ハーブティーブレンド入門レッスン【ルイボス×ローズ】

植物を活用して健康づくりに役立てる「ガーデンセラピー」という考え方をご存じですか? 生活が不規則だったり、食生活が乱れていたり…何かとストレスを感じる現代を生きる私たちにこそオススメの植物療法です。ガーデンセラピーの楽しみ方の一つとして、ハーブティーがあります。ハーブの持つさまざまな効能を手軽に摂取できる方法ですが、今回は、ハーバルライフコーディネーターの堀久恵さんに、ルイボスとローズの2種類をブレンドして、おいしく飲むための実験をご紹介いただきます。
目次
活性酸素を除去するハーブの力
呼吸をし、食事をする…そんな当たり前のことで、体の中に「活性酸素」というものが生まれます。活性酸素は強力な酸化力を持っていて、体の細胞を酸化させ、さびつかせてしまうのです。人間は、もともと、そんな活性酸素を除去するシステムを持っていますが、現代人は、食品添加物・農薬・ストレス・大気汚染等が影響し、活性酸素が増えすぎてしまい、処理しきれない状況です。
体内や肌の老化を加速させたり、病気を引き起こすといわれている活性酸素。うまく体内から除去したいですよね。
そこで活躍してくれるのが、ハーブ。活性酸素を無害化する働きを「抗酸化作用」と呼びますが、ハーブには、この抗酸化作用を持ったものがたくさんあるのです。
ルイボスの効能

南アフリカ原産・マメ科の植物の葉から取れるルイボス。体をさび付かせ、老化の原因となる活性酸素を除去してくれる抗酸化物質を豊富に含むとして、近年注目されているハーブです。
ルイボスは、花粉症やアトピー性皮膚炎、ぜんそくといったアレルギー症状を抑える作用があるとされていますよ。また、代謝促進作用があることから、冷え性や便秘の改善にも。
ローズの効能

ローズは、気分が落ち込んでいたり、疲れて元気が出ない時、また過敏になった神経を落ち着かせたい時にオススメのハーブ。一見すると、相反する作用のような気がしませんか?
実は、人間には、「ちょっと具合が悪いな…」など、少し正常の状態から外れた時に、元に戻そうとする恒常性(ホメオスタシス)と呼ばれる機能が備わっています。ハーブには、その機能を調整する作用が期待できるのです。つまり、精神的に張りつめている緊張状態の時には、落ち着かせる作用が働き、気分が落ち込んでやる気が出ない時には、気持ちを上げてくれる作用が働くのです。
そのほかにも、肝臓の不調、便秘や下痢など胃腸の不調、風邪、生理痛・更年期障害など女性特有のトラブル、むくみなど、さまざまな不調を改善する作用を持っているのがローズ。まさに「花の女王」と呼ばれるにふさわしい、多岐にわたる効能が期待できます。
ハーブはいろいろ混ぜるとおいしくなる!
ハーブティーを購入しようと思ったら、まずは、1種類だけの単品(シングル)でという方が多いかもしれません。でも、ハーブは1種類ではなく、2つ3つと違うハーブをブレンドすることで、よりおいしさが増すのです。混ぜ合わせることで、厚みや深みが生み出されるシナジー効果や、お互いのとがった香りを消し合って豊かな風味を生み出すマスキング効果などがあるためです。
それに、一度にさまざまな作用を体内に入れることにもつながり、身体に必要なミネラルやビタミンなどの栄養素が一緒に取れるのも嬉しいですね。
まずは味をシングルで確かめる
今回は、ご紹介したルイボスとローズをブレンドするための実験をしてみましょう。
まずは、味比べから。ルイボスとローズの2種類を、ホットとアイスで淹れてみます。
1. カップにティースプーン山盛り1杯のハーブを入れてから、ホットの場合は熱湯を180cc、アイスの場合は熱湯を90cc注ぎ、3分蒸らします。

2. アイスのカップには氷を入れておき、3分待ちます。ハーブの成分をしっかり抽出するために、3分きっちり計ってお待ちください。3分経ったらハーブを濾して、飲んでみましょう。
3. 感想をメモしておきます。
ブレンドしてみる
飲み比べてみて、味の違いが分かったところで、次に、ホットにするかアイスにするかを選択しましょう。これでハーブティーの味が大分違ってきます。
ホットかアイスかが決まったら、いよいよブレンドです。
ローズかルイボスか、好みのほうを2、もう一方を1の分量にして、ブレンドしてみましょう。好みのものを多めにブレンドすることで、飲みやすい味にまとまります。どちらも同じくらいなら、1:1にしてみましょう。ここからは気分や好みで決めてOK! 心のままにブレンドを試してみることが大事ですよ。
鉄則! ハーブはティースプーンで計量する

ハーブをブレンドする際、ハーブの量はティースプーンで計量すること。こちらの写真は、ルイボス1:ローズ2の割合です。ハーブは種類によって、かさがかなり違いますので、グラムで計算するのではなく、ティースプーンを基準にしましょう。ティースプーン山盛り1杯で150ccくらいが適量です。この写真だと、ホットなら450cc、アイスなら225ccのお湯が適量となります。

ハーブは心身を癒して、健康や美容をサポートする一つのツールです。日常生活にハーブを取り入れたガーデンセラピーを実践して、健康維持に役立ててくださいね。
Credit
写真&文 / 堀久恵 - 花音-kanon- 代表 -

ほり・ひさえ/ガーデンセラピーナビゲーター。一般社団法人日本ガーデンセラピー協会専門講師。
生花店勤務を経て、ガーデンデザイン・ハーブ・アロマセラピー等を学び、起業。植物のある暮らしを通じて、病気になりにくい身体を作り健康寿命を延ばすことを目指した「ガーデンセラピー」に特化した講座の企画運営と庭作りを得意とする。埼玉県熊谷市の『花音の森』にて、日々植物に囲まれ、ガーデンセラピーを実践中。
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