日本人にもなじみ深いあの植物も立派なハーブ! 和のハーブを取り入れよう
ハーブというと、西洋のもの…というイメージがありますが、日本人になじみ深い「薬草」も、じつは立派なハーブです。今回は優れた作用を持つ和のハーブの効能と、ブレンドティーレシピをご紹介していきますね。
目次
しょうが、しそ、わさびも立派なハーブです
ハーブというと、ラベンダーやローズマリーなど、西洋からきた植物を想像しがちですが、そんなことはありません。世界を見ると、植物の種類こそ違いますが、古代より薬草として、病気や傷の治療に使われてきた長い歴史があり、植物の力を生活の中に取り入れてきたことが分かります。日本でいうと、しょうが・しそ・わさび・山椒・ゆずなども立派なハーブ。ハーブがちょっと身近に感じられませんか? ハーブというより、薬草という呼び名の方がしっくりくる気もしますね。
それから、「身土不二(しんどふじ)」という言葉をご存じですか?
人にとって、生まれついた土地・風土のものは、二つとなく自分の体に合うものである、 という考え方で、日本の風土で育った植物・古くから活用してきた薬草は、私たち日本人の体質に合うものだという意味です。
日々の生活に、和のハーブをもっと取り入れてみませんか? ぜひ一度、ドラッグストアの健康食品関係のコーナーをのぞいてみてください。「よもぎ茶」「どくだみ茶」など、優秀な和のハーブたちが並んでいますよ。
体を温める? 冷やす? 和ハーブ・しょうがの作用
日本人に馴染みのあるハーブの一つ、しょうが。古くから、風邪や悪寒に効果がある薬として用いられていました。また、むかつきや吐き気を抑える作用もありますので、乗り物酔いの緩和にも向いていますよ。
身体を温める作用があるといわれるしょうがですが、実は、生で使うか・乾燥させて使うかによって、相反する作用があるんです。
生のしょうがには、「ジンゲロール」という成分があり、体を冷やす作用が期待できます。乾燥させることで、「ジンゲロール」は「ショウガオール」という成分に変わります。ショウガオールには、体を温める作用があります。胃を温めることで、食欲を促し、消化を促進する働きもします。
風邪のひきはじめや、体を温めたい・冷え性の改善をしたいという場合には、乾燥させたしょうががオススメですよ。
*妊娠中の方・胆石のある方はご注意ください。
積極的に摂りたい和ハーブ「よもぎ」「はとむぎ」
まだまだ日本のハーブたちもたくさんあります。今回は、その中から2種類、ご紹介していきますね!
よもぎ
「飲んでよし、付けてよし、浸かってよし、嗅いでよし、燃やしてよし」といわれ、万能薬・日本のハーブの女王と呼ばれているのが、よもぎです。
よもぎには、素晴らしい作用がたくさん!
ビタミンやミネラル、食物繊維などの栄養素も豊富ですし、血をきれいにしてくれる浄血作用や、体の老廃物を外に出してくれる整腸作用・デトックス作用もあります。そのまま食べるのが一番いいのですが、収穫できる季節も限られているので、私は乾燥させたものを飲んでいますよ。
*キク科の植物にアレルギーがある方はご注意ください。
はとむぎ
ハトが好んで食べることから、この名前が付いたといわれています。生薬名は、ヨクイニン。イボ取りの薬としても有名です。
ハトムギは栄養バランスに優れたハーブ。体の生理機能を刺激・活性化し、代謝を促します。また、老廃物を外に出す作用がありますので、むくみや水太りの解消にも。肌のビタミンといわれるビタミンB1・B2、アミノ酸を豊富に含んでいて、美肌作りにつながるのも嬉しいですね。
和菓子とも合う! 和のブレンドハーブティーレシピ
ハーブは、1種類を単品で飲むのもいいですが、ブレンドすることによって、飲みにくさも緩和されたり、相乗効果でおいしくなったりするのをご存じですか?
今回ご紹介した3種類の和ハーブをブレンドして、ハーブティーにしてみましょう。
このハーブティーは、和菓子との相性もぴったりです。緑茶とはまた違った香りが楽しめます。飲みにくいと感じた方は、緑茶をブレンドしてみるのもオススメですよ。
【分量】*すべてドライハーブを使用
・よもぎ 5g
・はとむぎ 5g
・しょうが 1片
【おいしいハーブティーの淹れ方】
- ポットにハーブを入れる
あらかじめ温めておいたポットにハーブを入れます。
ティーカップ1杯(150~180㏄)に対して、ティースプーン山盛り1杯が目安です。 - 熱湯を注ぎ、ハーブを蒸らして成分を抽出する
お湯を注いだら、すぐポットのふたをして、ハーブのエキスを抽出します。
3分待ちます。 - ティーカップに注ぐ
あらかじめ温めておいたカップに注いで、飲みましょう。
<注意点>
自然の恵みが詰まったハーブですが、妊娠中・授乳中の方、治療中の病気がある方、体質等の心配がある方は、使用できない種類もあります。使用する前に、かかりつけの医師にご相談ください。また、ハーブは薬ではありません。健康状態が気になる方も医師にご相談ください。
Credit
写真&文 / 堀久恵 - 花音-kanon- 代表 -
ほり・ひさえ/ガーデンセラピーナビゲーター。一般社団法人日本ガーデンセラピー協会専門講師。
生花店勤務を経て、ガーデンデザイン・ハーブ・アロマセラピー等を学び、起業。植物のある暮らしを通じて、病気になりにくい身体を作り健康寿命を延ばすことを目指した「ガーデンセラピー」に特化した講座の企画運営と庭作りを得意とする。埼玉県熊谷市の『花音の森』にて、日々植物に囲まれ、ガーデンセラピーを実践中。
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