植物の力を閉じ込めたコスメを、長年にわたり雑誌やウェブサイトで美容記事の編集をしてきた徳永幸子さんがご紹介する連載「ボタニカル・パワー」。今回は、エシカルシャンプーを3つセレクトしてご紹介します。髪や地肌にやさしいだけでなく、環境にもやさしいヘアケアで、あなたも身近な社会貢献を始めませんか?
目次
最近よく耳にするエシカル消費とは?
いま世界的に注目されているのが、“エシカル消費”という概念。“エシカル”は、直訳すれば「倫理的な」という意味で、法律で決まっているわけではないけれど、倫理的に正しいと思うことをしよう、という消費活動のこと。
たとえば、年々深刻さを増す海洋汚染の原因となっているプラスチックゴミの問題を受け、マクドナルドやスターバックスがプラスチック製ストローの廃止を発表したことは、記憶に新しいですよね。
ほかにも、貧困や人権、温暖化といった地球全体の課題のために、人や環境に配慮した、フェアトレードやカーシェアリング、障がい者支援商品などもエシカル消費に含まれます。
この地球のために、個人個人の意識を少し変えるだけで、誰でもできる社会貢献。それがエシカル消費なんです。
今回ご紹介する3つのヘアケアアイテムも、地球環境や人に配慮してつくられたものばかりです。
世界的エシカルブームを巻き起こしたブランドがついに日本上陸! エティーク「シャンプー バー&コンディショニング バー」

世界的に問題となっている環境汚染や地球温暖化の中でも、特に深刻なのが海洋汚染。さまざまな国や場所から流れついたプラスチック破片、マイクロプラスチックを、魚などが飲み込み、生態系を狂わせています。
そんな海洋汚染問題に心を痛めた一人の理学部女子学生がその知識を生かし、プラスチック撤廃をテーマに製品開発した化粧品が、ニュージーランド発のサスティナブルビューティーバーブランド「エティーク」です。
すでに世界中で約700店舗を展開する大ヒットを収めていて、海外の有名歌手や女優などセレブからも高い支持を得ているブランドです。 “プラスチックも、環境に悪い化学物質も使わないために、どうすればいいか? ”という問いに、女子学生の出した答えが “固形にすること”だったそう。
じつはシャンプーやコンディショナーは、その中身のほとんどが水。そこで、水を取り除いた画期的な固形のシャンプー&コンディショナーが誕生したのです。プラスチックボトルを使わない形状にしたことで、昨年末時点で100万本相当のプラスチック製シャンプーボトルを減らすという大きな実績をあげています。
洗っている間から、その手触りに感動!
「エティーク」のシャンプー&コンディショナーは、環境に悪い化学物質を使用せず、ココナッツオイルやカカオバター、シナモンなどナチュラルなものだけで作っています。つまり、ただただ、環境、健康に良いものを、高濃度で詰め込んだバーなのです。
そのため、洗い上がりは驚くほどなめらかで、洗っているそばから「なんだこれ!? 髪がめちゃくちゃツルツルになる!」と感動! また、使う前は「固形だから泡立ちがイマイチなんじゃ…」と心配でしたが、濡らした髪に数回なでつけると、豊かな泡がしっかりと出現、キシみもなく洗えました。
コンディショナーを使うとさらに潤いますが、シャンプーだけでも十分なほど(ちなみに、エティーク創設者の女性は、もう何年もシャンプーしか使っていないのに驚くほどツヤツヤなんです!)。そして翌朝、もう一度びっくり。しっとりと髪がまとまっていたので、ノンブローで外出できました。エティーク、すごすぎる!

シャンプーは、髪の悩みに合わせ、ドライヘア・ダメージヘア用、ボリュームアップ用など4種(写真上)。コンディショナーは2種から選べます(写真下)。

手のひらにちょこんと乗る小さなサイズながら、シャンプーは標準的な350mlボトルサイズの3本分、コンディショナーはなんと5本分! コスパも抜群なんですよ。狭い日本のお風呂の中で、置く場所も取らないなど、とにかくいいことずくめのヘアケアアイテムです。
【商品概要】
エティーク『シャンプー バー』
110g 価格:1,980円(税別)
『コンディショニング バー』
60g 価格:2,100円(税別)
ジョンマスターオーガニック「H&H(ハニー&ハイビスカス)シリーズ」

