火を加えるとトロリととろけ、独特の酸味と風味を持つルバーブは、ヨーロッパではジャムやお菓子などに活用されるポピュラーな野菜です。最近では日本でも徐々に人気が上昇中。意外と丈夫で育てやすい植物なので、家庭菜園に取り入れるのもオススメです。そんなルバーブを使って、カラフルで美味しい4種のジャムを作ってみましょう!
目次
ルバーブってどんな植物?
ルバーブはシベリア南部を原産とするタデ科の多年草。古くから栽培され、ヨーロッパ諸国で薬としても活用されていた一般的な野菜です。フキによく似た姿をしていて、5〜6月に地際から太い葉柄を何本も立ち上げ、大きな葉を広げます。紅い茎を持つルバーブを使った真っ赤な美しいジャムも、最近よく見かけるようになりました。食用とする部位は葉柄で、強い酸味が特徴。収穫の適期は、5〜6月。ちなみに酸味のもとはシュウ酸なので、アク抜きをしっかり行いましょう。葉はシュウ酸が多いため食べられません。火を入れるとトロトロになる性質を生かして、ジャムやソース、パイやタルトのフィリングなど、お菓子にもによく使われるほか、サラダとしても食べられます。
また、ルバーブを手に入れてもすぐに調理ができない場合でも、下ごしらえだけして冷凍保存ができるのも魅力です。ジャムにする予定ならば1cmに、コンポートや塩漬けにするなら3cmくらいに切って、密封して冷凍保存。都合のよいときに調理ができるので、新鮮なルバーブをみつけたらとりあえず買っておくのもオススメです。
基本のルバーブジャムを作ろう
まずはルバーブだけで作る、基本のルバーブジャムの作り方をご紹介します。爽やかな酸味が楽しめるジャムです。赤いルバーブを使えば、目にも鮮やかな真っ赤なジャムに。緑のルバーブなら緑色のジャムになります。今回はアレンジに用いたいので緑のルバーブをセレクト。
【材料】
ルバーブの茎・砂糖(砂糖はルバーブの重量の30%程度)・レモン汁少々
【つくり方】
- ルバーブはよく洗い、1cm程度に切って鍋に入れ、砂糖をまぶして水が出るまでしばらく置きます。
- 水分が出てきたら、中火でかき混ぜながら煮て、灰汁がをていねいにすくい取ります。すぐに砂糖とルバーブが煮溶けるので、様子を見ながら形が残る程度で火を止め、レモン汁少々を加えます。味を見て酸っぱすぎるようであれば砂糖を足しましょう。
- 煮沸消毒した瓶などに移して完成。
ルバーブは鮮度が落ちやすいので、ジャムやコンポートなど、早めに調理してから保存するのがオススメです。ルバーブだけでつくる基本のジャムも、甘酸っぱくて爽やかな美味しさ。そのままトーストにつけるのはもちろん、ヨーグルトやアイスにかけたり、パイやタルトのフィリングとしてもぴったりです。
+αのフルーツを加えて
4種のアレンジジャムに
ここでは造園家の阿部容子さんが毎年作る、基本のルバーブジャムに+αを加えた、4種のアレンジジャムもご紹介。ルバーブの風味にそれぞれのフルーツの味わいが加わり、目にも舌にも楽しい取り合わせになります。いろいろな素材を加えてアレンジできるのも、手作りならではの楽しみ。バリエーション豊富に食卓に並べ、食べ比べてみるのも面白いですよ。
ルバーブ&ストロベリー
ジャムの定番、ストロベリーも、ルバーブジャムと合わせることでまた違った風味に。誰にとっても食べやすい癖のない味わいのジャムです。
ルバーブ&ブルーベリー
濃い紫色が目に鮮やかなブルーベリー入り。酸味が少なく優しい味のジャムになります。お好みで赤ワイン少々を垂らすと、ぐっと大人の味わいに。
ルバーブ&ラズベリー
ラズベリーのプチプチしたタネと、トロリとしたルバーブの食感が程よくマッチ。ラズベリーの鮮やかな赤色に、酸味の効いた爽やかな味わいです。
ルバーブ&皮つきオレンジ
ほろ苦く香り豊かなオレンジと、甘酸っぱいルバーブは相性抜群。オレンジキュラソーを加えると、さらに風味がアップします。
ここでご紹介した4種類以外にも、リンゴやクランベリーなどお好みのフルーツや、ハーブ、スパイスなどを加えても美味しいジャムに。ぜひいろいろな味にトライしてみてくださいね。
ジャムだけじゃない! ルバーブの食べ方いろいろ
ルバーブサラダ
ルバーブはジャムだけでなく、サラダとしても食べられます。生食する場合は、皮をむいて薄切りにし、水につけてアク抜きをしましょう。写真はレタス、フェタチーズ、クルミ、レーズンに、焼いたルバーブを合わせたサラダ。
ルバーブケーキ
ルバーブはジャムをパイやタルトのフィリングとするほか、ケーキ生地などに焼き込んでも美味しいスイーツに。ケーキのほか、マフィンやクランブルにしてもGood。
ルバーブジュース
夏にぴったりな甘酸っぱいピンク色のシロップを作っておけば、自家製の冷たいドリンクが簡単に作れます。ルバーブを洗って1cm程度に刻み、同量の砂糖と交互に瓶に入れておくだけ。砂糖が溶けてきたら時々かき混ぜてあげましょう。水や炭酸水、アルコールなどで割るほか、レモン汁を加えてレモネードにするのもオススメです。
Credit
写真&文 / 3and garden
スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。
- リンク
アドバイス / 阿部容子 - ガーデンデザイナー/造園家 -
あべ・ようこ/岐阜県可児郡「かたくり工房」に所属。モデルガーデンのガーデンカフェ「ガズー(Garzzz)」を拠点とし、公共、企業、個人の庭を全国各地でデザイン、施工。ぎふ国際バラコンクール審査員として岐阜県「花フェスタ記念公園」でも活動。アメリカ園芸療法協会会員として米国のカンファレンスで学んだ知識や技術を生かし、病院のガーデンも施工しています。
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