香りでセルフケア! ストレスが溜まってイライラする時のアロマテラピー 芳香浴の3つの楽しみ方

「イライラする」「ストレスが溜まっている」と感じること、誰にでもありますよね?
そんな時にオススメなのが、アロマテラピーと呼ばれる芳香療法です。植物から採れる芳香成分(精油)をかぐことで、さまざまな有効成分が脳にダイレクトに届き、心身の状態を改善してくれる作用が期待できます。今回は、ストレスが溜まってイライラする時のアロマテラピーをテーマに、イライラした時にかぎたい香りのご紹介と共に、簡単にできる活用方法をお伝えしますね。
目次
ストレスが溜まるってどんな状態?
「ストレスが溜まって、なんだかイライラする…」
例えば、そんな気持ちになりがちなのが、季節の変わり目だといわれています。
天候の変化は身体にストレスを感じさせます。そのストレスに対応するために、いろいろな機能を働かせているのですが、その中の一つが、「自律神経」。自律神経には、日中活発に過ごす時に働いている「交感神経」と、夜リラックスするときに優位になる「副交感神経」があり、うまくバランスを取ることで、心身の健康を維持しています。昼間は交感神経が働いてバリバリ活動する、夜は副交感神経が働いて疲れた心身を休息させるというのが、本来の働きです。
ですが、暑くなったり寒くなったり…というような、一日の気温差が大きい天候が続くと、その変化に対応しようと身体が頑張ってくれるため、交感神経が優位になりがちに。結果、副交感神経の働きである休息が取りにくくなり、疲労が蓄積し、「ストレスが溜まって、イライラする」という状態になってしまうわけです。
天候を例にとりましたが、人間関係や仕事の重圧など、ストレスの多い現代社会では、常に交感神経が働きすぎだといわれています。そんな状態をそのまま放置しておくと、心身の不調へとつながってしまうこともあります。
ストレスケアに、アロマテラピーを試してみましょう
そうならないためのストレスケアのポイントは、『交感神経を休めることができるか』。毎日、交感神経をしっかり休め、副交感神経の働きを促すことが大切になります。交感神経と副交感神経のバランスを整えるために取り入れたいのが、芳香療法・アロマテラピーです。

精油(エッセンシャルオイル)を使うのですが、この精油、雑貨屋さんなどで、見かけたことのある方も多いのではないでしょうか?
精油は、植物の花・果皮・果実・根・葉など、さまざまな部位から抽出された、天然の揮発性物質で、数十から数百種類もの成分が集まってできており、それらが複雑にまじりあうことで、「血圧降下作用」「鎮静作用」というような、人の心身へ働きかけるさまざまな作用をもたらすといわれています。
そんな精油を利用して心身のケアを行う療法を、アロマテラピー(芳香療法)と呼んでいます。精油について・取り扱いの注意点などは、『アロマテラピーをはじめよう! 精油を安全に楽しむための基本レッスン』にまとめてありますので、ぜひ参考にしてください。
ストレスでイライラするときにはこの香りをかいでみよう
ストレスが溜まってイライラする時にオススメの精油は、ラベンダー・ネロリ・カモミール・ローズ・ジャスミンなど、お花から採れる香りや、オレンジ・ベルガモット・マンダリンなど、かんきつ類の香りです。これらの精油には、鎮静作用・血圧降下作用などがありますので、交感神経の高ぶりを鎮め、心身をリラックスさせてくれます。
ポイントは、毎日、夜にこの精油の香りをかぐこと! 交感神経から副交感神経へ、バトンタッチする時間を取ってみてください。
簡単に香りをかぐことができるのが、芳香浴です。
<芳香浴の方法1>

ディフューザーなどアロマ芳香器を使って、部屋に香りを拡散させます。精油の量は、ご使用の芳香器の説明書などを確認してください。
<芳香浴の方法2>

マグカップにお湯をはって、そこに精油を1~2滴垂らし、立ち上ってくる香りを吸い込みます。しばらくそのまま目を閉じて、ゆっくりと深い呼吸を繰り返しましょう。
<芳香浴の方法3>

ハンカチやコットン、ティッシュペーパーなどに精油を1~2滴垂らし、立ち上ってくる香りを吸い込みます。しばらくそのまま目を閉じて、ゆっくりと深い呼吸を繰り返しましょう。
アロマテラピーを楽しむコツ
精油を選ぶとき、大切なことが一つあります。
それは、「作用・効能に縛られすぎないこと」です。
ラベンダーには鎮静作用があり、副交感神経を優位にして、心身をリラックスさせ、安眠を促します。ですが、ラベンダーがあまり好きではないのに、無理して「眠れる香りはラベンダーだから」と使っても、逆効果になりかねません。また、気持ちは一定ではありませんので、昨日はいい香りだと思ったけど、今日はなんかちょっと違う…と感じることは、よくあります。
そこで無理して、「この症状にはこの香りって書いてあったから」と使うのではなく、心のままに、精油を一つ選んでみてください。きっとその精油が、今あなたの身体に必要な一本だということだと思います。
毎晩、一つの香りを選ぶ時間を取って、香りでストレスケアをしてみてくださいね。
<精油を使う際の注意点>
精油は、花や葉などの植物100%からなる、凝縮された香り成分です。
妊娠中・授乳中の方、治療中の病気がある方、体質等の心配がある方は、使用できない種類もあり、注意が必要です。事前に注意点を確認の上、安全に楽しんでください。
Credit
写真&文 / 堀久恵 - 花音-kanon- 代表 -

ほり・ひさえ/ガーデンセラピーナビゲーター。一般社団法人日本ガーデンセラピー協会専門講師。
生花店勤務を経て、ガーデンデザイン・ハーブ・アロマセラピー等を学び、起業。植物のある暮らしを通じて、病気になりにくい身体を作り健康寿命を延ばすことを目指した「ガーデンセラピー」に特化した講座の企画運営と庭作りを得意とする。埼玉県熊谷市の『花音の森』にて、日々植物に囲まれ、ガーデンセラピーを実践中。
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