自然と一体になって植物と触れ合う暮らしをすることは、ストレスをコントロールし、心と体を健やかに保つ作用が期待できます。そんな植物を使った自然療法を総称して、「ガーデンセラピー」と呼んでいます。ハーブを食べたり飲んだりすることも、立派なガーデンセラピー! 今回は、日本人にも馴染み深いショウガの効能や、ショウガとスパイスで作る、“スパイシージンジャーエール”のレシピをご紹介します。
目次
ショウガの効能って?
お料理の薬味としても欠かせないショウガ(ジンジャー)は、世界中で医薬品として使われてきた歴史を持つハーブです。日本でも、風邪や悪寒などの症状の改善に効果がある薬として用いられていました。身体を温める作用があるといわれるショウガですが、じつは、生で使うか乾燥させたり加熱して使うかによって、相反する作用があるのです。
生のショウガには、「ジンゲロール」という成分があり、体を冷やす作用が期待できます。風邪で熱が上がっている時には、生のショウガをすったものを摂ることで、体の熱を取ってくれます。
一方、生のショウガを乾燥させる、または、加熱することで、「ジンゲロール」は「ショウガオール」という成分に変わります。ショウガオールには、体を温める作用があります。胃を温めることで、食欲を促し、消化を促進する働きもします。食欲がない時や、ストレスで胃腸の調子が悪い時、吐き気や胃もたれがする時などに摂るのがオススメです。また、むかつきや吐き気を抑える作用もありますので、乗り物酔いの緩和にも向いていますよ。
*ショウガは成分が強いため、摂りすぎると腹痛や下痢を引き起こす可能性があります。ご注意ください。
ジンジャーエールと相性のよいスパイスは?
そんなショウガを使って、ジンジャーエールの素になるシロップを作っていこうと思います。ジンジャーシロップは、ショウガだけでも作れますが、ここにスパイスを加えると、本格的な大人の味の手作りジンジャーエールが楽しめますよ。
スパイスは、ハーブの中に含まれます。その定義はややあいまいで、国によって違ったり、葉はハーブで、実になるとスパイスに分類される…といわれることもありますが、おおよそハーブの中でも、香辛料に使われる種類をスパイスと呼んでいます。
ジンジャーシロップを作るのにオススメのスパイスがこちら。
スパイスを香らせてピリッとした辛口ジンジャーエールを楽しみたい場合はスパイスを多めに、お子さまと楽しみたい場合は少なめにするなど、量はお好みで調整してください。
ハーブを使うときのコツは、1種類ではなく、多種類合わせること。ハーブは1種類で使うとクセが目立ってしまったり、味が単調になりがち。ですが、これを数種類混ぜ合わせることで、お互いのよいところを引き出し、相乗効果を生むのです。
「混ぜるとなんだかすごい味になりそう…」と思うかもしれませんが、そのほうがおいしくなりますよ。上記のスパイスは、スーパーのスパイスコーナーで揃いますので、ぜひお試しくださいね。
ジンジャーエールの素、シロップの作り方
それでは、ショウガとスパイスで、シロップを作っていきましょう。
<材料>
〇ショウガ 100g
〇黒糖 100g
〇水 200ml
〇スパイス類
・シナモンスティック 1本
・ブラックペッパー 5~10粒程度
・クローブ 5粒
・ローリエ 2枚
・鷹の爪 1本
<作り方>
1. ショウガをよく洗い、汚れが気になるところだけそぎ落として、皮ごと薄くスライスします。
2. ボウルにスライスしたショウガと黒糖を入れて、よく混ぜ合わせたら、2時間ほど寝かせます。浸透圧で水分が出てくるのを待ちましょう。
3. 鍋に、ショウガ(2で作ったもの)、水、スパイス類を入れて、一度沸騰させた後、弱火でことこと20分ほど煮込みます。
4. 粗熱が取れたら、清潔な容器に入れて保存しましょう。
冷蔵庫で保存し、1~2週間ほどで使い切ってくださいね。
5. 炭酸で希釈すれば、ジンジャーエールの完成です。
希釈の割合はお好みで調整してください。
ジンジャーシロップの楽しみ方
ジンジャーシロップは炭酸だけでなく、お湯で割ったり、ハーブティーや紅茶の甘みとして使うのもオススメ。
温めた豆乳と合わせた、ジンジャーソイミルクもおいしいですよ。
ジンジャーシロップを摂ると体がポカポカしてくるのを感じますし、体内に溜まった余分な水分を流す利尿作用も期待できます。ぜひ、おいしくアレンジしてみてくださいね!
編集部で辛口ジンジャーエールを作ってみました!(動画)
Credit
写真&文 / 堀久恵 - 花音-kanon- 代表 -
ほり・ひさえ/ガーデンセラピーナビゲーター。一般社団法人日本ガーデンセラピー協会専門講師。
生花店勤務を経て、ガーデンデザイン・ハーブ・アロマセラピー等を学び、起業。植物のある暮らしを通じて、病気になりにくい身体を作り健康寿命を延ばすことを目指した「ガーデンセラピー」に特化した講座の企画運営と庭作りを得意とする。埼玉県熊谷市の『花音の森』にて、日々植物に囲まれ、ガーデンセラピーを実践中。
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