「ハーバリウム」をご存じですか?SNSで流行りはじめ、人気に火がつき、最近では百貨店や雑貨屋さんなどでもよく見かけるようになりました。今回は、ハーバリウムってなに? 中身は何なの? といった、ハーバリウムについてよくある質問をまとめてみました。
目次
質問1:ハーバリウムとは何ですか?
ハーバリウムとは、植物標本という意味を持った言葉で、プリザーブドフラワーやドライフラワーを専用オイルに浸けた、植物を観賞するための新感覚・インテリア雑貨です。人は視覚から入る情報が9割といわれていて、見てきれいだな~と思うことが、ストレスを減らして心身を癒す「ガーデンセラピー」に繋がります。
お気に入りの1本を近くに置いて、観賞してみてください! ふわふわ浮いたような植物の世界に、きっと癒されると思います。
質問2:ハーバリウムは、どうやって楽しむものでしょうか?
ハーバリウムは、観賞目的に作られた、フラワーアレンジメントの新たな形です。色や植物の美しさに加え、水やりや日当たりの心配もないので、気軽に楽しめると人気になっています。このまま3カ月~1年ほど、変わらず楽しめますので、お部屋のインテリアにもぴったり! リビングはもちろん、玄関・トイレ・寝室など、おうちのどこにでも置けるのも魅力ですね。
何本かを並べて置いてもいいですし、中の植物を変えるだけで、春夏秋冬や季節感の演出も可能です。また、持ち運びも楽々なので、お部屋の雰囲気を変えたい時に、ボトルを並べ替えるだけでも気分が変わりますよ♪
生花を飾っておきたいけど、すぐに枯れちゃうし、もったいないな…と思っている方にも、オススメです。そして、ギフトとしても人気があり、誕生祝いや出産祝い・退職祝いなどのプレゼントにする方も多いですね。
実は、生花って「もらって困るプレゼントランキング」の上位に入ること、ご存じですか?
お花好きからすると、何とも悲しいことなのですが、その点、このハーバリウムは、水やりなどの世話もいらないし、場所はとらないし、すぐに枯れないで1年ほど持つ! という点が好評なようで、女性はもちろんですが、男性も手に取りやすいお花、というのが人気の理由のように思います♪
質問3:ハーバリウムの中は何が入っているのですか?
ハーバリウムの中の液体の正体は、「オイル」。
ミネラルオイルやシリコンオイルが主流で、現在は、ハーバリウム専用オイルとして、市販されています。花材店・手芸店・雑貨店・インターネットショップなどで、買うことができます。
この液体は、高度に精製されたオイルで、ガラスビンに光が当たると、ビンの中で反射を繰り返す「光の全反射」という現象を起こします。そのため、ハーバリウムは日光が当たると、ひときわキラキラして見えるのです。
ハーバリウムは、直射日光は避けて、室内で楽しむものですが、ぜひ一度、光が差し込む窓際に置いて眺めてみてください! 植物の間できらめく光は、とても美しく、観賞価値の高いものだということが、お分かりいただけるかと思います。
質問4:ハーバリウムは飲んだり食べたりできないのですか?
残念ながら、ハーバリウムは飲んだり食べたりできません。観賞用のお花としてお楽しみください。
ハーバリウムの液は、無色透明・無臭なので、くれぐれも誤飲事故のないように、保管・管理してください。
質問5:ハーバリウムの寿命はどのくらいですか?
ハーバリウムオイル自体は、1年程度、大きな変化もなく、飾っていただけます。
ですが、中に入れた花材は、紫外線を受けることにより退色していきます。日当たりのいい場所にずっと置いておくと、著しく退色が早くなりますので、置き場所に注意すれば、美しさが長持ちするでしょう。
そして、使っている花材によっては、着色料や植物の持つ天然色素が溶け出し、時間経過とともに、オイルが染まってしまうことがあります。また、使った花材に水分が多く含まれている場合、カビや藻などが発生することもありますので、時々様子をチェックしてみてくださいね。
質問6:不要になった時は、どうやって捨てたらいいですか?
不要になったオイルは、下水道に流さないでください。法令により禁止されていますので、ご注意ください。
捨てる時には、油の廃棄と同様に、空の牛乳パックに新聞紙などをつめて、その中にオイルを染み込ませ、可燃ごみとして廃棄してください。
質問7:安全上、注意することはないですか?
ハーバリウムのオイルは、可燃性の液体です。ガスコンロやストーブなど、火気の近くには置かないでください。
現在、様々な種類のハーバリウムオイルが発売されており、それぞれ粘度によって、引火点が異なります(引火点とは、火を近づけた場合に着火する最低温度です)。
引火点250℃以上のハーバリウムオイルは非危険物ですが、引火点250℃未満のハーバリウムオイルは、消防法上の危険物に該当する可能性がありますので、ご注意ください。引火点については、購入前に確認しておかれるとよいかと思います。
また、ハーバリウムのオイル・ハーバリウムの完成品は、航空機での輸送ができません。引火点250℃以上のハーバリウムオイルは、非危険物なので、貨物として預ければ航空機に搭載することは可能なはずなのですが、航空機に乗せる前の保安検査で、疑わしいものと判別されてしまい、返却される可能性が非常に高いのです。ギフトとして贈られる際には、陸上または海上輸送に限定したほうがよいでしょう。
いかがでしたか?
植物が近くにあると、癒されます。私はパソコンデスクの横に置いて、眺めてリフレッシュしています。ぜひ、お気に入りのハーバリウムを身近に置いて、癒されてくださいね!
<ハーバリウムを作ってみたくなった方へ>
ハーバリウムの作成は、コツさえつかめば難しくないので、初心者さんでも楽しんでいただけると思います。ハーバリウムの作り方は、『作ってみよう♪ クリスマス・ハーバリウム』の記事でご紹介しています。ぜひ参考にしてみてくださいね。
Credit
写真&文/堀 久恵(ほり ひさえ)
花音-kanon- 代表、ガーデンセラピーナビゲーター。
生花店勤務を経て、ガーデンデザイン・ハーブ・アロマセラピー等を学び、起業。植物のある暮らしを通じて、病気になりにくい身体を作り健康寿命を延ばすことを目指した「ガーデンセラピー」に特化した講座の企画運営と庭作りを得意とする。植物に囲まれ、日々ガーデンセラピーを実践中。埼玉県熊谷市在住。
https://kanongreen.com/
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