ロザリアンにとって、バラは見るだけでなく、その香りも味も、すべてを楽しみたいもの。バラ文化と育成方法研究家で「日本ローズライフコーディネーター協会」の代表を務める元木はるみさんに、パーティーのおもてなしスイーツとしても好評のローズゼリーのレシピを教えていただきます。
目次
自分で育てたバラを味わう

バラを味わうことが、現在ブームとなりました。しかし、どのバラも同じように美味しく味わうことができるとは限りません。それは、特に現代バラは、観賞を目的につくられ誕生したからです。
では、どのようなバラが味わうバラに向いているのかといえば、花弁が柔らかく、渋みやえぐみが少なく、香りが強く豊かなバラです。条件を満たすバラは、オールドローズに多く、現代バラでもオールドローズの性質を受け継ぐバラに見られます。
また、食してもよい安全な方法で育てられているかも重要な条件で、使用された薬剤、または無農薬、肥料に至るまで気を配っていることも大事なポイントです。無農薬で育つバラというのは、病気になりにくく強いバラを選ぶということでもあります。また、長年の経験から、無農薬かつ有機質肥料で育てたバラのほうが、本来の香りが強く豊かであることを実感してきました。
さて、今回は、そのような無農薬かつ有機質肥料で育てた庭のバラを使用して、ローズゼリーをつくってみました。バラは、花弁が柔らかく、豊かなダマスク香にスパイシー香が少し混ざる食香(しょっこう)バラの‘豊華(ホウカ)’(薄ピンクの花)と‘玫瑰(マイカイ)’(濃いピンクの花)が、よく咲いてきたので摘みました。
たった3輪でも香り豊かなゼリーに

たくさんのお花がないとつくれないと思っている方は、きっと驚かれるかもしれませんね。‘豊華’や‘玫瑰’でしたら、たった3輪でつくれるほど、香りが豊かなんですよ。では、ゼリーをつくってみましょう。
材料(グラスなど小さな器6個分)
・バラの花 3輪
・水 300㏄
・粉ゼラチン 5g
・砂糖 大さじ3
・レモン汁 小さじ1
つくり方
- バラの花弁をほぐして、傷んだ花びらを取り除きます。
- 花びらを水で洗い、ザルに上げて水を切ります。

- 鍋に、水300㏄と花びら、砂糖を入れて、スプーンでかき混ぜながら中火にかけます。

- 煮立ってきたら弱火にして、鍋にアルミホイルをかけ、約3分煮ます。その際、アルミホイルをかけて、なるべく蒸発を防ぎ、香りを閉じ込めることが大切です。
- レモン汁を加え、手早く粉ゼラチンを混ぜ、液が透明になったら火を止めます(レモン汁を加えると、液が綺麗なピンク色に変化します)。

- 火を止めた鍋にアルミホイルをかけて、3分ほど蒸らします。
- 容器に分け、冷蔵庫で固めて出来上がりです。この時も、容器をラップなどで密封し、香りを逃さないようにしましょう。


バラの季節にはパーティーを開きますが、このバラの香りを閉じ込めたローズゼリーは、一口含んだ瞬間にバラの香りが広がり、バラとの一体感を感じられると好評です。
また、容器の中で、優しいピンクの花弁がゆったりと舞う姿も美しく、見ているだけでも、心が癒されます。
ぜひ、安全な方法で育てたバラを使用して、お試しください。バラを暮らしに活用し、更に心豊かなローズライフを楽しみましょう。
併せて読みたい
Credit
写真&文 / 元木はるみ - 「日本ローズライフコーディネーター協会」代表 -

神奈川の庭でバラを育てながら、バラ文化と育成方法の研究を続ける。近著に『薔薇ごよみ365日 育てる、愛でる、語る』(誠文堂新光社)、『アフターガーデニングを楽しむバラ庭づくり』(家の光協会刊)、『ときめく薔薇図鑑』(山と渓谷社)著、『バラの物語 いにしえから続く花の女王の運命』、『ちいさな手のひら事典 バラ』(グラフィック社)監修など。TBSテレビ「マツコの知らない世界」で「美しく優雅~バラの世界」を紹介。
- リンク
記事をシェアする
冬のおすすめアイテム
キャンドルランタン ウォール(GARDEN STORY Series)
温かな雰囲気を演出するガーデンランタンは、単体でポイントに使っても、いくつか並べても◎。スマートなデザインのランタンにお好みのキャンドルやライトを入れて、ガラス越しに明かりを楽しめます。背面には取り付け穴付き。
編集部おすすめ記事
新着記事
-
ガーデン&ショップ

“ロングライフ・ローメンテナンス”で都立公園を豊かに彩るコンテスト「第4回東京パークガーデンアワード …
2022年に代々木公園から始まった「東京パークガーデンアワード」。第2回の神代植物公園、第3回の砧公園に続き、4回目となる今回は、都立夢の島公園(江東区)で開催されます。宿根草を活用して“持続可能なロングラ…
-
園芸用品

バラも果樹も鉢植えでこんなに実る! 全国ガーデナーが選ぶ土の活力素『バイオマイスター』PR
愛知県・牧勝美さんの庭は、つるバラが壁いっぱいに咲きこぼれるコテージと、宿根草や一年草がナチュラルに混ざり合う「秘密の花園」。そんな花いっぱいの庭の片隅で、鉢植えジューンベリーが毎年たわわに実り、ジ…
-
一年草

お正月を迎える“祝いの寄せ植え”。福を呼ぶハボタンを玄関や窓辺に
新しい年を迎える庭に、静かな華やぎを添えてくれるのがハボタンです。葉を幾重にも重ねながら、美しさを深めていくその姿は、繁栄や円満といった縁起の象徴とも重なります。今回紹介する寄せ植えは、アンズガーデ…



























