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今年も暑い日々がやってきます。夏は冷たい飲み物や冷房などで意外と冷えがち。そんなときにおすすめなのが、喉を潤し身体からも余計な熱を出して整えてくれる、生姜とスパイスを使ったジンジャーエール。今回は、新生姜とコリアンダーシードやクミン、カルダモンを使ったインド風なスパイスジンジャーエールを、神奈川県葉山で旬の野菜を育て、植物を身近に暮らしながらアンティークバイヤーとして活動中のルーシー恩田さんに教えていただきます。

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夏の庭仕事にジンジャーエールはいかが?

夏の畑

春はあっという間に後ろ姿を見せ、早くも初夏の心地よい風と、熱烈な日差しが猛スピードで背後から走ってきています。庭仕事に畑仕事に、忙しい季節の始まり始まり。私は腕と首の後ろだけ真っ黒に日焼けして、一足お先に夏のお嬢さん。

滝のような汗を流した後、渇き切った喉を潤すのは「やっぱりビールでしょ!」と、言いたいところですが、下戸な私は、もっぱら炭酸水や麦茶、時々ジンジャーエールで「プハーッ!!」と一服、ひとやすみ。

ジンジャーエール

「ジンジャー」って名前がつくから、気持ちはカロリーゼロ体感♡ なんならショウガの燃焼作用でカロリーマイナス! かもしれない、ヘルシードリンクだもの。

ジンジャーエールの「エール」って、なんだかビールみたいだし!

そうなのです。エール(Ale)とはビールの一種。上面発酵で醸造され、複雑な香りと深いコク、フルーティーな味を持つビールのスタイルの総称。

ジンジャーエールの歴史を辿れば、もともとは本当にビールだったのだとか。発祥の地はイギリス、時代はビクトリア朝。ショウガと糖分を発酵させて作られていた「ジンジャービール」が元となり、現在のジンジャーエールになったそう。

夏もやっぱりスパイスが欠かせない!

スパイス

私の生活の中に無くてはならない存在「スパイス&ハーブ」。お料理にはもちろん、アロマとして暮らしの中でも頼れる存在です。冬は身体を温めてくれる作用があり、夏には身体の内側の体温を発散させてくれる万能薬。スパイスを使った代表料理といえば、やっぱり「カレー」ですよね。特にインドカレーって大好き♡

食べれば、歌って踊れそうな気分になるほどエネルギーが湧いてくる気がして、気分はボリウッドスター。「冬といえばカレーでしょ!」と言いながら、季節が変われば「夏はやっぱりカレーだよね!」と魔法の呪文のように繰り返して、また今年も過ごしています。

私の元気の秘訣は、やはり「スパイス&ハーブ」なのである!

不老不死のスパイス「コリアンダー」

コリアンダーシード

今回の主役は、コリアンダーシード。こりゃなんだー⁉︎ みたいな響きのスパイス。じつはこれ、パクチーなの。パクチーの花が咲き、結実して種ができたら、ハイ! コリアンダーシード。ハーブ(フレッシュという意味)とスパイス(乾燥という意味)の両方で活躍する植物です。

パクチー

全国のアンチパクチーファンの方、ご安心あれ。カメムシのような独特の香りがするのは葉の部分。種の部分は全く別の香りです。甘く木のようなフレグランスで、オレンジピールのような温かみのある香りを持つ、コリアンダーシード。主張も弱めなので、さまざまな料理に使うことができます。

古来より薬草として使われてきたコリアンダーシード。消化を助ける作用や強壮作用にもすぐれているので、体力を消耗する夏にもおすすめしたいスパイスです。

パクチーの花
これがパクチーの花、緑の丸いのが種。これを乾燥させればコリアンダーシードに。種はフレッシュのまま、サラダやおにぎりに混ぜれば、プチッとした食感と爽やかな風味でごちそう感アップ。
パクチー
日本ではいろんな呼び方があるのもパクチーの特徴。

