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宿根草とグラスの美しいハーモニーで話題のガーデン「服部牧場」を訪ねる

宿根草とグラスの美しいハーモニーで話題のガーデン「服部牧場」を訪ねる

これまで長年、素敵な庭があると聞けばカメラを抱えて、北へ南へ出向いてきたカメラマンの今井秀治さん。カメラを向ける対象は、公共の庭から個人の庭、珍しい植物まで、全国各地でさまざまな感動の一瞬を捉えてきました。そんな今井カメラマンがお届けするガーデン訪問記。第40回は、多数の宿根草が生き生きと育ち、歩くたびに現れる美しい景色に癒やされると話題のガーデン、神奈川・愛甲郡にある「服部牧場」をご案内。2度目のご紹介です。

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初夏の服部牧場を訪ねて

服部牧場
左から時計回りに、クナウティア、ルドベキア・ゴールドスターム(黄花)、アスチルベ、ヘメロカリス・クリムゾンパイレーツ(中央赤花)、銅葉のニューサイラン、クナウティア・マケドニカ(赤い小花)、スティパ・テヌイッシマ、ヤブカンゾウ(ニューサイラン手前のオレンジの花)、バーベナ・ボナリエンシス(淡紫の背の高い植物)。

ガーデンストーリーで服部牧場をご紹介した最初の記事は、2020年1月に公開しました(前回記事はこちら)。ついこの間くらいに思っていたら、もう3年半の月日が経っていました。前回は、晩秋から初冬のグラスや宿根草の枯れ姿が中心でしたが、今回は今年2023年6月後半に訪ねた、さまざまな花が生き生きと咲き乱れる彩り美しい服部牧場のご紹介です。

服部牧場
左から、ヘメロカリス・ベラルゴシ(赤花)、アキレア(白)、ベルケア・パープレア(淡いピンクの花)、ダリア・サックルピコ(ヘメロカリス上のオレンジ)が左ボーダーの彩りに。小道奥で黄色く輝く葉は、ニセアカシアフリーシア、その左で丈高く茂るのはバーノニア。右手前では、バーベナ・ボナリエンシスが咲き、奥の銅葉のニューサイランの手前で、赤花のポンポン咲きダリア・サックルバーミリオンがアクセントに。

グラスがいい仕事をするガーデン

服部牧場
左下から時計回りに、スティパ・テヌイッシマ、フクシア・マジェラニカ(赤花で吊り下がった形状)、銅葉のニューサイラン、アメリカテマリシモツケ‘サマーワイン’(銅葉の木)、ホルディウム・ジュバタム(中央の生成り色のグラス)、ルドベキア・マキシマ(右上背の高い黄花)、フロックス‘レッドライディングフット’(赤ピンク花)、ヘメロカリス(桃色花)。

思い起こせば、3年前の僕は“グラスを多用したガーデン”こそが新しいガーデンの形だと信じ、夕陽に輝くグラスやシードヘッドの写真ばかり追い求めていました。グラスが多数植栽されているこのガーデンにも、何回も足を運んだものです。

服部牧場
左下から時計回りに、バーベナ・ボナリエンシス、バーベナ‘バンプトン’(ボナリエンシスの株元のこんもり姿)、ダリア‘サックルブリリアントオレンジ’(ポンポンダリア)、ダリア‘サックルコーラル’(隣のポンポンダリアの赤)、スティパ・テヌイッシマ、アガスターシェ・ルゴサ・アルビフローラ(スティパの上に写る縦長の花穂)、フロックス‘ブライトアイズ’(ピンク)、ミソハギ(ピンクのフロックスの後ろに写る縦の紫色の花穂)、クロコスミア‘ルシファー’(ミソハギの後ろ)、カライトソウ(中央ピンクの垂れ下がる花穂)、アメリカテマリシモツケ‘ディアボロ’(右上端の銅葉の木)、フロックス‘ブルーパラダイス’(右側中段の横に広がる紫の花)。手前で2本の花穂が上がるアカンサス・スピノサス‘レディムーア’がこのコーナーを印象付けている。

