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【憧れの花】アジサイ‘アナベル’の魅力が深まる早春のお手入れ&新品種をチェック!

ナチュラル感のあるインテリア・アイテムとしても人気が高い、アジサイ‘アナベル’。ふわふわまん丸の手毬のような花が咲き、初夏の訪れを知らせてくれます。庭のフォーカルポイントとしてはもちろん、開花後はドライにして部屋に飾るなど楽しみが多いのも魅力。育て方も簡単で、2〜3月は植え替えや剪定の適期です。ライムグリーンから純白の基本種に加え、ピンクがかる新品種も登場! アナベルの魅力と剪定&植え替えのコツをご紹介します。
目次
人気の花「アナベル」を自宅で咲かせる贅沢

アジサイ(Hydrangea)は、全国各地に多数の名所があり、初夏の到来を知らせてくれます。日本で愛される植物の一つですが、公園や神社、観光ガーデンなどで見られるアジサイは、主に西洋アジサイ(Hydrangea macrophylla)。なかでも近年は、アジサイ‘アナベル’を群生させて、一面に咲かせる名所も増えているほど、アナベルの人気が年々高まっています。また、アナベルは、フラワーアレンジやリースなどのクラフト素材としても人気があり、自分で育てていれば、好きなだけ部屋に飾ったり、ドライにしてクラフトに使えるなど楽しみがいっぱい! 切り花を都度買い求めなくても、手軽にいつでも摘んで使うことができます。
西洋アジサイ(紫陽花)とアナベルの特徴

西洋アジサイとアナベルには、それぞれに異なる特徴があるのをご存じでしょうか?
西洋アジサイのルーツは、本来日本原産のアジサイをシーボルトが母国に持ち帰ったことに始まります。その後ヨーロッパで品種改良が進み、花が大きく、華やかで豪華なアジサイが誕生しました。それが日本へ逆輸入されたものが、現在の西洋アジサイのルーツです。
それに対しアナベルは、北アメリカ原産のアジサイ。別名アメリカアジサイとも呼ばれる、アメリカノリノキ(Hydrangea arborescens)の園芸品種です。直立性の低木で、草姿も西洋アジサイとは異なります。
また、花言葉にも違いがあります。一般的なアジサイは、花色が変わることから「移り気」や「浮気」。一方、アナベルの花言葉は「ひたむきな愛」「辛抱強い愛情」。アナベルは、愛を伝えるのにもぴったりな花です。
西洋アジサイにはない「風にそよぐ草姿」も魅力

よく見かける西洋アジサイは、剪定されて丸いドーム状の樹形をしています。葉は肉厚で、花のないシーズンでもこんもりしています。アナベルの場合は、すっとまっすぐに伸びた細い茎の先端に、手毬状の花を咲かせます。たおやかに風にそよぐ、若草色の柔らかな葉と純白の花のコントラストが、日増しに暑くなっていく庭に、爽やかな清涼感をもたらしてくれます。
土壌の酸度に左右されない花の色

アジサイは土壌の酸度で花の色が変わることは、よく知られています。美しいパステルピンクが気に入って庭に植えたアジサイが、翌年、くすんだ青紫色で咲いた……。そんな経験はありませんか?
酸性土壌では、土中のアルミニウムが溶け出し、それを吸収したアジサイは青色に発色します。日本の弱酸性土壌では、ほとんどの場合、青みがかった花を咲かせます。しかし、アナベルは土壌の酸度に関係なく、純白の花を咲かせてくれます。ライムグリーンの小さなつぼみが日増しに大きく成長し、徐々に純白へと変化していきます。開花期間が非常に長いのもアナベルの特徴です。
剪定時期を急がないアナベル

西洋アジサイとアナベルの大きな違いが、剪定する時期です。西洋アジサイもアナベルも、剪定をしなくても毎年花を咲かせてくれるのですが、大きく育って背丈が高くなると、庭のスペースを圧迫してしまいます。そこで、毎年の剪定が欠かせません。
西洋アジサイの場合、花後の7月中旬までに剪定を行わないと、翌年花が咲かなかったり、ポツポツとしか咲かないことがあります。西洋アジサイの花芽は秋までに作られるため、適期の剪定を忘れてしまうと、背が高くなりすぎたり、遅れて剪定することで花芽まで切ってしまうことがあります。
一方、アナベルの場合は、春に伸びた新梢に花芽ができます。そのため、剪定を急ぐ必要はありません。2~3月までに剪定すればOK。どこから切っても花芽ができるので失敗がありません。
剪定の仕方で楽しみ方が広がります

大きな花を楽しみたい場合は、地際付近の3節程度を残して深く剪定します。花数は減りますが、2~3本の少ない枝に養分を集中できるため、直径20~30cmもある大きな手毬のような花を咲かせます。
花数を多くして楽しみたい場合は、たくさんの新芽を出させるために枝を軽めに剪定します。多くの枝に栄養が分散するため、花は小ぶりになりますが、その咲き誇る花数は圧巻です。
他の植物とのバランスを考えて、好みに合わせて剪定してみましょう。アナベルの剪定は自由自在です。
ほったらかしドライフラワー

