気温が下がり、空気も乾燥して、風邪やインフルエンザの流行が心配な季節になりましたが、体調管理や風邪予防対策、しっかりなさっていますか? 風邪を予防するのにオススメなのがアロマテラピー(芳香療法)。小瓶に入った「精油」を活用して、日々のセルフケアに役立てましょう。今回は、殺菌作用や抗菌作用を持つティートリーやペパーミントの精油を使って、風邪予防に効果のあるアロマスプレーを手作りしていきます。
目次
精油について
精油は、エッセンシャルオイルとも呼ばれ、植物の花や葉・果皮・樹皮・根・種子・樹脂などから抽出した100%天然の芳香成分です。数十から数百種類もの成分が含まれており、それらが複雑に混ざり合うことで、人の心身へ働きかけるさまざまな作用をもたらすといわれています。
そんな精油を使った行為はアロマテラピー(芳香療法)と呼ばれ、香りを楽しむことはもちろんですが、上手に活用することで、「ストレスがたまってきたな…」「汗のにおいが気になるな…」といった日々変わる心身の状況を、自分自身でケアできるのが最大の魅力です。
風邪予防にオススメの精油は?
とはいっても、精油はとても種類が多くて、実際に買おうとすると、どれがいいんだろう…と迷ってしまうかもしれません。今回のテーマは、「風邪予防」。抗ウイルス作用・抗感染作用・殺菌作用・消毒作用成分を持った精油を選ぶことが大切です。
ここで一つ、注意点を。精油は植物から採取された天然のものだからこそ、心身へ働きかける作用が存在します。購入の際には、100%天然精油であることを必ず確認してくださいね。
風邪予防につながる精油には、ティートリー、ユーカリ、ラベンダー、ペパーミント、レモン、ローズマリー、ジュニパー、レモングラス、ライムなどがあります。この中から、気に入った香りを1~2本、用意してブレンドするのがよいでしょう。
オススメの精油は、ティートリー。
フトモモ科の低木で、産地はオーストラリア。葉を蒸留して、精油を採ります。
殺菌作用・消毒作用に優れる精油で、感染症予防や初期症状緩和に向いています。ユーカリに似た、フレッシュですっきりとした香りなのですが、全精油の中でも、成分が穏やかで使いやすいので、家庭に一つ置いておくと便利に使えるでしょう。
ティートリーは、免疫力を高め、体内に侵入してきたウイルスと戦う免疫賦活作用を持っています。のどにはリンパ組織があって、そこでウイルスや細菌が肺に入っていかないように、食い止める働きをしています。のどが腫れたり、痛みがあるときには、そこで細菌たちと戦っている証。ちょっとのどが痛いな…という時に、ティートリーの香りをかぐと、鼻から肺までの空気の通り道を殺菌・消毒してくれ、体が細菌たちと戦う際の援護にもなりますよ。
※妊娠初期には使用を避けてください。
風邪予防のアロマスプレーの作り方
それでは、ティートリーをメインにして、アロマスプレーを作りましょう。といっても、材料を揃えたら、あとは混ぜるだけの簡単ステップです。
<材料>
○ 精製水 80ml(ドラッグストアで購入できます)
○ 消毒用エタノール 20ml(ドラッグストアで購入できます)
○ 100mlのスプレー容器
スプレー容器は、遮光のガラス製がオススメです。アルコールや精油に耐性がない、安価なプラスチックは溶けてしまう可能性があります。お肌につけるものなので、ガラス製が安心です。アロマショップやインターネット通販などで購入可能です。
○ 精油 合計20滴(ティートリー15滴/ペパーミント5滴)
私は、ティートリーとペパーミントを選びましたが、殺菌作用のある精油でしたら、お好きな香りで大丈夫です。1種類・20滴でもOK!
○ ビーカーなど計量できる容器と竹串
<作り方>
1. ビーカーに消毒用エタノールを計り入れ、精油も入れる
精油を入れる際には、瓶を振ったりせず、自然と精油が垂れてくるのを待ちます
2. 竹串でよく混ぜたら、容器に移し入れる
3. ビーカーで精製水を計り、容器に移し入れる
4. 口をしっかり閉じて、よく振って混ぜて完成
作ったアロマスプレーの使い方は?
私は、作ったボトルは玄関に置いておき、まずは、外出前に使用してから出かけます。そして帰宅したら、コートやマフラーなどにも使い、自分自身にもシュッと。あとは、部屋の空気を浄化するために、ルームスプレーとして使っています。
作ったアロマスプレーは、防腐剤などが入っていないため、あまり長くはもちません。作ったものは2~3週間を目安に使い切りたいので、毎日の暮らしにご活用くださいね。
<使用する際の注意点>
〇使う際に、よく振ってからスプレーしましょう。
〇自然の恵みが詰まったハーブですが、妊娠中・授乳中の方、治療中の病気がある方、体質等の心配がある方は、使用できない種類もあります。使用する前に、かかりつけの医師にご相談ください。また、ハーブは薬ではありません。健康状態が気になる方も医師にご相談ください。
〇ご紹介したレシピの作用や反応には、個人差があります。ご利用の際には、身体に合うかどうかパッチテストを行い、違和感がある場合にはすぐ使用を中止するなど、ご自身で責任を持ってお試しいただくようお願いします。
併せて読みたい
・ハーブを活用して簡単に完成! クリスマススワッグの作り方
・簡単! ローズマリーリースの作り方〜 ガーデンセラピー実践レシピ 〜
・お庭で採れたハーブ活用術! レモングラスコーディアルの作り方
Credit
写真&文/堀 久恵(ほり ひさえ)
花音-kanon- 代表、ガーデンセラピーナビゲーター。
生花店勤務を経て、ガーデンデザイン・ハーブ・アロマセラピー等を学び、起業。植物のある暮らしを通じて、病気になりにくい身体を作り健康寿命を延ばすことを目指した「ガーデンセラピー」に特化した講座の企画運営と庭作りを得意とする。植物に囲まれ、日々ガーデンセラピーを実践中。埼玉県熊谷市在住。
https://kanongreen.com/
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