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香りのサラダを召し上がれ! グレープフルーツとローズマリーのバランスブレンド【おうちでアロマテラピー】

香りのサラダを召し上がれ! グレープフルーツとローズマリーのバランスブレンド【おうちでアロマテラピー】

美しい新緑の季節が過ぎると、いよいよ梅雨が始まり夏本番も間近です。この時期は、気温や湿度の変化に体が追いつかず、思いのほかストレスも溜まりがち。そんな時には、爽やかなグレープフルーツの香りで、心と体にビタミン補給! 幸福感を運んで、心身のバランスを整えてくれる香りで、すっきり元気になりましょう。ダイエット効果も期待できますよ。

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楽園へ誘う太陽の恵み グレープフルーツ

グレープフルーツ(Citrus × paradisi)は、ミカン科の常緑高木。ブンタンとオレンジが自然交雑したもので、樹高5~15mに成長します。18世紀に西インド諸島のバルバドス島で発見されて世界に広まり、19世紀前半には米フロリダ州で、フランスからの移住者によって栽培されるようになり発展しました。グレープフルーツという名は、丸い果実が枝にいくつも実る様子がブドウの房のようであることからつけられました。

発見当時には、「禁断の果実」と呼ばれたグレープフルーツ。太陽の恵みたっぷりの丸く黄色い果実は、楽園を思わせるものだったのでしょう。のちに、「楽園」を意味する種名(paradisi)がつけられました。その香りは、まさに一瞬で楽園に連れて行ってくれるかのように、甘く爽やかですね。

精油の主な産地には、アメリカ、イスラエル、アルゼンチン、ブラジルがあります。

心身のバランサーとなる清々しい香り

ビタミンCをたっぷり含んだグレープフルーツは、食卓でもお馴染みですが、果皮から採れる精油も人気が高く、老若男女に好かれる香りです。酸味と甘みの中にほろ苦さを含み、オレンジなど他の柑橘類と比べると、少し大人の顔を持っています。同じ柑橘類をはじめ、樹木系やローズなどのフローラル系など多くの精油と相性がよく、ナチュラルでユニセックスな魅力のある精油です。

グレープフルーツの香りは、落ち込んだ心をほぐして、自信と元気を取り戻してくれます。また、緊張やストレスを感じている時には、交感神経のバランスを整えて、不安を取り除いてくれます。軽やかな香りが、パッと明るい気分に変えて、楽園にいるような幸福感をもたらしてくれるイメージ。きらめく太陽の下で、気持ちが解放される感じです。

頑張りすぎて、結果を求めるあまりにイライラしてしまう人にもよい香りです。というのは、グレープフルーツの香りは、ストレスから来る食べ過ぎや飲み過ぎを抑えてくれるから。一方で、食欲不振にも作用があって、食欲のバランスをうまく整えてくれます。

近年、グレープフルーツの香りを構成するヌートカトンという成分に、脂肪燃焼作用が認められ、ダイエット効果も注目されています。リンパや血液の流れを促進し、余分な水分や老廃物を排出する作用もあるので、美容面でも、とてもよい香りといえるでしょう。

<注意>
グレープフルーツ精油に含まれるフロクマリン類には、血圧降下剤、睡眠剤、抗てんかん薬、向精神薬、鎮静剤の副作用を、増大させる可能性があることが分かっています。これらの薬を服用中の方は、自己判断で使用せず、医療機関にご相談ください。

また、グレープフルーツなど柑橘類の精油には光毒性があり、皮膚につけてから日光に当たると、炎症やしみを起こすことがあります。芳香浴では心配ありませんが、肌に触れた場合は速やかに洗い流し、高濃度、長時間の使用は避けましょう。

芳香浴レシピ:グレープフルーツ3滴+ローズマリー・シネオール1滴+オレンジ・スイート1滴

6~8畳のディフューザー用のレシピです(ローズマリー・シネオールについてはこちらを、オレンジ・スイートについてはこちらをご覧ください)。

柑橘類の果実が入ったサラダのような、さっぱりとした美味しい香りです。リラックスとリフレッシュ、どちらにも向くブレンドなので、1日のどんな場面にも活躍してくれるでしょう。

キッチンやダイニングで焚けば、家族の楽しい食事や団らんをサポート。さらに、食べ過ぎを抑えるダイエット効果が期待できます。また、人の集まるリビングで焚けば、明るいコミュニケーションが生まれることでしょう。香りのサラダを食べて、心も体もすっきりと、元気に夏をお迎えください。

*『おうちでアロマテラピー』シリーズ、その他のブレンドはこちらからどうぞ。

*精油はアロマテラピー専門店での購入が安心です。下記に取り扱い時の注意をまとめましたので、ぜひご一読ください。

〈精油を使用する際の注意〉
・ 原液を皮膚につけない。ついたらすぐ石鹸で洗い流す。
・飲用しない。目に入れない。
・火気に注意する。
・医師による治療や投薬を受けている場合は、必ず当該医療機関に相談する。
・3歳未満の乳幼児には芳香浴以外は行わない。また3歳以上であっても使用量を半分以下にし、十分注意を払う。
・高齢者、既往症のある方は半分以下の量を目安に。妊娠中は体調を考慮し、芳香浴以外のアロマテラピーを楽しむ場合は十分注意する。

〈精油の保管・保存について〉
・直射日光と湿気を避け、火気のない冷暗所に保管する。
・子どもやペットの手の届かないところへ保管し、誤飲に注意する。
・開封後1年以内を保存期間とし、柑橘系の精油は半年以下を目安にする。
・香りに異変を感じたら使わない。

〈精油の品質について〉
・次の内容を箱やラベル、使用説明書で確認できるものを選ぶ。ブランド名、品名、学名、抽出部分(位)、抽出方法、生産国(地)または原産国(地)、内容量、発売元または輸入元。

Credit

アドバイス/髙畠美穂

公益社団法人 日本アロマ環境協会認定アロマテラピーインストラクター。特定非営利活動法人 日本メディカルハーブ協会認定メディカルハーブコーディネーター。香りとクラシック音楽が大好き。

文/萩尾昌美

〈参考文献〉
和田文緒(2008)『アロマテラピーの教科書』新星出版社
太田奈月、監修:ロジャー・ルッツ、小平悦子(2014)『「アート」と「サイエンス」の両面から深く学び理解する 香りの「精油事典」』BABジャパン
大槻真一郎、尾崎由紀子(2009)『ハーブ学名語源事典』東京堂出版

Photo/1) Ken Kojima / 2) Vova Shevchuk / 3) Olga Miltsova /4)  Daniel Gilbey Photography – My portfolio / 5)  Anna Ok / Shutterstock.com

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