家庭菜園の夏の定番野菜の一つ、キュウリ。採れたて野菜が食卓に並ぶと、暮らしが豊かになりますね。でも、一気に実って一度に食べ切れないほど収穫できる日もあります。そこでここでは、お庭で育てたキュウリを飽きずに美味しくいただくために、簡単につくれる世界のレシピと保存食のレシピをご紹介。いつもと違う料理で夏の味を楽しみましょう!
目次
夏バテ対策や熱中症対策に効果的な野菜、キュウリ
夏の日差しをたっぷり浴びて育つみずみずしいキュウリ(ウリ科キュウリ属 学名:Cucumis sativus L. )。全体の約95%を水分が占めていて、野菜の中でも水分量が多いのが特徴です。そのため、ビタミンCなど他の栄養素は含まれてはいても、含有量はそれほど多くはありません。
でも、水分たっぷりのキュウリは、夏の暑さに火照った体を冷やして水分を補給してくれるので、夏バテ対策や熱中症対策に効果的な野菜なのです。また、キュウリには水分だけではなく、カリウムも豊富に含まれています。不要な水分や塩分を排出する働きがあるカリウムは、水分の取りすぎや冷えでむくんだ体をすっきりさせるほか、高血圧や腎臓病の予防にも。
キュウリは1本あたり15kcal程度とカロリーがとても低く、ダイエット中に気兼ねなく食べられるのもうれしい食材です。
Menu.1 爽やかな酸味が元気をくれる
ガスパチョ from スペイン
ガスパチョはスペインの南部、アンダルシア地方生まれの冷製スープです。爽やかな酸味が元気をくれる栄養満点のスープは、飲むサラダともいわれています。夏に旬を迎える野菜をミックスするだけの簡単レシピです。スープに細かく切った野菜やクルトンをトッピングすると、見た目にも美しい前菜になります。
How to cook
材料(4人分):トマト3〜4個、キュウリ1本、ピーマン1個、バゲット1スライス、ニンニク1片、オリーブオイル100cc、ワインビネガー大さじ3、塩少々、お好みでクルトンやミントの葉
- トマトは湯むきし、キュウリはピーラーで皮をむき、ピーマンはタネを取ってミキサーに入れやすい大きさにそれぞれカットします。バゲットを水に浸しておきます。器を冷蔵庫で冷やしておきます。トッピング用として少量野菜を残しておきます。
- 全ての材料をミキサーに入れ、撹拌します。味見をして塩加減を調整します。
- 冷やしておいた器にスープを注ぎ入れ、お好みでクルトンや角切りにした野菜を飾れば完成。器を冷やす時間がない場合は、氷も一緒にミキサーにかけると時間短縮になります。
Menu.2 甘酢が染みてさっぱり美味
蓑衣黄瓜(スオイーホングワ) from 中国
輪切りキュウリのように見えて、実は一本が蛇腹状につながっているという飾り切りの技が光る中華甘酢漬けです。甘酢が染み込むと美味しいので、2〜3日前から漬け込んでおくのがオススメ。スライスの厚さを0.5mm以下に保つと、お皿に丸めた時にとても美しく飾れますよ。
How to cook
材料:キュウリ4本、塩少々、漬け込みタレ(醤油大さじ2、砂糖大さじ1、酢・ごま油各大さじ1/2、鷹の爪少々)、花山椒・ニンニク・長ネギ・油少々
- キュウリをまな板に横に置き、上下に割り箸を添え、斜め45度に包丁を入れていきます。割り箸を添えることで包丁がそこでとまり、底がつながった蛇腹状に切ることができます。裏返して同様に45度斜めに包丁を入れます(裏返しているので先に入れた包丁とは反対の角度で切り込みが入ります)。
- 両端を切り落とし、軽く塩を振ってしばらくおきます。キュウリが切れないように軽く絞って水気を切ります。
- 漬け込みダレを混ぜ合わせたビニール袋に2を入れ、数時間〜2、3日おきます。
- 食べる直前に花山椒、ニンニク、長ネギを油で熱し、冷めないうちにキュウリにかけて完成。
Menu.3 火照った身体を冷やすサマードリンク
キュウリレモネード from アメリカ・イギリスetc
爽やかな色合いが美しいサマードリンク。キュウリには身体を冷やす効果があり、日焼けや暑さで身体が火照っているときや、口をさっぱりさせたいときなどにオススメです。このレモネードにジンやいろいろなフルーツを加えると「ピムス」と呼ばれる英国の夏を代表するカクテルになります。
How to cook
