ハーブを育てて、おいしく食べましょう! 日々植物に触れ、自分たちの手で育てたハーブを食べることは、自然療法「ガーデンセラピー」の一つ。ストレスを減らし、心と体を健やかに保つ作用が期待できます。今回ご紹介する“ディル”は、ハーブの中でも狭いスペースや、プランターで育てられる丈夫な種類。ここでは、ディルの育て方や使い方から、育てたディルを活用して作る「ディルビネガー」のレシピをご紹介します。
目次
ディルってどんな植物?
ディルはセリ科の一年草。繊細な葉が美しいハーブで、葉・茎・花・種子を食べることができます。葉は3~7月くらいまで楽しめ、花は6月頃、黄色い小花が集まるように咲きます。そのままにしておくとやがてその花は枯れて、茶色くなり、種子が採れるようになります。
ディルは「魚のハーブ」と呼ばれるほど魚との相性がよく、サーモンやマリネなどによく使われます。細い葉や茎には、独特のすっきりとした香りがあり、風味付けにピッタリ! ドレッシングやマヨネーズ、スープなどにも活躍してくれるハーブです。また、種子にはカルシウムやミネラル、リン酸などの栄養素も豊富に含まれているので、一緒に使用するのもオススメですよ。
ディルの栽培のコツは?
ディルは、日当たりがよい場所で栽培しましょう。込み合って風通しが悪くなると、株元から枯れてきますので、大きくなった株から収穫してくださいね。また、放っておくとすぐに花が咲いて種子をつけてしまいます。種子をつけると株は枯死しますので、葉を楽しみたい場合は、花芽は切って摘芯を繰り返し、花を咲かせないようにしましょう。
ディルの成長のピードは速く、草丈は1mほどにもなります。伸びてきたら、倒れないように支柱を立てましょう。
また、日々の水やりは控えめでOK! 土の表面が乾くのを待ってから、たっぷり水やりをしますが、葉が少ししおれるくらいになってからで大丈夫です。
ディルは、基本的には丈夫で育てやすいハーブですが、春と秋にはアゲハの幼虫が発生しやすいので気をつけて。一晩で丸坊主になるほど葉が食べられてしまうこともありますので、日頃からよく観察して、幼虫は見つけ次第処理してくださいね。
ディルは魚料理と相性抜群
ディルは生のまま食べられるハーブで、特に魚料理との相性は抜群です。例えば、スモークサーモンにちょっと添えてカルパッチョに♪
レースのような葉が彩りを添えてくれますよね。葉は必要な分だけ切って使ってください。その際、葉だけではなく、茎も写真のように小口切りにすれば、おいしく食べられますよ。
保存できて便利! ディルビネガーの作り方
葉が茂ってきたら順次収穫して、料理に使ってくださいね。一回の収穫の目安は、全体の1/3まで。一気に収穫するのではなく、光合成できるだけの葉は残しておきましょう。そうすれば、またしばらく経ったら大きくなり、長い期間収穫を楽しむことができますよ。
今回は、収穫したディルを酢につけた「ディルビネガー」を作ってみます。たくさん採れた時の保存方法の一つとしてオススメです。
作り方はとても簡単! ディルの葉をビネガーにつけるだけです。
<用意するもの>200ml分
- ディルの茎付き葉 5枝ほど
- アップルビネガーや白ワインビネガーなどの酢 200ml
- 密閉できる容器(ガラスビン等) 200ml容量のもの
<作り方>
1. 収穫した葉は軽く洗って、キッチンペーパーなどでよく水気を拭きとっておきましょう。
2. 水気を拭きとったディルを、煮沸消毒したビンに入れ、さらに酢を入れます。使用する酢は、アップルビネガーや白ワインビネガーがオススメです。
その際、ディルが酢にすべて浸かるようにしましょう。
3. 日の当たらないところに置き、毎日1回ビンをゆすって馴染ませます。これを一週間繰り返せば完成です。使用する前に、ディルは取り出してしまいましょう。
酢のツンとした角がディルによって取れて、まろやかな風味になります。私の定番の使い方は、ディルビネガー、オリーブオイル、酢、塩、コショウを混ぜてドレッシングにすること。ディルビネガーは、1カ月程度を目安に使い切ってくださいね。
おいしいハーブで、楽しい食卓になりますように♪
Credit
写真&文 / 堀久恵 - 花音-kanon- 代表 -
ほり・ひさえ/ガーデンセラピーナビゲーター。一般社団法人日本ガーデンセラピー協会専門講師。
生花店勤務を経て、ガーデンデザイン・ハーブ・アロマセラピー等を学び、起業。植物のある暮らしを通じて、病気になりにくい身体を作り健康寿命を延ばすことを目指した「ガーデンセラピー」に特化した講座の企画運営と庭作りを得意とする。埼玉県熊谷市の『花音の森』にて、日々植物に囲まれ、ガーデンセラピーを実践中。
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