ジャガイモを使った世界の料理レシピ5選【キッチンガーデンレシピ】

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なにか収穫できるものを育てましょう。立派な畑がなくても大丈夫。朝食一食分の収穫なら、小さな庭やベランダの鉢植えでも十分つくれます。お庭で育てた野菜を美味しく、飽きずにいただくために、簡単で手早くできるレシピを世界各国から集めてご紹介。ジャガイモは長持ちで子供も大好きな野菜ですね。新しい調理法を覚えて、定番レシピに追加してみましょう。
目次
Menu.1 ハッセルバックポテト from スウェーデン

細かな切れ込みを入れた姿から、アコーディオンポテトとも呼ばれているハッセルバックポテト。発祥の地であるスウェーデンのホテルに由来した料理名です。斬新な見た目と、素朴な味わいで食卓を楽しくしてくれる一品です。ジャガイモが淡白なので、チーズやサワークリームなどと一緒にいただくとより美味しさが増します。
How to cook
材料:ジャガイモ、ニンニク、オリーブオイル、塩、お好みでベーコンやアンチョビ、スライスチーズやサワークリーム、ハーブミックスなど
- ジャガイモを皮つきのままよく洗います。
- まな板にジャガイモを横にしておき、ジャガイモを挟むように上下に割り箸を一本ずつ置きます。こうすることで包丁の刃が割り箸のところで止まり、ジャガイモの底だけ繋がった状態で切り込みが入れられます。3~5㎜の厚さで切り込みを入れていきます。
- 皿にのせてラップをし、レンジで楊枝が楽に刺さるくらいまで加熱します。
- ニンニク1片をおろしてオリーブオイルと混ぜます。
- レンジから取り出したジャガイモに4をまんべんなく塗り、お好みで切れ込みの間にベーコンやアンチョビ、スライスチーズなどを挟み入れます。塩少々、あればハーブミックスを振ります。
- アルミホイルで包んで魚焼きグリルで10〜15分。焦げ目がついたら完成です。トースターやオーブンでもOK。サワークリームをつけても美味しくいただけます。
Menu.2 ニョッキのプチトマトソース fromイタリア

ニョッキはイタリアの伝統的な家庭料理。ジャガイモと小麦粉を練ったパスタの一種ですが、日本のスイトンにもよく似た、モチモチとした食感が美味しい一品です。トマトソースのほかにも、ホワイトソースやチーズ、バジルソースなど、味つけのバリエーションはたくさんあります。旬のものを使って、いろいろなテイストをお楽しみください。
How to cook
材料(4人分):ジャガイモ3〜4個、薄力粉200g、卵黄1個、粉チーズ大さじ1、塩少々、玉ねぎ1/4個、オリーブオイル、ミニトマト約30個、塩・コショウ少々
- ジャガイモを皮つきのまま火が通るまでゆで、熱いうちに水気を切ってから皮をむきマッシュ状にします。
- ジャガイモの粗熱が取れたら、薄力粉、卵黄、粉チーズ、塩を入れ混ぜ合わせ、練りこまずにひとまとめにします。
- 軽く薄力粉を敷いたまな板の上に2をのせ、直径2cmほどの棒状に伸ばします。端から2cmほどの間隔で切り分け、一つ一つにフォークの背中で筋をつけます。こうするとソースがニョッキによく絡み、美味しさが増します。
- 鍋にたっぷりの湯を沸かし、塩を小さじ2杯加え、3を15分ほどゆでます。
- ゆでている間にソースをつくります。みじん切りにした玉ねぎをオリーブオイルで色がつくまで炒め、半分に切ったプチトマトを加えて10分くらい炒め煮します。塩・コショウで味を調えます。
- 5の中にゆで上がったニョッキを入れて混ぜ合わせ、粉チーズを振ったら完成。
Menu.3 デルニ(ジャガイモパンケーキ)from ウクライナ

東ヨーロッパの国、ウクライナではジャガイモは食卓に欠かせない食材。「デルニ」と呼ばれるジャガイモのパンケーキは、いろいろなアレンジでメインディッシュとしても、おかずとしても食される料理です。すり下ろしたジャガイモが醸し出すほのかな甘みと、カリカリ&しっとりふんわりの食感がとても美味しいですよ。
How to cook
材料(4人分):ジャガイモ(あれば‘インカのめざめ’ )4〜5個、卵1個、小麦粉大さじ5〜6、サワークリーム大さじ1〜2(無糖ヨーグルトでも代用可)、塩・コショウ少々、バターorオイル、サワークリーム(トッピング用)少々、あればチャイブやディルの葉
- ジャガイモの皮をむいてすり下ろし、溶いた卵、小麦粉、サワークリーム、塩・コショウと混ぜ合わせます。小麦粉の量は普通のパンケーキをつくる際の硬さを目安としてください。
- フライパンにバターを溶かし、生地を流し入れ弱火で焦がさないように両面焼きます。
- サワークリームと刻んだチャイブの葉をトッピングして完成。シンプルにこれだけでも美味しいですが、炒めたひき肉やキノコを挟んだり、いろいろなアレンジで楽しめます。
Menu.4 ヤンソンの誘惑 from スウェーデン