秋から冬にかけてこのガーデンを訪れた際は、グラスの美しいシーンをカメラに収めることで満足していましたが、やがて季節が変わり、春から夏になると、グラス類に代わって宿根草たちがガーデンの主役になっていました。

服部牧場
左/上から、アリウム‘サマードラマー’、ダリア‘ミズノアール’、ユーパトリウム・アトロプルプレウム(右上)、ベロニカストラム‘ダイアナ’(白のとんがった花)、グラジオラス‘バックスター’、アスチルベ・プルプランツェ(右端のピンク花)、メリカ・キリアタ(手前下のグラス)。右/ベロニカストラム‘ダイアナ’、ユーパトリウム・アトロプルプレウム(左上)、奥の彩りは、ヘリオプシス‘サマーナイツ’(黄色)とダリア‘熱唱’(赤花)。

宿根草が生き生きと育つそのそばには、グラス類が存在しています。代わる代わる咲く宿根草の花々は、それを引き立てる名脇役のグラスが組み合わされているからこそ美しいのだと、改めてこの庭に気付かせてもらったように思います。

カメラマンを唸らせる美しいガーデン

服部牧場
左下から時計回りに、アガスターシェ・ルゴサ・アルビフローラ(縦の花穂)、バーベナ・ハスタータ‘ピンクスパイヤー’、フロックス‘ブライトアイズ’(ピンク)、ダリア‘サックル・ルビー’(赤いポンポンダリア)、ミソハギ(サイロの屋根の下に写る縦の紫の花)、クロコスミア‘ルシファー’、カライトソウ(中央ピンクの垂れ下がる花穂)、ヘリオプシス‘サマーナイツ’(カライトソウの後方右に写る黄花)、アリウム‘サマードラマー’、ダリア‘ティトキポイント’(いろんなダリアが重なって写っているが、一重のピンクで中央がオレンジっぽいダリア)、オレガノ‘ヘレンハウゼン’(カライトソウの手前右)、バーベナ‘バンプトン’(カライトソウ左下のふんわり姿)、カラミンサ(オレガノの手前)、ミューレンベルギア・カピラリス(手前右角に写るグラス)。

この多くの宿根草やグラス類をナチュラルに組み合わせて美しいシーンを作り、いくつも僕に見せてくれるのは、“寝ても覚めてもガーデンと植物のことが気になってしまう”服部牧場のガーデナー、平栗智子さん。僕のガーデンフォトの最良のパートナーだと、いつも感謝しています。

宿根草
上左/ヘメロカリス‘ブラックアローヘッド’ 上中/下からダリア‘冬の星座’、ユーパトリウム‘アイボリータワー’、アリウム‘サマードラマー’、バーノニア 上右/エキナセア‘ミルクシェイク’ 下左/モナルダ・プンクタータ 下中/ベルケア・パープレア 下右/カライトソウとフロックス‘クレオパトラ’。

ここでご覧いただいている写真は6月の服部牧場で、伸び伸びと育った大型の植物をふんだんに使う“平栗智子流のガーデンデザイン”による、生命感溢れるシーンばかり。夕方の沈みかけた綺麗な光で、思う存分撮影してきた大満足の写真満載です。

服部牧場
左下から奥の順に、エキナセア‘ピンクパッション’、トリトマ‘アイスクイーン’、スタキス、アスター‘アンレイズ’(緑色のこんもり姿)、パニカム‘ブルーダークネス’(アンレイズ左のグラス)、チダケサシ(アンレイズの後ろの淡いピンクの花穂)。右側、斑入りのフロックス‘ノーラレイ’とエキナセア、株元の丸葉は、ヒマラヤユキノシタ。

そして、各写真に添えられた解説は、平栗さんがこの写真を見ながら丁寧に品種名を書き出してくれたものです。この景色を作る鍵となる宿根草の具体的な品種名の数々は、ガーデンラバーズさんにとって最良のテキストになると思います。この記事で服部牧場の魅力の秘密が伝わることを期待しています。

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