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バラの季節に至福のローズオイルを作ってみよう!【おうちでアロマテラピー】

バラの季節に至福のローズオイルを作ってみよう!【おうちでアロマテラピー】

待ちに待った、バラの季節の到来。美しい花々が放つ、うっとりとするその香りを、いつだって身にまとっていたい。バラ好きさんなら、きっとそう思うことでしょう。そんな貴女のために、今回はちょっと豪華にローズオットーの精油を使って、ローズオイルをつくります。バラ友達や、母の日のお母様へのプレゼントにもぴったり。女らしさを引き出す至福の香りに、ぜひ包まれてください。

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クレオパトラも愛したバラの香り

バラはその美しい花姿と香りで、古くから人々を魅了してきました。古代エジプトの女王、クレオパトラ7世もバラをこよなく愛したひとり。花びらをふんだんに浮かべたバラ風呂に浸り、また、バラの花びらを床に敷き詰めて、その香りでローマの英雄、カエサルやアントニウスを魅了したという逸話は有名です。永遠の若さと美しさをもたらすバラの力を、クレオパトラはよく知っていたのかもしれません。

貴重なローズオットーの精油

バラの精油には、ローズオットーとローズ・アブソリュートがありますが、今回は、ダマスクローズ(Rosa damascena)から水蒸気蒸留法で抽出される、ローズオットーの精油を扱います。

ダマスクローズの産地は、トルコ、ブルガリア、フランス、モロッコ、インド、イランなどが有名で、5月から6月にかけて収穫と蒸留が行われます。ローズオットーは、1㎖で4,000円台が目安となる、非常に高価な精油で、有機栽培のものはさらに高価です。しかし、精油1~2㎖を抽出するには10㎏の花びらが必要とされ、高価な訳もうなずけます。

優しい気持ちと女らしさを呼び起こす香り

バラの香り成分は、半分がまだ解明されていないともいわれ、じつは、未知な部分が多く残されています。しかし、人々は経験によって、じつに古くからバラの芳香蒸留水を薬として使ってきました。

ローズオットーの香りには、鎮静作用と高揚作用の両方があって、つらい時や寂しい時にはネガティブな感情をやわらげてくれ、元気な時にはその気持ちをさらに一段階引き上げてくれます。子どもにイライラしたお母さんも、このローズオイルをサッと一塗りすれば、気持ちをリセットするのに役立つでしょう。

また、ホルモンバランスを整え、月経前症候群や月経痛、更年期障害の不快感をやわらげる働きもあります。お風呂上がりや寝る前に、首やデコルテ、腕などにローズオイルを塗ってやさしくマッサージすれば、疲れが取れ、また美肌作用のおかげで、お肌の若返りも期待できるでしょう。ただし顔に塗るのは避けてください。

至福のローズオイル 作り方

ローズオットーの香りは、あなたの記憶の中にある生花の複雑な香りとは異なるかもしれません。そのため、今回は4種の精油をブレンドして、よりバラらしい香りを目指します。

【材料】
ホホバオイル(クリア・精製したもの) 50㎖
精油 ローズオットー 3滴
フランキンセンス 3滴
真正ラベンダー 3滴
ゼラニウム 1滴

【道具】
ビーカー、ガラス棒、遮光びん(50㎖用)

【作り方】
ホホバオイルをビーカーに注ぎ、そこにそれぞれの精油を足していきます。精油によって粘り気が異なり、多く落ちてしまうこともあるので、1滴ずつ落とすよう注意します。

精油を入れたら、ガラス棒でくるくるとよく混ぜます。ローズオットーは13℃以下で固まる性質があるので、寒い時はよく観察して、底に固まっていたら人肌で温めてください。混ざったら、遮光びんに移して完成です。

びんのフタをオイル用のポンプにつけ替えると使い勝手がよくなります。内容と作った日付を書いたラベルを貼り、日の当たらない場所に保管して3カ月くらいで使い切りましょう。

ローズオットーは高価な精油なので、1~3㎖の少量で購入するとよいでしょう。今回試しに作ってみたいという方は、1㎖の購入で十分です(精油ドロッパーの1滴は0.05㎖なので、1㎖で20滴分あります。ただし、スポイトを使う場合は1滴が0.025㎖と半量になり、計算が変わるので、購入店でご確認ください)。

ローズオットーの精油を、せっかくなら存分に楽しみましょう。お手軽なのは、ハンカチに1滴垂らす方法。バラの香りが、お出かけの時も心の安定を運んでくれるでしょう。また熱いお湯を張った洗面器に1滴垂らして、タオルを頭に被りながら芳香浴をしたり、お風呂に1~2滴垂らして、ゆったりと香りを楽しみながら浸かったりすれば、心の疲れもほぐれます。

*『おうちでアロマテラピー』シリーズ、その他のブレンドはこちらからどうぞ。
*精油はアロマテラピー専門店での購入が安心です。下記に取り扱い時の注意をまとめましたので、ぜひご一読ください。

〈精油を使用する際の注意〉
・ 原液を皮膚につけない。ついたらすぐ石鹸で洗い流す。
・飲用しない。目に入れない。
・火気に注意する。
・医師による治療や投薬を受けている場合は、必ず当該医療機関に相談する。
・3歳未満の乳幼児には芳香浴以外は行わない。また3歳以上であっても使用量を半分以下にし、十分注意を払う。
・高齢者、既往症のある方は半分以下の量を目安に。妊娠中は体調を考慮し、芳香浴以外のアロマテラピーを楽しむ場合は十分注意する。

〈精油の保管・保存について〉
・直射日光と湿気を避け、火気のない冷暗所に保管する。
・子どもやペットの手の届かないところへ保管し、誤飲に注意する。
・開封後1年以内を保存期間とし、柑橘系の精油は半年以下を目安にする。
・香りに異変を感じたら使わない。

〈精油の品質について〉
・次の内容を箱やラベル、使用説明書で確認できるものを選ぶ。ブランド名、品名、学名、抽出部分(位)、抽出方法、生産国(地)または原産国(地)、内容量、発売元または輸入元。

Credit

アドバイス/髙畠美穂

公益社団法人 日本アロマ環境協会認定アロマテラピーインストラクター。特定非営利活動法人 日本メディカルハーブ協会認定メディカルハーブコーディネーター。香りとクラシック音楽が大好き。

文/萩尾昌美

〈参考文献〉
和田文緒(2008)『アロマテラピーの教科書』新星出版社
林 真一郎(2010)『ハーブと精油の基本事典』池田書店
中村あづさアネルズ(2013)『中村あづさアネルズの誰も教えてくれなかった精油のブレンド学』BABジャパン
木田順子(2014)『あたらしいアロマテラピー事典』高橋書店

Photo/1)Look Aod27/2)Look Aod27/3)Genadi Dochev/4)Fattan Dehghani/ 5)Genadi Dochev/ Shutterstock.com

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