花の庭巡りならここ! 澄んだ青空に広い花畑が映える、宮城「やくらいガーデン」

四季がはっきり変化する日本には、豊かな自然と幅広い植物群、そして花を美しく咲かせる技術力があり、海外からも注目されているガーデンがたくさんあります。全国各地で育まれ、訪れる人々を感動させる花咲く数々のスポット。人生で一度は訪れてほしい観光ガーデンへご案内します。
宮城県にある「やくらいガーデン」は、1997年にオープンした観光ガーデン。稜線の美しい薬莱山(やくらいさん)を借景に15万㎡という広大な敷地を生かして迫力ある花畑をつくり出し、面で魅せる演出が特徴的です。年間を通して約2,000種類の植物が数万株植えられ、季節によって景色がガラリと変わるのでリピーターも多く、年間約6万人が訪れる、人気のガーデンです。
春は菜の花やビオラが爛漫と咲いて絨毯を広げたような景色に

結婚式を挙げることができる、チャペル前の広場。地元でも親しまれている薬莱山を正面に望む、開けた視界の中に花畑をつくっています。春はビオラで円形花壇を構成。白、黄、紫、青などの花色で、華やかなボーダーをつくり出し、新郎新婦の門出を盛り上げます。

4月下旬〜5月中旬は、黄色い絨毯が敷かれたように、菜の花畑が広がります。春はスイセン、ビオラ、菜の花から始まり、バラ、ハーブへとバトンタッチ。秋はサルビア、ケイトウ、マリーゴールドなどへ引き継がれ、壮大な花畑のシーンを楽しめます。エリアごとに植栽を変えてそれぞれに見どころを設けており、大人の足でゆっくり歩いても1時間ほどで回れます。
初夏になるとバラのエリアが見どころに

6月中旬〜7月上旬には、バラコーナーが見頃を迎えます。アーチを連ねてトンネル状にし、つるバラをダイナミックに仕立てており、その下をくぐれば馥郁とした香りに満たされ、幸せな気分に。イングリッシュローズやオールドローズなど、約300株のバラが見られます。

バラが見頃の6月には毎週末にローズフェアを開催し、ガーデンツアーをしています。つるバラや木立性、修景バラなどさまざまな品種のバラが集まっているので、詳しい解説を聞きながら回れば、庭に迎えたい品種が見つかるかもしれません。見ごたえのある仕立て方のガイドから、自庭への応用のヒントも得られそうです。
秋は赤いサルビアが一面を覆い、青空とのコントラスが美しい

「やくらいガーデン」では、9、10月の秋が一番見ごたえのある季節。「ふるるの丘」では、赤のサルビアがカーペットのように一面を覆っています。15万株もが植栽されている花畑は、毎年植栽エリアやデザインを変えているので、この季節を楽しみに訪れるリピーターも多いといいます。

ケイトウや青のサルビアなどでライン状に畝をつくり出したエリアは、人気のフォトスポット。空が開けて視界が広がる景色に「日本じゃないみたい」「北海道のように壮大な景色」との感想が聞かれます。
また、秋はハロウィンにちなんで、カボチャやキノコのオブジェのディスプレイエリアも加わります。
おみやげ用のショップやレストランも充実!

おみやげコーナーでは、ハーブティーや雑貨などが揃います。季節によって品揃えが変わるので、ぜひパトロールしておきたいもの。バラのハンドクリームやせっけん、タオルなどラブリーなグッズがずらりと並んで、目移りしそうです。

こちらは特に人気が高いという、バラのルームフレグランスシリーズ。種類によって香りのニュアンスが異なるので、トライしてお気に入りを見つけてみましょう。

「やくらいガーデン」では、レストラン「フォーリア」を併設しており、メニューが充実しているのも嬉しいところ。4月後半〜10月のハイシーズンはバイキングのみで、約40種類のメニューが70分間食べ放題。大人1,600円、小学生800円、3歳以上300円。営業時間は11:00〜16:00、ラストオーダーは平日14:30、土日祝日は15:30。ハイシーズン以外では単品で注文でき、ピザ、パスタ、チーズフォンデュ、ステーキなどに人気があります。デザートも各種揃うので、歩き疲れてひと休みしたい時には、ぜひ立ち寄ってみましょう。
Information
「やくらいガーデン」
所在地:宮城県加美郡加美町字味ヶ袋やくらい原1-9
TEL:0229-67-7272
アクセス:仙台駅から車で約70分、古川駅から車で約40分
オープン期間:4月中旬~11月下旬
Open
10:00~17:00
入園料:大人700円、小・中学生200円
Credit

取材&文/長田節子
ガーデニング、インテリア、ハウジングを中心に、ライフスタイル分野を得意とするライター、エディター。1994年より約10年の編集プロダクション勤務を経て、独立しフリーランスで活動。特にガーデニング分野が好きで、自身でも小さなベランダでバラ6姉妹と季節の草花を育てています。草花や木の名前を覚えると、道端で咲いている姿を見て、お友達にばったり会って親しく挨拶するような気分になれるのが、醍醐味ですね。
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