アナベルの花は、グリーンの小さなつぼみが徐々に大きくなり、ライムグリーンになった頃に開花します。そこからゆっくりと純白へと変化していきます。さらに時間がたつと、セピア色へと変化し、冬には天然のドライフラワーに! アナベルは、他のアジサイと比べて水分が少ないことからもドライになりやすい種類です。鞠状の花を保ったままドライになるのも魅力です。

また、アナベルは押し花やプリザーブドフラワー、ドライフラワーなどにも、とても加工しやすい一面を持っています。剪定の時期を気にしなくていいこともあり、自分の好きなタイミングで花を摘み取れるので、クラフトワークには最高の素材です。

ライムグリーン〜純白〜ピンクと色が移ろう新品種も仲間入り
アナベルには、やさしいピンク色に染まる品種も最近登場しています。純白の花を咲かせるアナベルを隣に植えれば、淡いピンクが混在するやさしいグラデーションとなって、とても美しく、そのコントラストは見事の一言。すでに基本種のアナベルを育てている人にも、ぜひ仲間に加えてほしいおすすめ品種をご紹介します。
アナベル

咲き始めは爽やかなライムグリーンから、満開になるにしたがい純白へと変化する不動の人気種。花がたくさんつくゴージャスな咲き姿が、真夏のガーデンに涼を呼びます。病害虫の心配もなく、育てやすいので、初心者にもおすすめ。
ピコティ・シャルマン

咲き始めの淡いグリーンから、白へと変化しながら徐々にピンクが現れてくる、色変わりが楽しめる品種。ピンク系アナベルには珍しく、大輪の花を咲かせます。
ル・マニフィーク

ライムグリーンの花が咲き進むと、まるで桜のように、ほんのりピンク色に色づくピンク系アナベル。可愛いパウダーピンクは、主張しすぎずナチュラルな庭にもぴったり。
ル・パルフェ

咲き始めのソフトピンクから、セピアがかったアンティークカラーへと変化していきます。春の新芽から出た脇芽にも花が咲く嬉しい特徴も。とても長く観賞できます。
ルミナ

福岡県久留米市で生まれた多花性品種。ライムグリーンで咲き始め、純白へと色変わりし、さらに時間がたつとエメラルドグリーンへと変化。自然にドライフラワーになるまで楽しめます。
アナベルを丈夫に育てるお手入れ< 植え替え>手順を動画で解説
<準備するもの>
・アナベルの苗
・鉢(6~7号)
・GOOD SOILバラの土
・元肥として「オール・パーパス」
・元肥として「野菜花実の有機肥料プラス」
・土のお守り
① GOOD SOILバラの土に、元肥として「オール・パーパス」と「野菜花実の有機肥料プラス」、発根を促し土を長期間健全に保つ「土のお守り」をよく混ぜ、土作りをします。
② アナベルの根鉢を軽くほぐします(葉が付いている生育期は根鉢は崩さずそのまま植えます)。
③ ほぐした根に、「土のお守り」を軽く振りかけ、用意した①の土で植え付けます。
④ 夏の乾燥や土の高温化を防ぐために、表土をウッドチップやベラボンなどで覆ってマルチングし、植え付け完了です。
アナベルの栽培におすすめ!!ヘリテージガーデンポット

平田ナーセリーの全店舗で累計販売数1,000鉢を突破した人気のファイバーポット、ヘリテージガーデンポットは、軽量素材のファイバーグラスで作られたコンテナ。エレガントなデザインと使い勝手を兼ね備え、イギリスのガーデンセンターでも大人気の鉢です。

テラコッタよりも軽く、強度も十分なヘリテージガーデンポットは、植え替えを繰り返して長く付き合っていくアジサイ‘アナベル’の栽培にぴったり。スクエア形のデザインは安定感があり、玄関やベランダ、ガーデンなど、どんなシチュエーションにもフィットするので、飽きずに長く使い続けられます。
植え替え作業が楽になる! こだわりの庭道具「燕三条のハンドスコップ&ハンドフォーク」

とことん使いやすさを追求した庭道具、ハンドスコップとハンドフォーク。製作しているのは、金物で世界的にも有名な新潟県燕三条です。柄の角度や刃のつくりなど各所に職人のこだわりが詰まったこのガーデンツールは、苗の植え替え時に、土をほぐす・穴を掘る・株分けなど、さまざまなシーンで活躍します。また、深く根を張った雑草を抜くのにも便利です。

ガーデニング初心者からプロまで、どんな方にも選ばれるツールで、プレゼントにもぴったり。刃はお手入れしやすいステンレス製。刃全体の硬度を上げるために徹底して温度管理された真空状態の炉内で焼入れ処理を行っているので、歪みにくい・折れにくい頑丈なスコップ&フォークです。
アナベルの剪定&植え替えは、今が適期

清涼感のある花色で、庭のアクセントになる人気のアジサイ‘アナベル’。剪定で姿を整えながら株を充実させると圧倒的な花数で、ゴージャスな風景を作ってくれます。庭や鉢で育てるだけでなく、開花後の楽しみが多く、飾るために育てるという人がいるほど。アレンジメントやリース、スワッグ、押し花、キャンドルづくりなど、クラフトに幅広く使える花材です。アナベルを身近に育てて、花咲く豊かな暮らしを楽しみましょう!
取材・写真協力/平田ナーセリー
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