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バラの魅力のすべてを詰め込んだ一冊 新書『ときめく薔薇図鑑』

バラの魅力のすべてを詰め込んだ一冊 新書『ときめく薔薇図鑑』

美しい咲き姿で人々を魅了し、“花の女王”と称されるバラは、庭で咲かせる楽しみ以外にも、食や暮らし、歴史や物語など、じつに多岐に渡る魅力を持つ花です。これまで数々のバラを神奈川の自宅の庭で育てながら、バラ文化と育成方法の研究を続け、バラに多くのときめきを感じてきたバラ研究家の元木はるみさんが、バラの楽しみ方を一挙公開する新刊書籍をご紹介します。

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美しいバラを愛でるヒントがいっぱい!

バラと暮らし始めて約30年になる元木はるみさんは、自宅で約250品種のバラを育てながら、上手に咲かせる工夫や、バラを美しく引き立てる草花選びなどを実践しています。さらには、暮らしに活用する方法を編み出しながら、カルチャースクールやイベントセミナーなどでも提案を続けています。2018年6月には、人気のテレビ番組『マツコの知らない世界』にて、バラのある暮らしについて語り、バラを身近に育てているからこそ楽しめることを広く伝えました。

ときめく薔薇図鑑

そんな元木さんがまとめた新刊『ときめく薔薇図鑑』には、庭で育てるガーデンフラワーとしてのオススメの品種紹介から、国内外のバラにまつわる歴史やエピソードなどの読み物に加え、食に生かすバラのレシピ、さらには花器や皿、古書、着物に描かれている模様としてのバラなど、あらゆる角度のバラの魅力が多数登場しています。

ときめく薔薇図鑑

現在バラは、約3万種類あるといわれていますが、あまりに数が多く、何をどう選べばよいか迷ってしまいますね。バラには、花の形や色、香り、咲き方が品種ごとに異なりますが、元木さんのフィルターを通して語られる個々の品種の解説によって、バラの魅力を再発見することができます。

また、他の図鑑と異なり、「お菓子の名前の薔薇」や「ベルサイユのばら」、「絞り模様の薔薇」、「アレンジメント向きの薔薇」など、女性ならではの視点でセレクトされたオススメ品種紹介も見どころ。

ときめく薔薇図鑑
ガクが美しい品種や、トゲの違いなどが写真で一覧できるのも嬉しい。

育てるだけではないバラの活用法

ときめく薔薇図鑑

『ときめく薔薇図鑑』には、バラの品種紹介だけではなく、無農薬で育てた花びらを食すレシピや、クラフト活用など、暮らしに生かす情報も豊富に掲載されています。「薔薇が大好きだから、暮らしもすべてが薔薇づくし」と言う元木さん。バラが咲く5月に、自宅の庭で行ったガーデンパーティーのおもてなしの実例から、ゼリーやケーキ、ジャム、クッキーをはじめとするバラを味わうレシピも収録されています。ドライポプリやモイストポプリ、バラ染めなど、自宅で豊富に咲いたバラを使った、数々の楽しみ方が登場しています。

暮らしの中に取り入れるバラ模様

ときめく薔薇図鑑

バラ好きが高じて、「気がついたら、家の中は薔薇を飾る器で溢れていました」と語る元木さん。少しずつ集めた花器やイギリスやフランスのアンティークの皿などのコレクションも公開。日本におけるバラの普及の始まりを知るために、古本屋巡りなどで出合った貴重な書物、外国から来た新しい花への興味が写されたと推測される大正から昭和の戦前の着物など、元木さん所有のコレクションを拝見しながら、人々の心をとらえ続けるバラの魅力の深さを知ることができます。

バラを引き立てる庭づくりのヒント

ときめく薔薇図鑑

美しいバラの品種群の紹介からスタートし、暮らしに生かすバラ、バラにちなんだ生活用品までの広がりを知ったら、きっと自分で育ててみたくなることでしょう。そこで役立つのが、「story4 薔薇を育てる」。元木さんが自宅で実践しているバラ栽培の1年の流れと、バラと一緒に育てて引き立て合う草花の紹介、剪定や植え替えなど、必須の作業も紹介されています。一番大事な栽培ポイントがコンパクトにまとまっているので、バラ栽培の初心者さんにもわかりやすく、また、栽培をしている人にとっては、元木流の栽培法に新鮮な発見があるかもしれません。

バラにまつわる読み物が豊富に

ときめく薔薇図鑑
バラの秘密を紐解く、分かりやすい読み物もたくさん収録。

横15㎝、縦21.2㎝と持ちやすいコンパクトサイズの本ながら、ページの隅々までバラにまつわる情報がぎっしり収められた『ときめく薔薇図鑑』。実物大のバラの美しい写真にうっとりする時間や、バラを料理に生かすレシピ本として、栽培に迷った時に役立つ情報など、手に取るたびにバラへの“ときめき”を教えてくれる一冊です。

バラのティータイム
バラのお茶と咲かせたバラの花をそばに、バラに想いを馳せるティータイムを。

現代は、バラの香りを使ったコスメ製品やお菓子など、バラを取り入れたさまざまな商品が溢れています。バラはきれいで、いい香りがするという点は庭づくりをしている人に限らず、随分と広まりましたが、「本物の薔薇を知らない人が増えてきているように思えてなりません」と元木さん。「本物の生きた薔薇を育てて、薔薇とたくさん触れ合う時間をもつと、きっと想像を超えて、薔薇はさまざまなことを教えてくれることでしょう」。

長年バラとともに暮らし、その楽しみを広く伝える活動をしてきた元木さんは本書の最後に「薔薇のある暮らしは、奥深い薔薇の世界を知ることであり、心を豊かに導いてくれる」と教えてくれています。

Information

『ときめく薔薇図鑑』

文:元木はるみ 写真:大作晃一 128ページ
発行・発売:山と溪谷社
定価:本体1,600円(税別)

併せて読みたい

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