5月中旬ごろからつぼみが現れはじめ、6月には大きな鞠のような花を咲かせる紫陽花(アジサイ)。みずみずしい花の季節の切り花も豪華で素敵ですが、色あせて萼が乾燥してきた頃の「秋色アジサイ」は、インテリアにおしゃれな雰囲気をプラスする人気のアイテムです。採取のタイミングによって魅力が変わるアジサイについて、ご紹介します。

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日本原産のアジサイには出ない爽やかなグリーンの花が楽しめるアメリカノリノキ(アメリカアジサイ)‘アナベル’のドライ。咲き始めはライムグリーン、満開になると光に輝く純白花になり、次第にくすんだペールグリーンへと色変わりします。花に見えている部分は、実は花びらではなくて萼(がく)ですが、水分が少ないことからもドライになりやすい種類です。鞠状の花を保ったままドライになるのも魅力です。

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水を入れずに花瓶に挿して豪華な花束を楽しんでも、またガラス瓶に入れれば、透けて見える花の姿がおしゃれ。ドライなので、水を替えたり置き場所を選ばない手軽さがいいですね。

代表的な人気のアジサイ4種

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アジサイは冬に落葉する低木で、日本が原産です。アジサイにはいくつか種類がありますが、代表的なのは、写真左のように装飾花が周りを縁取るようになるガクアジサイ(ガク咲き)や、写真右のように装飾花が円形になる手毬咲きのアジサイです。また、日本のアジサイが欧米に渡って改良され、日本に逆輸入されたセイヨウアジサイがありますが、中でも大きな花房のセイヨウアジサイ(アメリカノリノキ)‘アナベル’や、カシワの葉に似た切れ込みが入る葉を持ち、円錐形の花房が美しいカシワバアジサイは、ドライにしやすく豪華な花で人気です。

カシワバアジサイの色変わりの様子。左は5月下旬に花が咲き揃った頃。右は、7月上旬の様子です。咲き進むと、緑や赤に色変わりして、不思議な色調が楽しめます。カシワバアジサイは、秋に葉が紅葉するのも特徴です。

変化を楽しむアジサイ

東京に咲くアジサイの5月下旬、つぼみがまだ多い頃。若々しい小ぶりな花は、次第に膨らみ始めます。花色は全体的にパステル調。この頃の切り花はフレッシュなので、花瓶に挿して長く楽しめます。咲き始めは控えめな花なので、遅咲きのバラにプラスして作るアレンジメントもオススメです。

6月上旬には、しっかり色づいて花の存在感が出てきます。この頃は、アジサイを数輪挿しただけで部屋の中が明るくなり、ジメジメした梅雨を忘れさせてくれます。この時期に切った花をそのままドライにしようとしても、花がチリチリになって、あまり美しくドライにはなりません。

7月上旬になると、季節は真夏に。花色は少々くすみはじめますが、花房ごとに色味に差が現れてきて、なんともいえない美しさに。このように、株に花がついたまま少し退色したアジサイのことを、一般に「秋色アジサイ」と呼びます。でも、「7月上旬なんてまだ夏真っ盛りなのに秋色?」と疑問に思いますよね。冷涼な土地ならば、夏から秋にかけてゆっくり秋色アジサイに変化していきますが、温暖化が進む平地では、夏の暑さによって秋色になるのが早まっているようです。

リース制作:河本麻記子

平地では梅雨明け後に、冷涼な地域なら秋近くなって、色が少しくすんで、触るとカサっと乾いた感じがしたら、花がドライになりやすくなっているタイミングです。花茎を切ったら、そのまま水を入れないで花瓶に挿しておくだけで素敵なインテリアになります。写真のように、リースにしてお気に入りの雑貨コーナーにディスプレイしたり、扉にかけたりして美しい自然の色を身近に愛でましょう。

アジサイの剪定のポイント

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日本原産のアジサイやカシワバアジサイは、剪定のタイミングや切る位置を間違えると、翌年の花が咲きません。剪定は、花が秋色アジサイになった頃に2節ほど切ります。花を採取するときから意識するとよいでしょう。あまり深く切りすぎると花芽がつかなくなりますが、年数が経って伸びすぎて困ったら、冬になってから10本のうち5本は2節切って、残りの5本は少し短めに剪定するのも方法です。花数は減りますが、株の茂りすぎをリセットできます。

一方、アメリカアジサイ‘アナベル’は、春に伸びた新枝に花を咲かせるので、短く切っても大丈夫。花の時期に高さ1mほどの位置で咲かせるためには、地面から30㎝ほどの位置で切ります。冬に枝を切らずに長く残してしまうと、高い位置につぼみがつき、春先の雨風でせっかくできた花芽が折れて悲しい思いをしますよ。

Credit

写真&文/3and garden
ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。

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