「地球に敬意を払うラグジュアリーなビューティラインを」という信念のもと、環境に配慮したサスティナブルな方法で栽培、収穫された原料を使い、動物実験をせずに製品を作っているオーガニックブランド「ジョンマスターオーガニック」。
その製品の中でも、数々のアワード受賞経験を持つプレミアムライン“H&H(ハニー&ハイビスカス)シリーズ”が、シャンプー&コンディショナーに加え、サロン帰りのような仕上がりを叶えるヘアトリートメント『H&Hリペアヘアマスク』を加えてリニューアル。
シャンプーには新たにハイビスカス花水を、コンディショナーにはいままでよりさらに贅沢にアロエベラ液汁を配合し、日々のドライヤーや、カラーリングなどで傷んだ髪を補修する効果がパワーアップ。また、コンディショナーには保湿効果の高いシアバターも新配合。しっとりまとまりやすい髪に整えてくれます。
オーガニックやノンシリコンは、泡立ちがいまいちという印象を持つ人も多いかもしれませんが、ジョンマスターオーガニックの製品は、どれも驚くほど豊かな泡立ち。洗浄成分はココナッツ由来なので、髪や頭皮の潤いは守りつつ、汚れだけをしっかりオフしてくれますよ。
濃密美容成分がまるでサロンでトリートメントしたような美髪に
新しく仲間に加わった『H&Hリペアヘアマスク』には、オリーブ果実油、アーモンド油などの4種のオーガニックオイルに、シアバターとバクリバターの2種のバターを配合。このリッチな美容成分が、髪に若々しいハリとツヤを与えてくれます。
また、アメリカの小さな農家で丁寧に作られた、オーガニック認証のハチミツもイン。ハチミツの持つ豊富な栄養素が、髪のキューティクルを整え、毛先までツヤツヤ輝く髪に。自宅で手軽に、サロン帰りのような絹髪を叶えてくれます。
イランイランやベルガモットを中心としたうっとりするような香りも、まるで高級ヘッドスパに来たような優雅な気持ちになりながらケアできます。
【商品概要】
ジョンマスターオーガニック
『H&Hリペアシャンプー N』177ml
価格:3,900円(税別)
『H&HリペアコンディショナーN』
177ml 価格:5,900円(税別)
『H&Hリペアヘアマスク』
125g 価格:5,900円(税別)
国産原料にこだわる日本生まれのエシカルヘアケア リンレン「レメディアル シャンプー・トリートメント ローズ&ツバキ」

代表である杉谷惠美氏が、婦人病やアレルギーを患っているときに出逢った植物のパワーに感銘を受け、設立したのが「ビーバイ・イー」です。 “毎日使うものだから、あらゆる肌質、そして小さな子どもでも使えるやさしさ、安心、安全を”という想いのもと、植物由来原料、無添加などにこだわったスキンケアブランドや食品ブランドを展開しています。
そんな「ビーバイ・イー」のブランドの中で、令和元年の今年、誕生10年を迎えたのが日本生まれのエシカルヘアケアブランド「リンレン」です。日本の農業支援や地域活性の促進に貢献することをテーマに、国産の植物由来原料を使用。また、果実を絞ったあとに廃棄される果物の皮を再利用するなどして環境負荷を軽減する試みや、海を汚さないよう生分解性にすぐれた洗浄成分を使用するなど、人、自然、そして未来の地球にやさしく誠実なものづくりをしているブランドです。
エシカルだからと、美髪への効果は二の次というわけではありません。その原料は、こだわり抜いた高品質なものばかり。『レメディアル シャンプー・トリートメント ローズ&ツバキ』には、ローズ、椿、芍薬など、高貴な美しさを漂わせる花々や“海のコラーゲン”と称され、高い美容効果を持つ国産真珠エキスなどを贅沢に配合。乾燥やパサつきが気になる髪も、ダメージなんてみじんもなかった、少女の頃のような潤いのある美髪に復活させます。
パサついた髪もしっとりまとまる
使用されているローズ花水・ローズ花エキスは、島根県奥出雲薔薇園で無農薬、有機肥料で育てられた、食べられるほど安全なバラ。バラの香りが最も高い早朝に、丁寧に手摘みされたバラから抽出されるローズ花水は、格別に濃厚な香りなんだそう。
またツバキ種子油は、佐賀県の最北端に位置する加唐島に自生する、希少価値の高いヤブツバキのもの。コールドプレス(非加熱搾取製法)で搾油後、3回濾して不純物をなくしたピュアなツバキ油にしています。その中には、皮膚に多く含まれるオレイン酸が85%も含まれ、髪にすばやくなじんでしっかりと保湿、しなやかで毛先までしっとりまとまる髪に導きます。
“ローズ&ツバキ”は、パサツキや広がりが気になる髪の方にオススメですが、ほかにもハリ・コシがない、ボリュームがほしいといった悩みを持つ方用に高知県産ユズを使用した“ユズ&ジンジャー”、頭皮のべたつきやニオイ、フケ・かゆみが気になる人に向けた薬用スカルプケアの“ミント&レモン”なども揃います。
【商品概要】
リンレン『レメディアル シャンプー・トリートメント ローズ&ツバキ』
各520ml 価格:1,850円(税別)
髪や地肌だけでなく、地球にやさしいエシカルシャンプー。シャンプーは毎日使うものだからこそ、日々の積み重ねが環境を左右することに。一人一人が意識し、エシカル消費の輪が広がれば、この世界はもっと美しく、暮らしやすくなるはず。身近なところから、環境保全や社会貢献を始めてみませんか?
Credit

写真&文/徳永 幸子(とくなが さちこ)
早稲田大学卒業後、美容専門の編集プロダクション「レ・キャトル インターナショナル」でライター・エディターとしてのキャリアをスタート。『non・no』、『MORE』、『LEE』、『ar』 といった女性誌でライティングや、『美レンジャー』、『美的.com』などの美容系webメディアで編集に従事。エイジングケアコスメとチョコレートに目がない44歳。
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