スウェーデンの伝統的なジャガイモのグラタン料理です。ユニークな料理名は菜食主義者の宗教家ヤンソン氏が美味しそうな見た目と匂いに誘惑され、つい口にしてしまったという逸話に由来しています。グラタンといってもホワイトソースを用いない簡単レシピ。コツはオーブンに入れる前にジャガイモによく火を通すこと。それだけ守れば失敗はありません。
How to cook

【材料】ジャガイモ5〜6個(細めのひょうし切り)、玉ねぎ1個(千切り)、アンチョビ8〜10切れ、バター大さじ1、生クリーム200㎖、パン粉適量
- ジャガイモを皿に広げラップをかけてレンジで5〜10分。芯がおおよそなくなるまで熱を入れます。
- フライパンにバターを溶かし、玉ねぎを透明になるまで炒めます。
- 先に準備した①と②を耐熱皿に広げてアンチョビを適当にちぎって散らします。
- 生クリームを全体にかけ回し、表面に薄くパン粉を敷き詰めます。
- 200℃のオーブンで30〜40分、表面に焦げ目がつくまで焼いて完成。
Menu.5 ヴァレーニキ from ウクライナ

ヴァレーニキはウクライナやロシアで親しまれている家庭料理。ちょうど水餃子のような感じで、小麦粉を練って作った皮に具材を入れ茹でていただきますが、ここでは水餃子の皮で代用します。中身の具材によって、おやつにも軽食にもなり、大人から子どもまで人気。ジャガイモは最もポピュラーな具材です。
How to cook

【材料】水餃子の皮1袋、ジャガイモ4〜5個、玉ねぎ1個(みじん切り)、バター50g、塩、こしょう少々、ニンニク2〜3片、ディル、イタリアンパセリ各2〜3本、サワークリーム適量
- ジャガイモをマッシュポテトにしてバターと混ぜ合わせます。
- 玉ねぎを飴色になるまで炒め、①と合わせて塩、こしょうで味付けします。
- 水餃子の皮に②の具材を入れ、包みます。
- 鍋に湯を沸かし、ニンニクを入れ、③を茹でます。
- ディルとイタリアンパセリを細かく刻み、茹で上がった④に散らします。
- サワークリームをかけて完成。
ジャガイモ栽培にチャレンジ

スーパーの店頭でよく見かけるジャガイモの種類は‘男爵’、‘メイクイーン’、‘キタアカリ’などですが、ちょっと変わった種類を味わうなら家庭菜園にチャレンジしてみませんか。アンデス原産の‘インカのめざめ’は糖度が高く、ジャガイモというより栗やナッツのような風味が特徴で、黄金色の美しい品種です。
ほかにも‘インカルージュ’や‘アンデスレッド’、‘シャドークイーン’など赤や紫色のジャガイモは、カラフルでサラダなどに使うととても綺麗です。春先になると、ホームセンターや園芸店にタネイモが並ぶので発芽しているものを選びます。発芽していない場合は数日明るい日陰に放置し、発芽させてから植えた方が発育が揃って育てやすいでしょう。ジャガイモは水はけのよい弱酸性土を好むため、少し高めに畝を作って水はけをよくしましょう。
ジャガイモの土づくりの際は、そうか病を防ぐために石灰を使用しない方がよくできます。ジャガイモはタネイモの上に新しいイモがたくさんできるので、プランター栽培の際は深さ40cmくらいの深めのプランターに、最初は6分目くらいの土を入れて植えつけます。芽が出て草丈が10〜15cmくらいになったら複数出ている芽をかいて2本残し、土を足し入れます。約1カ月半後に肥料をやる際にも土を足し入れます。これは、ジャガイモが日光に当たって緑色に変色し、その部分に毒が発生するのを防ぐためです。地上部の葉が黄色くなり始めたら収穫時期です。
ジャガイモの美味しい貯蔵方法
ジャガイモは掘り立てももちろん美味しいのですが、北海道などの産地では貯蔵したジャガイモの味を好んで食します。というのも、ジャガイモには長期低温貯蔵によって糖分が増す性質があり、フレッシュな新ジャガとは違った、まったりとした甘味が出るためです。
家庭菜園で栽培した際にも、たいがい一度では食べ切れない収穫量になるので、上手に貯蔵して美味しくいただきましょう。貯蔵中にはなるべく光を当てないように、15℃前後の冷涼な場所で保存します。光に当たると緑化したり、芽が出てしまいその部分には毒性があるので食べないようにしましょう。
また、ジャガイモを保存する際は、リンゴを一緒にしておくと芽が出るのを防いでくれます。これはリンゴから出ているエチレンガスの効果によるものですが、このエチレンガスは他の果菜類の熟成や老化を早める作用もあるため、他のものを一緒にしないようにしましょう。
Credit
文 / 3and garden

スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。
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