子が見られる季節です。草花が実らせるタネを集めた、花好きさんにオススメするタネのコレクションボックスをご紹介します。
目次
いろいろな植物のタネ
庭づくりを楽しんでいる人は、秋になると、来年のためにタネを採取し、冬の間保管しておく作業がありますね。庭がなく、ガーデニングも未経験という人も、タネの形を観察しているうちに花栽培への興味が膨らみますよ。タネは庭に限らず、街路樹の下草や空き地、観光ガーデンや公園でも出合えます。さて、草花はどんなタネを実らせるのでしょう。花好きさんにオススメするタネのコレクションボックスをご紹介します。

ポピーは、とっても特徴的なタネをつけます。先端に花びらのような模様が入った丸いサヤの中に、細かな黒いタネがいっぱい入っています。このようなサヤを庭のアクセントとして意識して秋まで残しておくガーデナーもいるんですよ。

ニゲラも、花の形からは想像ができない風船のようなサヤをつけます。自然がつくり出す個性的なサヤを集めてリースをつくるのも素敵です。こうしたタネは、ほとんど売っていないので、思う存分採取するために庭づくりをスタートするという人も少なくありません。

(左)キッチンガーデンなら、スイートピーやインゲンなどのマメがサヤをぶら下げています。サヤを割ると、中から思いがけず色鮮やかなタネや模様入りのタネが出てくることも。(右)アガパンサスの花後は、放射状に咲いていた花茎の一つずつにタネをつけています。
タネを集めたコレクションボックス

タネは植物の数だけ形の変化があって、コレクションを始めるとどんどん枠が埋まっていきます。丸かったり細長かったり、いろんな形のサヤに収まっているものや、タンポポのように綿毛をつけたもの、ローズヒップのように果皮にタネが守られているものなど、並べて眺めているだけでもワクワクしてきませんか?
タネを収めたら、忘れずにその植物の名前を書き込んでおきましょう。庭づくりのベテランになると、タネを見ただけで品種名を言い当てることができるようになるんですって!

部品やビーズを収めるような小分けのケースは、ポピーやビオラ、アリッサムなどの極小のタネにオススメです。ルーペで眺めてみると、思いがけないフォルムが見えます。タネを扱うとき、ピンセットがあると便利。来年種まきをするなら、容器ごと冷蔵庫など涼しい場所で保管するとよいでしょう。タネは1年以上経つと発芽率が低下することも覚えておきましょう。
個性豊かなタネ袋

タネの面白さは、市販のタネ袋にもあります。左上は、英国で最も古い種苗会社「Thompson&Morgan(トンプソン&モーガン)」社のタネ袋。右上は、創業200年を超える「SUTTONS(サットン)」社のタネ袋。右下は、イラストが可愛いアメリカの「Botanical Interests(ボタニカル・インタレスト)」社のタネ袋。左下は、オーストラリアの野生種のタネを主に扱う「WILDFLOWER SEEDS(ワイルドフラワー・シード)」社のタネ袋。

手ではつまみにくい極小のタネをミックスして、そのまま土に埋め込めるボール状のものや、チョウやハチを呼ぶ花をミックスしたもの、シート状になったタネなど、国内外には、さまざまなタネがあるのも面白いですね。

最初にご紹介した品種ごとに収めることができる仕切りつきのコレクションボックスは、100円ショップの木箱を白くペイントしたものです。黒っぽいタネの形が引き立つ収納ボックスを用意したら、さあ庭へ出てみましょう!
Credit

写真&文/3and garden
ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。
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