お庭で採れたハーブ活用術! レモングラスコーディアルの作り方
ハーブや果実を砂糖に漬け込んだ、“コーディアル”という飲み物をご存じですか? イギリスの伝統的な飲み物ですが、ハーブの効能をおいしく手軽に摂れると、近年人気が高まっています。コーディアルは、実は自分でも簡単に作ることができますよ! 今回は、レモングラスの効能や、レモングラスを使ったコーディアルの作り方をご紹介します。
目次
コーディアルとは?
コーディアルとは、ハーブ類や、ジンジャーなどのスパイス類、季節の果物などを、砂糖やハチミツに漬けこんだシロップのこと。イギリスが発祥で、もともとはアルコールで作っていたそうですが、今はノンアルコール飲料として、子どもから高齢者まで幅広く親しまれています。各家庭にそれぞれレシピがあり、受け継がれてきた飲み物です。
日本で例えるなら、梅ジュースのような存在でしょうか。このように世界各国でハーブや果物などを保存して活用し、日々の暮らしや健康維持に役立ててきた歴史があると思うと、ぜひ現代の私たちも取り入れていきたいですよね。
今回の主役・レモングラスの効能
レモングラスはイネ科の植物。細長く伸びる葉からはレモンのような香りがします。熱帯アジアやアフリカなど、暑い国で栽培・使用されるハーブです。日本で栽培する場合には、冬越し作業が必要になりますが、暑さに強く、夏にとても大きく成長するので、1株あれば、お茶にしたり料理に使ったりと、とても重宝するハーブですよ。
レモングラスには優れた抗菌作用があり、風邪やインフルエンザなどの感染症予防に役立ちます。また、消化を促進したり、腸内に溜まったガスを排出させたり、胃の調子を整えるなど、消化器系のトラブルにぴったりのハーブ。風味もレモンのような爽やかな香りなので、味の好みが分かれるハーブの中では、飲みやすく人気の高い種類です。
今回ご紹介するレモングラスのコーディアルは、さらに砂糖が含まれていてやさしい味になっているので、年配の方やお子さんにも安心して飲んでいただけると思います。
レモングラスの収穫と冬越し
レモングラスは、葉が15枚くらいになったら収穫可能です。
ポイントは、一度にすべての葉を取ってしまわないこと。1回の収穫は全体の1/3程度にとどめ、大きくなるのを待って、また全体の1/3を収穫…と小分けに収穫することで、11月末までコンスタントに収穫ができます。夏は勢いよく伸びるので、小分けにしてもたくさん収穫できますよ。収穫の際は、外側の葉を根元近くからハサミでカットします。レモングラスの新芽は株の内側から伸びるため、外側から収穫していくと、新芽の成長促進にもつながります。
レモングラスは寒さに弱いため、霜が降りるような地域では地植えでの冬越しができません。11月中には収穫・刈り込みをして、冬に備える必要があります。せっかく大きく育ったレモングラスですから、上手に保存して使いましょう。
作ってみよう! レモングラスコーディアルのレシピ
今回は、フレッシュなレモングラスを使って、ハーブのシロップ漬けであるコーディアルを作ります。
<材料>
- レモングラス(フレッシュ)60g
- きび砂糖 80g
- ミネラルウォーター 250cc
- レモン汁 大さじ2
密閉容器
<作り方>
1. レモングラスを1cm程度に細かくカットし、さっと洗って汚れを落とす。
2. 鍋にミネラルウォーターとレモングラスを入れ、5分ほど沸騰させて煮出す。
3. 火を止め、鍋のふたをして5分ほど蒸らした後、濾す。
4. 濾したハーブ液を温め、きび砂糖を2~3回に分けて入れて溶かす。
5. 最後にレモン汁を加えて、保存容器に移して完成。
*保存料などは入っていませんので、保存する場合は密閉容器に入れて冷蔵庫で。1週間程度で使い切りましょう。
こんな使い方も! コーディアルの活用方法
作ったコーディアルは、お水・炭酸水・お湯で希釈したり、ハーブティーなどに入れて飲みます。希釈の目安は5倍程度ですが、お好みで調整してくださいね。果汁100%のジュースにもオススメですよ。私はハチミツのように使っています。ヨーグルトに入れても、おいしくいただけますよ。
夏場は氷のシロップとして使うと、大人味のかき氷が楽しめます。
自然と一体になって、植物のある暮らしをすることは、ストレスをコントロールし、心と体を健やかに保つ作用が期待できます。そんな植物を使った自然療法を総称して、「ガーデンセラピー」と呼んでいます。
今回ご紹介したハーブのひとつ、レモングラスを活用することもガーデンセラピーです。お好みのアレンジを見つけて、ハーブのある暮らしを楽しんでくださいね。
<注意点>
自然の恵みが詰まったハーブですが、妊娠中・授乳中の方、治療中の病気がある方、体質等の心配がある方は、使用できない種類もあります。使用する前に、かかりつけの医師にご相談ください。また、ハーブは薬ではありません。健康状態が気になる方も医師にご相談ください。
Credit
写真&文 / 堀久恵 - 花音-kanon- 代表 -
ほり・ひさえ/ガーデンセラピーナビゲーター。一般社団法人日本ガーデンセラピー協会専門講師。
生花店勤務を経て、ガーデンデザイン・ハーブ・アロマセラピー等を学び、起業。植物のある暮らしを通じて、病気になりにくい身体を作り健康寿命を延ばすことを目指した「ガーデンセラピー」に特化した講座の企画運営と庭作りを得意とする。埼玉県熊谷市の『花音の森』にて、日々植物に囲まれ、ガーデンセラピーを実践中。
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