「エルダーフラワー」はハーブティーやコーディアルで! おすすめの飲み方と効能をご紹介

Photo/Rostislav_Sedlacek/Shutterstock.com
ハーブティーを飲んで、健康づくりをしてみませんか? ハーブが持つ抗酸化作用・抗菌作用・鎮静作用などを心身のケアに役立てる健康法を「ガーデンセラピー」と呼びます。今回は、欧米では「インフルエンザの特効薬」ともいわれるエルダーフラワーについて、その効能、そしてハーブティーやコーディアルなどオススメの飲み方をご紹介。風邪やインフルエンザの本格的な流行を前に、1日1杯からできる感染症予防策を始めましょう。
目次
エルダーフラワーってどんなハーブ?

エルダーフラワーとは、イギリスやヨーロッパ各地に生息するスイカズラ科の針葉樹。和名は「西洋ニワトコ」といいます。初夏に可愛らしい白い花を咲かせるのですが、それを乾燥させたものがエルダーフラワーです。エルダーフラワーは、薬効の高さから、医薬品として古くから使われてきたハーブ。エルダーフラワーの熱いハーブティーを飲むと、血液循環が促されて、体内の毒素を排出。くしゃみや鼻水など、風邪やインフルエンザの初期症状緩和に役立つ作用があります。また、花粉症やアレルギーなどの症状緩和にも役立ってくれます。
エルダーフラワーは、ハーブ専門店やインターネット通販で購入が可能です。ハーブも劣化するので、購入する際には、大量ではなく、少量をこまめに買い足すのが賢い買い方です。
効果的なエルダーフラワーの飲み方は?

「ちょっと風邪をひいたかも…」と感じたら、すぐにエルダーフラワーをハーブティーにして飲んでみましょう。
飲み方は、沸騰したお湯(150ml)をポットに注ぎ、エルダーフラワーを3gほど入れて、3分蒸らします。通常は、ティーポットのふたをして待ちますが、ポットから立ち上る湯気には、エルダーフラワーの精油成分(芳香成分)が含まれています。鼻から吸い込むことで、脳や肺にも有効成分が届きますので、風邪の諸症状にアプローチすることができますよ。3分間、ポットのふたを開けて、ゆっくり深い深呼吸をしてみましょう。
3分たったら、できるだけ熱いうちに飲んでください。これを、1日3杯を目安に実行してみてくださいね。
飲むだけじゃない! エルダーフラワーを使った風邪予防策
エルダーフラワーのハーブティーは、飲むだけではなく、うがいに使うのもおすすめ! のどや口の中の感染症予防にもつながります。濃さはティーとして飲む時と同様か、濃いめがよいですよ。ハーブの量を少し増やし、お鍋に入れて5分ほど煮立たせた液で、うがいをしてみましょう。
ちなみにハーブティーは、1杯目に有効成分がほぼ出てしまいます。うがい用にはお茶で飲んだ後の2杯目でもいいかしら…?と思うかもしれませんが、それでは、感染症予防にはなりにくいため、新しく淹れ直してくださいね。
お子さんにはエルダーフラワーのコーディアルがオススメ

コーディアルとは、ハーブ類やジンジャーなどのスパイス類、季節の果物などを、砂糖やハチミツに漬け込んだシロップのこと。イギリスが発祥で、もともとはアルコールで作っていたそうですが、今はノンアルコール飲料として、子どもから高齢者まで幅広く親しまれています。そのイギリスで最も一般的なのが、「エルダーフラワーコーディアル」なのです。
エルダーフラワーのハーブティーは、マスカットに似た香りがしてやさしい味わいですが、ハーブは苦手という方やお子さまには、コーディアルがおすすめ。エルダーフラワーの持つ有効成分はしっかり摂取できますから、感染症予防になりますよ。輸入雑貨店やハーブ専門店で購入可能です。
ハーブティーを楽しむ前に…注意しておきたいこと
ハーブティーを健康のために飲みたいと思ったら、ハーブについての知識が必要です。というのも、ハーブに含まれる薬効成分には、注意をして摂取しないと、体や心に逆効果を与えるものもあるからです。例えば、妊娠中は、身体がデリケートになっているため、ハーブの作用が強すぎて刺激になってしまうものや、通経作用を促すものもあるのです。自然の恵みが詰まったハーブですが、妊娠中・授乳中の方、治療中の病気がある方、体質等の心配がある方は、使用できない種類もあります。使用する前に、かかりつけの医師にご相談ください。また、ハーブは薬ではありません。病気を治すために使うのではなく、予防の一環として活用してくださいね。
今回ご紹介したエルダーフラワーは、通常の使用の範囲では安心して使えるハーブです。妊娠中・授乳中の使用に関しては、問題は確認されていないものの、最終的な安全性は確立されていません。妊娠中・授乳中の方はご注意ください。(『メディカルハーブ安全性ブック第2版』より)
Credit
写真&文 / 堀久恵 - 花音-kanon- 代表 -

ほり・ひさえ/ガーデンセラピーナビゲーター。一般社団法人日本ガーデンセラピー協会専門講師。
生花店勤務を経て、ガーデンデザイン・ハーブ・アロマセラピー等を学び、起業。植物のある暮らしを通じて、病気になりにくい身体を作り健康寿命を延ばすことを目指した「ガーデンセラピー」に特化した講座の企画運営と庭作りを得意とする。埼玉県熊谷市の『花音の森』にて、日々植物に囲まれ、ガーデンセラピーを実践中。
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