咲かせて、眺めて、飾ってうれしい、花のある暮らしにオススメの植物をセレクトしてご紹介。小さな庭のある暮らしを楽しむ前田満見さんが、秋のインテリアに取り入れるドングリをご紹介します。
目次
身近な公園で見つける秋の実り

わが家の近くには、四季折々に目を楽しませてくれる緑豊かな公園があります。通称「トトロ公園」。子どもたちが小さい頃に名づけました。その理由は、ジブリアニメ「となりのトトロ」に出てくるようなブナ科の大木がたくさん植えられていて、秋にはドングリ拾いができるから。バスケットにおにぎりとおやつを詰めて、子どもたちとクヌギやシラカシの実を拾いに行くのが楽しみでした。今でも、この「トトロ公園」はわたしの憩いの場。春はお花見に、秋は買い物がてらドングリを拾いに、ふらりと足を運びます。
ドングリの色合いを楽しむ

窓から差し込む斜陽に、初秋の気配を感じ始める8月下旬。草木が少しずつ秋の装いを始めます。「トトロ公園」のクヌギやシラカシ、山栗の枝先にも、いつの間にか黄緑色の実が。この時季の深みのある黄緑色の実がわたしは大好きです。どこかに落ちていないかと、通る度に足元に目を凝らしますが、さすがに落実には早すぎて、なかなか見つけられません。でも、何度かこの実を拾えるチャンスがあります。それは、台風一過。強風と雨に耐えきれなかった実がたくさん落ちているのです。そう、嬉しい台風の置き土産。軍手とビニール袋持参で、いそいそと拾いに行きます。

少しぬかるんだ茶色の地面に、瑞々しい黄緑色のドングリや毬栗を見つけるとワクワク。いくつになってもドングリ拾いがこんなに楽しく感じられるのは、子どもたちとの思い出がたくさん詰まっているからかもしれません。
拾ってきた実は、きれいに洗って高台の皿や平皿に並べて、玄関や和室、ダイニングの窓辺に。ちらちら差し込む陽射しが、さらに実を美しく輝かせ、秋の風情を演出してくれます。ただ残念なことに、この黄緑色の実は1〜2日で茶色になってしまいます。ほんの一瞬しか味わえない秋の彩り……。だからこそ、こんなにも愛おしく感じるのですね。

しばらくすると、ドングリはお皿の上でオブジェのような焦げ茶色に。この枯れた色合いとカサッとした風合いもまた、秋の深まりとともに心を和ませてくれます。
自家製栗の渋皮煮で秋を堪能

秋の味覚の代表のひとつである栗も、わたしの大好物。公園で拾った毬栗は食することができないので、買ってきた栗を調理していただきます。定番メニューは栗ごはんですが、去年初めて栗の渋皮煮をつくってみました。鬼皮を剥く作業と何度もゆでこぼして灰汁を抜く作業に手間がかかりましたが、出来上がった渋皮煮のこっくりとした色、ほくっとした食感に感激しました。

やはり、じっくりと時間と手間をかけた味は格別。
穏やかな木漏れ日の下、庭のテラスで栗の渋皮煮を頬張れるお茶の時間は、まさに至福です。
身の回りのドングリたち

そして、ちょっと余談になりますが、ドングリはわたしの身の回りの小物にも。
ひとつは、昔から収集しているスタンプです。季節ごとに集めたスタンプの中でも、特に気に入っているのが、ドングリのスタンプ。いつどこで買ったか忘れてしまいましたが、3種類あります。秋は、このドングリのスタンプを押して、季節の便りを添えたメッセージカードやポチ袋を用意します。

もうひとつは、皮作家さんのハンドメイドのブローチ。何と、ドングリの帽子は本物で、丸い部分がクルクル巻いた皮で出来ています。手仕事ならではの温かみが伝わってきますね。胸元につけるにはちょっと恥ずかしいので、裂き織りのバッグにちょこんとつけて楽しんでいます。
あ〜、やっぱりドングリってかわいいな。
Credit
写真&文 / 前田満見

まえだ・まみ/高知県四万十市出身。マンション暮らしを経て30坪の庭がある神奈川県横浜市に在住し、ガーデニングをスタートして15年。庭では、故郷を思い出す和の植物も育てながら、生け花やリースづくりなどで季節の花を生活に取り入れ、花と緑がそばにある暮らしを楽しむ。小原流いけばな三級家元教授免許。著書に『小さな庭で季節の花あそび』(芸文社)。
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