ひときわ暑く感じる今年の夏。植物の香りの力を借りて、すっきりと過ごしてみませんか。うだる暑さに負けてしまいそうな時は、おなじみのハーブ、ペパーミントと、柑橘系のベルガモットの香るルームスプレーをシュッシュッ。スーッとした香りが広がって、頭も心もリフレッシュしますよ。

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気分爽快! ペパーミント

ガーデニングでもおなじみのペパーミント(Mentha x piperita)は、草丈30~100㎝のシソ科の多年草。放っておくとどんどん増えてしまうほど、生命力、繁殖力の強いハーブです。世界中で栽培されていますが、精油の主な産地は、アメリカ、インド、オーストラリア、フランスです。

葉と花から抽出される精油の香りは、メントール系の爽快さの中に甘さが感じられます。朝、すっきりと目覚めて活力を得たい時や、仕事や勉強でオフからオンに切り替えて集中力を高めたい時などに、効果的な香りです。また、消化器の不調や頭痛を緩和する作用があり、抗菌、消臭作用にも優れています。

〈注意〉
ペパーミントの精油は、乳幼児や妊産婦、高血圧の方、てんかん患者の方は使用を避けてください。

大人の女性向きの柑橘 ベルガモット

ベルガモット(Citrus bergamia)は、樹高4mほどのミカン科の常緑高木。17世紀に、イタリア最南端のカラブリア州で、レモンとダイダイが自然に他家受粉して生まれました。現在もイタリアが主な産地であり、カラブリア産のベルガモットからは、大変良質な精油が採れます。

やや小ぶりな果実は苦くて生食には向きませんが、熟す前の緑の果皮から抽出される精油は、歴史あるオーデコロン〈4711〉をはじめ、香水の原料に使われます。また、紅茶のアールグレイの香りづけに使われることでも有名です。

心を落ち着かせるベルガモットの香り

柑橘系の香りの中で、ベルガモットは個性派です。レモンを思わせる、ビターで爽やかな香りは、洗練された大人の女性に人気があります。

ベルガモットは心のケアに向く精油です。気分が沈んだ時や、逆に興奮状態の時に、心のバランスをとって穏やかな状態に戻してくれ、ストレスによる食欲不振や過食を和らげます。また、抗菌作用もあります。

〈注意〉
ベルガモット精油は高濃度で使用すると皮膚刺激があります。光毒性も強く、皮膚につけてから日光に当たると、炎症やしみを起こすことがあります。芳香浴やルームスプレーでは心配ありませんが、肌に触れた場合は速やかに洗い流し、長時間の使用は避けましょう。血圧降下剤、睡眠剤、抗てんかん薬、向精神薬、鎮静剤と、多量のベルガモット精油との併用は避けてください。これらの薬を服用中の方は、自己判断で使用せず、医療機関にご相談ください。

清涼ルームスプレーをつくってみよう

精油と、遮光性のある青いスプレー瓶。100㎖と50㎖。

【材料】

  • 無水エタノール 10㎖
  • 精製水 20㎖
  • 精油
    ベルガモット 6滴
    ペパーミント 4滴
    真正ラベンダー 2滴

〈注意〉
このレシピはルームスプレー用です。お肌には使用しないでください。

【道具】

ビーカー、ガラス棒、スプレー瓶(50㎖用)、ラベルシール

*アロマテラピーで使用する瓶は、ガラス製がオススメです。遮光性があり(青、茶、緑色などの瓶)、アルコール耐性のあるものを選びましょう。アロマテラピー専門店での購入が安心です。

【つくり方】

  1. ビーカーに無水エタノール10㎖を注ぐ。
  2. ビーカーに3種の精油を分量通りにそれぞれ垂らし(精油のしずくが自然と落ちるのを待つ)、ガラス棒でよく混ぜる。
  3. 精製水20㎖を加え、ガラス棒でよく混ぜる。
  4. スプレー瓶に移し、フタをする。ラベルシールにレシピ名、日付、総量(㎖)、精油名などを書いて貼る。

* スプレーする前にはボトルをよく振り、1カ月を目安に使い切ってください。

いつでも使っていただけるルームスプレーです。朝、活力を得たいときに使ったり、帰宅後の、疲れて気分が沈んでいる時に使って、気持ちをリフレッシュするのもよいでしょう。

レシピの精油はどれも抗菌作用に優れているので、お部屋を清浄・消臭する作用もあります。香りのミストで、夏を爽やかに乗り切りましょう。

*『おうちでアロマテラピー』シリーズ、その他のブレンドはこちらからどうぞ。

*精油はアロマテラピー専門店での購入が安心です。下記に取り扱い時の注意をまとめましたので、ぜひご一読ください。

〈精油を使用する際の注意〉
・ 原液を皮膚につけない。ついたらすぐ石鹸で洗い流す。
・飲用しない。目に入れない。
・火気に注意する。
・医師による治療や投薬を受けている場合は、必ず当該医療機関に相談する。
・3歳未満の乳幼児には芳香浴以外は行わない。また3歳以上であっても使用量を半分以下にし、十分注意を払う。
・高齢者、既往症のある方は半分以下の量を目安に。妊娠中は体調を考慮し、芳香浴以外のアロマテラピーを楽しむ場合は十分注意する。

〈精油の保管・保存について〉
・直射日光と湿気を避け、火気のない冷暗所に保管する。
・子どもやペットの手の届かないところへ保管し、誤飲に注意する。
・開封後1年以内を保存期間とし、柑橘系の精油は半年以下を目安にする。
・香りに異変を感じたら使わない。

〈精油の品質について〉
・次の内容を箱やラベル、使用説明書で確認できるものを選ぶ。ブランド名、品名、学名、抽出部分(位)、抽出方法、生産国(地)または原産国(地)、内容量、発売元または輸入元。

Credit

アドバイス/髙畠美穂

公益社団法人 日本アロマ環境協会認定アロマテラピーインストラクター。特定非営利活動法人 日本メディカルハーブ協会認定メディカルハーブコーディネーター。香りとクラシック音楽が大好き。

文/萩尾昌美

〈参考文献〉
和田文緒(2008)『アロマテラピーの教科書』新星出版社
長島司(2012)『ビジュアルガイド 精油の化学』フレグランスジャーナル社
木田順子(2014)『あたらしいアロマテラピー事典』高橋書店
ヘレナ・アトレー著、三木直子訳(2015)『柑橘類と文明』築地書館
公益者社団法人 日本アロマ環境協会(2017)『AEAJ認定 アロマテラピーインストラクター アロマセラピスト公式テキスト 共通カリキュラム編』

Photo/1&3)Claudio Divizia /2)Manfred Ruckszio /4)AlessandroZocc/Shutterstock.com

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