材料:キュウリ1本、レモン3個、水300㏄、砂糖or蜂蜜1/2カップ、ミント3~4枚
- 鍋に水と砂糖を入れ、砂糖が溶けるまで煮て、冷ましておきます。
- レモンスライスを5〜6切れ残し、レモンは絞っておきます。
- キュウリのスライスを5〜6切れ残し、キュウリは皮をむいてミキサーにかけます(ピムスの場合はキュウリをミキサーにかけずスライスのみ)。
- レモンとキュウリのスライス、ミントの葉をジャグに入れ、1・2・3を全て混ぜ合わせ冷やして完成。氷やソーダなどで割って飲みます。
Menu.4 キュウリを美味しく簡単に保存
キュウリのピクルス
たっぷり収穫できた時には長期保存ができるピクルスを作ってみましょう。いつでも好きな時に食べられる美味しいピクルスが簡単にできます。
How to cook
材料:キュウリ 3~4本、塩 小さじ1、ピクルス液の材料:酢 200cc、水200cc、砂糖 大さじ3、塩 大さじ1、スパイス:ニンニク 1片、赤唐辛子 1本、コショウ 少々、ローリエ 1枚
①キュウリは洗って両端を落とします。
②5mmほどの厚さに切り、塩もみしてしばらく置きます。姫キュウリなどの小さなキュウリはそのまま使います。
③ニンニクは薄切りにし、赤唐辛子は軸を落としてタネを出しておきます。ホーロー鍋などの酸に強い鍋にピクルス液の材料を入れて沸騰させ、火を止めてスパイスと水気を絞ったキュウリを入れます。
④清潔な瓶に移して冷やします。このとき、タイムやローズマリー、ディルなど、お好みのハーブを加えても香りのよいピクルスが作れます。
Menu.5 サンドイッチやソースに便利
キュウリのピクルスを使ったタルタルソース
How to cook
材料:キュウリのピクルス(みじん切り)大さじ1、卵 1個、玉ねぎ1/8個、パセリ 1枝、マヨネーズ1/2カップ、塩コショウ 少々
- 卵は固ゆでにし、白身と黄身に分けて白身はみじん切りに、黄身は軽く崩しておきます。
- 玉ねぎ、パセリもみじん切りにします。玉ねぎの辛味が苦手なら、水にさらしてから使います。
- マヨネーズとピクルス、玉ねぎ、パセリのみじん切りを混ぜ合わせます。
- 白身と黄身を加え、塩コショウで味を調えます。お好みでケッパーの酢漬けを加えても。魚のムニエルや温野菜などに添えてどうぞ。
キュウリ栽培のコツ
【栽培はタネか苗からスタート】
キュウリはタネから育てることで、病虫害に強い苗をつくることができます。キュウリの発芽温度は25℃以上なので、地温が十分に上がってからタネを播きます。非常に勢いよく育つので、温度が上がるのを待っていても購入苗との収穫に差は出ません。
【育て方】
日当たりがよく、風通しのよい場所を選びましょう。風通しが悪いところでは、葉が粉を吹いたように白くなる「ウドン粉病」にかかりやすくなります。3〜4粒をまとめて直播し、勢いの強いものを残して育てます。キュウリはツルを絡ませながら伸びるので、伸びてきたら支柱を立ててとめつけてやります。キュウリ用のネットもあるので、それを利用してもよいですし、鉢植えの場合はオベリスクも便利です。キュウリは根を浅く張るので、特にプランター栽培の際は水切れに注意し、毎日水やりをします。
【花から収穫まで】
最初の花が咲いた頃から月1回程度、肥料をパラパラッと株元に施します。草丈が背を超えてしまうようであれば、管理が大変になるので先端をカットしてそれ以上大きくならないようにします。キュウリの成長はとても早く、花が終わって実がつき始めると1週間前後で採り頃を迎えるので、毎日観察してちょうどよい大きさで収穫しましょう。もぎたてのキュウリの味は格別です。
Photo/1)KashtykiNata /3)Fischer Food Design /4)Ren Yingcheng /5)KatyaPulina /6)MariaKovaleva /10)Ardarel/ 11)pingpongcat /12)Xan 13)Marykit/Shutterstock.com
Credit
文 / 3and garden
スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。
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