冬になると空気が乾燥して風邪をひきやすくなります。風邪予防にぜひオススメしたいのが、「ハーブはちみつ」。はちみつには高い殺菌力があり、そこにハーブの効能をプラスすれば、ダブル効果が期待できます。ハーブを日々のセルフケアに役立てましょう。今回は、はちみつやハーブのさまざまな効果とハーブはちみつの作り方、そして効果的な摂り方をご紹介します。
風邪予防はもちろん、ひきはじめにも「はちみつ」がオススメ!

はちみつは、ビタミンCやB1、B2などのビタミン類やマグネシウム、カルシウム、鉄、ポリフェノールなど150を超える多彩な栄養素を含んだ総合栄養食品です。古代から、甘味料としての食用だけでなく薬用や美容品としても使われてきた歴史があります。
はちみつに含まれるグルコン酸には殺菌作用があり、また、強い殺菌力を持つ過酸化水素をつくる酵素も含まれることから、咳止めやのどの炎症、口内炎、擦り傷の治療などに効果があるとされてきました。
ちなみに、はちみつにカビが生えたり腐ったりしないのは、この高い殺菌作用のおかげなのです。
また、はちみつに含まれる糖分は、消化吸収に優れた“単糖類”で、胃腸への負担が少なく、体内で効率よくエネルギーに変わるので、疲労回復効果も期待できます。風邪をひいて弱った身体のケアにもピッタリです。
風邪やインフルエンザが流行するこの時期、はちみつの殺菌効果や疲労回復効果を上手に取り入れて、風邪予防したいですね。
今回は、さまざまな効果が期待できるはちみつに、ショウガとローズマリーを加えた、「ハーブはちみつ」を作ります。風邪予防にはもちろん、ちょっとのどが痛いかも、疲れ気味で体力が落ちているかも…というときにも有効な、冬にぴったりの一品です。しかも簡単に作れますので、ぜひお試しくださいね。
体を温めるには乾燥ショウガがオススメ!

日本人に馴染み深いハーブの一つ、ショウガは、風邪や悪寒に効果があり、昔から漢方薬として使われてきました。 実はショウガには、生で使うか乾燥させて使うかによって、相反する作用があることをご存知ですか?
生のショウガにある辛み成分に含まれる「ジンゲロール」には、体の中心部分の熱を細部に送り届けながら、体を冷やす作用があるので、熱を冷ましたいときなどにオススメです。
そのジンゲロールを乾燥させることで変化した成分を「ショウガオール」といいます。
ショウガオールには、身体を奥深くから温めてくれる作用があり、その効果は長時間持続しますので、胃を温めて食欲を促し、消化を促進する働きが期待できます。ですので、風邪予防や風邪のひきはじめ、冷え性改善などには、特に乾燥ショウガがオススメです。
乾燥ショウガは、生のショウガを乾燥させてから使用してもいいですし、乾燥させたものもハーブやスパイス専門店で販売されています。
抗菌作用のあるローズマリーをプラスしよう!

強い芳香成分を持つローズマリーには、殺菌作用、抗菌作用や消化促進効果があります。また、その香りには脳細胞を活気づける作用があり、風邪で弱った身体を活発にして、元気づけてくれます。ちなみに、ローズマリーは生でもドライでも、どちらでも構いません。
ハーブはちみつを作ろう!
作り方は簡単! 乾燥ショウガとローズマリーの2種類のハーブをはちみつに漬け込むだけで、ハーブはちみつのでき上がりです。
<用意するもの>
○ 純正はちみつ(できれば非加熱のもの) 100g
はちみつは、添加物などが入っていない純正のものがオススメです。また、はちみつに含まれるビタミン類は熱に弱いため、できれば製造工程で加熱処理をしていないものがよいでしょう。
○ 乾燥ショウガ 10g
○ ローズマリー(生or乾燥) 5g
○ 密閉容器
<作り方>
1. 密閉容器のビンとフタをきれいに洗い、たっぷりの水に浸し、火にかけます。沸騰したらそのまま5~10分煮て、煮沸消毒し、キッチンペーパーの上に逆さに置いて熱を冷まします。
2. 煮沸消毒したビンに、ショウガとローズマリーを入れて、はちみつを加えます。
はちみつに徐々にハーブの有効成分が溶け出してきますので、5日ほど経ったら、使えるようになります。
ハーブはちみつの効果的な摂り方は?

せっかく作ったハーブはちみつですから、効果的に摂取したいですよね。
例えば、お湯やハーブティー、紅茶の甘みとして使うのもオススメですが、先ほども触れたとおり、はちみつに含まれるビタミン類は熱に弱く、45℃になると壊れてしまうので熱湯は避けましょう。
純正で非加熱のはちみつを使った場合には、生でそのまま口に入れるのがベストです。夜寝る1時間ほど前に体内に入れると、成長ホルモンの分泌を促進してくれる作用があるのでオススメです。風邪予防や健康づくりに取り入れる際には、ぜひ参考にしてみてくださいね。
<注意点>
自然の恵みが詰まったハーブですが、妊娠中・授乳中の方、治療中の病気がある方、体質などの心配がある方は、使用できないハーブもあります。使用する前に、必ずかかりつけの医師に相談しましょう。健康状態が気になる方も医師に相談してから使用しましょう。
また、1 歳未満の赤ちゃんがはちみつを食べることで乳児ボツリヌス症にかかることがあります。1歳未満のお子さまには食べさせないでください。
併せて読みたい
・庭がなくても大丈夫! 一日一杯から始める「ガーデンセラピー」
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Credit

写真&文/堀 久恵(ほり ひさえ)
花音-kanon- 代表、ガーデンセラピーナビゲーター。
生花店勤務を経て、ガーデンデザイン・ハーブ・アロマセラピー等を学び、起業。植物のある暮らしを通じて、病気になりにくい身体を作り健康寿命を延ばすことを目指した「ガーデンセラピー」に特化した講座の企画運営と庭作りを得意とする。植物に囲まれ、日々ガーデンセラピーを実践中。埼玉県熊谷市在住。
https://kanongreen.com/
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