梅雨の時期は、雨が続いてなかなか洗濯物を外に干せないですよね。仕方なく部屋干しすると、生乾き臭が気になる…そんな悩みを抱えている方も多いでしょう。ニオイの原因は菌の繁殖! そこで活躍してくれるのが植物100%の天然香料・精油です。殺菌作用のある精油を上手に使えば、雑菌の繁殖が抑えられます。今回はハーバルライフコーディネーターの堀久恵さんに、梅雨時期にオススメの精油と、簡単にできるリネンスプレーの作り方をご紹介いただきます。
目次
精油ってなに?
精油(エッセンシャルオイル)は、植物の花・果皮・果実・根・葉など、さまざまな部位から抽出された、天然の揮発性物質です。アルコールや水などは一切添加されていない、純度100%のものを精油と呼びます。
100%の天然香料は、数十~数百種類の化学成分から成り立っていて、植物によって異なる有効成分を持っています。例えば、「殺菌作用」や「鎮静作用」などの心身へ働きかける作用があります。
“アロマオイル”、“フレグランスオイル“などの商品名で売られている、合成して作られた香りもたくさんあるので、購入する際には、必ず100%天然香料であることを確認してください。慣れないうちは、アロマテラピー専門店などで、実際に香りや品質を確かめ、お店の方に相談しながら購入するとよいでしょう。
生乾きの臭いの原因と、梅雨の時期にオススメの精油
梅雨時期の部屋干しで、洗濯物が臭くなる原因は雑菌。洗濯後すぐに天日に干せば、においませんが、衣類に水分が残っている時間が長くなると、雑菌が繁殖して、結果、ニオイにつながるのです。近年は洗剤の技術が向上し、ニオイをカバーする香りの種類も豊富に売られていますが、人工香料が苦手な方や、自然派の方にオススメなのが精油を使うこと。こんな時こそ、雑菌の繁殖を抑える「殺菌作用」「抗菌作用」を持っている精油を活用しましょう。
<殺菌作用・抗菌作用のある精油>
ティートリー・ユーカリ・ライム・ラベンダー・レモン・ジュニパー・ヒバ・ヒノキなど

洗濯物にシューッとするだけ! リネンスプレーの作り方
上記の中から、好きな香りを1つ選びましょう。作り方はシンプルで、5分もあれば完成しちゃうほど簡単です。
<材料>

1. 精製水 80ml
2. 消毒用エタノール 20ml
※ 1.2.ともにドラッグストアで購入できます。
3. 100mlのスプレー容器
※ スプレー容器は、遮光のガラス製や、アルコールに耐性のあるプラスチック製がオススメです。安価なプラスチックは溶けてしまうこともあるので、購入する際は素材を確認してください。アロマショップやインターネット通販等で購入可能です
4. 殺菌作用や抗菌作用のある精油 20滴
5. ビーカーなど計量できる容器と竹串
<作り方>
1. ビーカーに無水エタノールを量り入れ、さらに精油を入れます

精油を入れる際には、瓶を振ったりせず、自然と精油が垂れてくるのを待ちます。また、精油の量は多くすればいいというものではなく、逆効果になることもありますので、滴数を守ってください。
2. 竹串でよく混ぜたら、容器に移し入れます
3. ビーカーで精製水を量り、容器に移し入れます

4. 口をしっかり閉じて、よく振って混ぜたら完成です
リネンスプレーの使い方
作ったリネンスプレーは、洗濯物を干す際に、直接衣類などにスプレーして使用しましょう。シーツやカーテン、ソファーなどにも使えますよ。
<使用する際の注意点>
★使う際に、よく振ってからスプレーしましょう。
★防腐剤などは入っていないので、作ったものは2~3週間を目安に使い切りましょう。
★色移りが気になるものには使用しないでください。
ディフューザーを活用しよう
また、部屋干しする際に一緒に使うと便利なのが、芳香器・アロマディフューザーです。水と一緒に精油を入れると、超音波によって精油が微粒子になり、空気中に舞って、部屋を香らすことができます。部屋干しした時に、これを一緒に稼働させておくと、雑菌の繁殖をおさえてくれます。火や熱を使わないので、安心して使えますよ。

ディフューザーにもさまざまなタイプがありますが、こちらは精油を直接セットできるオイルディフューザーです。水が不要で、スイッチを押すだけで操作や手入れも簡単なのが魅力です。
精油の量は機種によって異なりますので、添付の説明書などを確認の上、使用してください。
●注意点
自然の恵みが詰まった精油ですが、妊娠中・授乳中の方、治療中の病気がある方、体質等の心配がある方は、使用できない種類もあります。使用する前に、かかりつけの医師にご相談ください。また、ご紹介したレシピの作用や反応には、個人差があります。ご利用の際には、身体に合うかどうかパッチテストを行い、違和感がある場合にはすぐ使用を中止するなど、ご自身で責任を持ってお試しいただくようお願いします。
Credit

写真&文/堀 久恵(ほり ひさえ)
花音-kanon- 代表、ガーデンセラピーナビゲーター。
生花店勤務を経て、ガーデンデザイン・ハーブ・アロマセラピー等を学び、起業。植物のある暮らしを通じて、病気になりにくい身体を作り健康寿命を延ばすことを目指した「ガーデンセラピー」に特化した講座の企画運営と庭作りを得意とする。植物に囲まれ、日々ガーデンセラピーを実践中。埼玉県熊谷市在住。
https://kanongreen.com/
新着記事
-
ガーデン&ショップ
都立公園を新たな花の魅力で彩る「第3回 東京パークガーデンアワード」都立砧公園 【1月の様子】
新しい発想を生かした花壇デザインを競うコンテストとして注目されている「東京パークガーデンアワード」。第3回コンテストが、都立砧公園(東京都世田谷区)を舞台に、いよいよスタートしました。2024年12月には、…
-
宿根草・多年草
豪華に咲く!人気の宿根草「ラナンキュラス・ラックス」2025年おすすめ品種ベスト5選PR
春の訪れを告げる植物の中でも、近年ガーデンに欠かせない花としてファンが急増中の「ラナンキュラス・ラックス」。咲き進むにつれさまざまな表情を見せてくれて、一度育てると誰しもが虜になる魅力的な花ですが、…
-
アレンジ
【春の花】ヒヤシンスはスッと垂直に活けるのがおすすめ! スクエアガラスのベースにスタイリッシュにアレ…
春の訪れを感じさせてくれる花といえば、チューリップやヒヤシンス(ヒアシンス)などの球根花! 本格的な春の到来はまだ少し先の話でも、フラワーショップには一足先にカラフルな春の花が並んでいます。明るいブル…