英語ではパクチーのことを「コリアンダー」と呼び、タイ語では「パクチー」、中国語では「シャンツァイ」と、世界各地で広く食用されています。

パクチー
メキシコでは「シラントロ」と呼ばれています。

このコリアンダーシード。日本料理では馴染みのないスパイスですが、一歩世界に出ればポピュラーな存在なのです。例えば、ヨーロッパやアメリカではピクルス作りに欠かせないし、インドではカレーを作る際には欠かすことのできない風味を持ち、最近はスーパーでも見かけるハリッサ(北アフリカ生まれの辛いペースト状の調味料)にもコリアンダーが含まれています。イギリスでは料理だけでなく、お菓子用のスパイスミックスにも入っていたり、ケーキやビスケットにも使われています。オールマイティ!

コリアンダーシード

コリアンダーシードの歴史は古く、サンスクリット聖句、アラビアンナイトの物語、そして聖書の中にも名前が登場するスパイスです。

中国では、コリアンダーシードを食べれば不老不死になるという伝説もあったとか。数千年前のエジプトでは、葬儀の際には、冥土への旅のお守りとして、亡骸とコリアンダーの枝を一緒に葬る習慣があったのだとか。うーん。なんともミステリアスなスパイス。

今回は、そんなコリアンダーとクミン、カルダモンを使って、インドムード満載のボンベイ(現在のムンバイ、インドの都市)風ジンジャーエールを作りましょう。今年の夏も元気モリモリ、夏バテ知らずだわよ!

ルーシー流!コリアンダー香る、新生姜の「ボンベイ」ジンジャーエール

「ボンベイ」ジンジャーエール

今回は、夏にピッタリなインド風ジンジャーエールを作ります。

カレーを連想させる香りのスパイスたちは、喉ごしもよく爽やかな風味。ソーダとスパイスの意外な組み合わせがクセになっちゃう! 新生姜もスーパーで見かける季節、爽やかな辛みがピリッと心地よい滋養強壮ドリンク。さぁて!ファイトーッ!いっぱーつっ!!

■ 材料  ※約5〜6杯分

ジンジャーエールの作り方
  • 新生姜 100g
  • a)カルダモン 5個
  • a)クミン 小さじ1/2
  • a)コリアンダー 小さじ2
  • シナモン 1本
  • 赤唐辛子 少々
  • レモン汁 60cc
  • 黒砂糖 120g
  • 水 120cc
  • 炭酸水 適量
  • 飾りのレモンやミント 適量

■ 作り方

① a)のスパイスをフライパンでから煎りして香りを立たせて、乳鉢やミルで擦る。擦ったスパイスと赤唐辛子、シナモンを出汁パックなどに入れる。

ジンジャーエールの作り方
フライパンでから煎りする際は、焦げないように弱火で。香りが立って、パチパチ音がすればOK。

② 新生姜は薄いスライスにして、黒砂糖と混ぜ合わせ、30分置く。

ジンジャーエールの作り方
ジンジャーエールの作り方
ジワジワと生姜の水分が出てきます。もう美味しそう。

③ 小鍋に②と水、①のスパイスパックを加えて、中火にかける。煮立ったら弱火で10分ほど煮る。

ジンジャーエールの作り方
煮ているとカレーの匂いがしてきます。

④ 火から下ろし、粗熱がとれたら、スパイスパックを取り出す。レモン汁を加え、ブレンダーなどで撹拌してジンジャーエールシロップの完成! 炭酸水で割って召し上がれ!

ジンジャーエールの作り方
ジンジャーエールの作り方

飾りにレモンスライスや、ライムスライス、そして庭ではびこるミントを豪快に飾れば、見た目も爽やか! 今回はジンジャーエール発祥の地イギリスの、ビクトリア朝時代のビールグラスで乾杯!

モスコミュール風

カクテルにもどうぞ。ウォッカと割ればモスコミュール改め、スパイスの風味がなんともおしゃれな「ボンベイミュール」になっちゃう優れもの。

お口の奥にふわーっと広がるスパイスのリズムが、フィール ソー グッド! 夏のバーベキューや、ガーデンピクニックにも♡ 

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