疲労回復や熱中症予防、ダイエット、美肌効果など、夏の健康維持に役立つ栄養素をたくさん含んでいる夏の果物の王様、スイカ。海外では日本のスイカは甘くて美味しいと評価が高く、日本でも美活フードとして近年再び注目されている夏の味です。大きくて食べ応えがあるのも魅力ですが、冷蔵庫のスペースを占領されるのが難点ですね。そこで、栄養効果から賢い調理法、大勢でシェアする方法などをご紹介します。
目次
スイカはタネも皮も栄養があるスーパーフード
スイカは、水分が90%、糖分が10%というみずみずしい果物です。利尿作用や解熱作用、二日酔いなどにも効果があるといわれる、夏を代表する食べ物ですが、じつは取り除いているタネや皮にも栄養があること、知っていましたか? まずタネには、タンパク質や脂質、銅、マグネシウム、ビタミンB₆、葉酸、鉄、亜鉛、などが含まれ、中国では外の殻ごとローストして軽く味付けされたスナック菓子「瓜子(ぐわつ)」として知られているとか。ちなみに、種皮をむいて中の白い部分のみを味わいます。
一方、スイカの皮には、ビタミンB、C、B₆のほか、免疫力を高めたり、血流を改善する効果のあるシトルリンなども多く含まれています。冷え性やむくみの解消に加え、美肌のためにも捨ててしまうのは惜しい部位。
このスイカの皮を美味しくいただくオススメの調理法は、浅漬けやピクルスです。まず、一番外側の固い皮をそぎ落としたら、食べやすいサイズに切って、塩もみして浅漬けに。すし酢に漬けて簡単ピクルスにしても美味しいですよ。香辛料で我が家の味にチャレンジするのもいいですね。
保存に一工夫して毎日味わおう
一度に食べきれない場合は、赤い実の部分だけをダイス状にカットしてタッパーなどの器に詰めておくと便利です。場所を取らずに、食べたい時にすぐ食べられますね。また、ダイス状にカットしたスイカを冷凍庫で凍らせると、簡単シャーベットも楽しめます。そのまま、またはミキサーで攪拌してどうぞ。
生のままジュースにすると、ほんのり甘く、のどごしのよい飲み物に。おろし器ですりおろした後、目の細かなザルでこすと、さらりと飲みやすくなります。ほんの少しライムの果汁やハチミツ、牛乳などを加えたアレンジもオススメ。スイカを切ってそのままいただくときとは一味違った風味に驚きのある、暑い日のクールダウンにぴったりのドリンクです。
パーティーの一品に活躍するスイカのアレンジ
アイスキャンディー風に、スティックを挿して持ち手をつけ、氷を入れた器に並べたら、おしゃれな一品に。赤い果実は、アウトドアパーティーのデザートに目をひきます。
大勢で集まるときには、スイカを半分に切って中身をくり抜き、フルーツポンチの器として活用するのもアイデアです。シュワッとサイダーをまとったスイカの味が爽やか。
イチゴやベリー類など、いろんな果実をミックスして、贅沢なフルーツポンチで仲間たちとビタミン補給するのもいいですね。
大きく口を開いたカエルの器に、ボール状のスイカがコロコロ並ぶユーモアのある一品。こんなおもてなしがパーティーを盛り上げてくれます。
夏の庭のランタン飾りはスイカを定番に
秋のハロウィンに先駆けて、スイカでジャック・オ・ランタンづくりはいかが? カボチャよりも皮が切りやすいスイカなら、イメージ通りの形がつくれますね。まず、上部などデザインの邪魔をしない位置の皮を切り取り、そこからスプーンなどで実の赤い部分をきれいに取り除きます。そして、ナイフで顔や模様など好きなデザインに皮を切り抜き、中にキャンドルを灯せばでき上がり。
皮の表面を削って模様を浮かび上がらせる、スイカのフルーツカービングも最近話題です。写真は、サングラスをかけたスイカのお兄さん。菜っ葉のふんわりヘアーがアイデア。傷みやすいので長もちはしませんが、夕暮れの庭でのパーティーのウェルカムサインや演出に、スイカのランタンやカービングを用意したら、お客さまの笑顔を引き出してくれます。
丸ごと美味しいスイカを自家栽培するには
ランタンをつくったり、フルーツポンチの器にしたり、丸ごといろいろスイカを使ってみたいなら、自家栽培もオススメです。
スイカは、ウリ科のつる性植物で一年草。同じ場所や用土で同じものを育てると障害が出てしまう、連作ができない作物です。また、スーパーなどで買ったスイカのタネを播いても、うまく育たなかったり、収穫が見込めないので、タネは市販のものを用意しましょう。タネから育てる場合は、3〜4月が播きどきですが、発芽まで25〜30℃の温度管理の必要があるので、初心者には苗からの栽培がオススメです。
苗を入手したら、5月上旬から水はけのよい土に定植し、花が咲いたら受粉させます。品種によっては1カ月半ほどで果実を収穫できます。品種は大きく分けて大玉種と小玉種があり、家庭で育てやすく改良された品種もあるので、栽培スペースに合わせて選ぶとよいでしょう。収穫までは、つるの整理や人工授粉、玉全体に日が当たるように置き直す「玉返し」など、スイカ特有の栽培のコツがあります。家庭菜園の中でも栽培の難易度が少々高めですが、育てがいがあり、ぐんぐん大きくなる果実のたくましさに元気をもらえます。
夏だからこそ出合える旬のスイカで、楽しい思い出づくりをしてみませんか。
Credit
文/3and garden
ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。
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