素敵な発見がたくさん! 園芸ショップ探訪37 滋賀「グリーンロフトザパーク」

ひと口に園芸店といっても、今やさまざまなスタイルのショップがあります。それぞれの個性が色濃く反映されたこだわりの空間は、ガーデニングのセンスを磨ける最高の場所。今回は、ディスプレイが見応えたっぷりの「グリーンロフトザパーク」を訪ねました。
目次
河川跡を有効活用した
瑞々しいショップが誕生
旧草津川の廃川に伴い生まれた空間、草津駅まで続く全7kmの有効活用として、5年ほど前にオープンした「ai彩ひろば」。スポーツ・農業などアウトドア活動の拠点として整備され、バーベキュー&DAYキャンプ、サイクリングロード、ジョギングが楽しめるスポットです。その1区画に、緑のある暮らしを提案する園芸店「グリーンロフトザパーク」がオープン。広々として子どもから大人まで楽しめるショップです。

‘すべての人が楽しめる、身近な自然との接点になる場所’をコンセプトに、心癒やされる自然空間を提供している「グリーンロフトザパーク」。300㎡もの売り場には、インドアグリーンや花苗、コンテナ、雑貨など、ガーデニングライフを応援するアイテムがずらりと並び、最近人気のパルダリウム関連商品も充実しています。


店内は、木製とステンレスの什器を巧みに取り合わせ、有機質と無機質の絶妙なバランスを見せています。欧米のインテリアショップのようなトーンを落とした照明が、心地よい空間を演出しています。

観葉植物は沖縄や鹿児島まで買い付けに出向いているそうですが、「特別に変わった種類や樹形などにはこだわっていません。それよりも樹木本来の姿を生かした扱いやすいものを仕入れて、素敵に見せることに力を入れています」と、マネージャーの佐藤真昭さん。

ホームセンターのバイヤーとして約20年、ガーデニングの流行の移り変わりを眺めてきた佐藤さん。このあたりは、住宅開発で移住してきた感度の高い若者が集まるエリアで、昔ながらの見慣れたアイテムでも見せ方に工夫をすれば、新鮮なものとして受け入れてくれるそう。「若い人は違うスタイルやジャンルのものでも先入観なく、いろいろなことに結びつけたり、はめ込んでいったりすることができるんですよね。単に珍しいものを追い求めるのではなく、一般的なものでも魅力的な見せ方をすることで、植物を好きになるきっかけづくりに繋げることが大切。今までの園芸の枠を脱して、園芸を楽しむ人の裾野を広げたいですね」。


テーマパークのような
ディスプレイを拝見
来る人を飽きさせない努力を惜しまない、グリーンロフトザパークのスタッフたち。「こまめに模様替えをしていますよ。大がかりなチェンジもしょっちゅうです。室内のディスプレイやパワープレイ、どんな仕事もスタッフそれぞれが協力しあってお店をきれいにしています」と、アシスタントマネージャーの東晧平さん。モデルルームやショップの装飾も依頼されることが多いそう。




洋書とドライフラワー、ガラス商品を組み合わせたディスプレイには、エレガントさも漂います。「欧米の知的な雰囲気を香らせたり、古きアメリカを感じさせたり…異なる雰囲気を共存させています」と佐藤さん。チープにならないように、意識を注いでいるのが伝わってきます。

アウトドアのガーデニングコーナーも
魅力的なしつらいに
外の売り場も清潔感あふれ、落ち着いたブルーの建物を背景におしゃれな雰囲気。植物は季節の草花に加え、カラーリーフも充実。あらゆるシーンに対応できるラインナップです。



大きめなコンテナは屋外の軒下コーナーで販売。インテリアになじみやすいグレーやアイボリーのマットなデザインのものが多く並んでいます。それと向かい合わせになるように、樹木類も陳列。オリーブやユーカリなど、リーフが美しい人気樹種は、品種も豊富に揃っています。

もし希望の樹木がなければ、お取り寄せも可能。また、配達や庭への植え付けも可能な範囲でやってもらえます。「植え付けをする場合は用土代を頂くだけで、いわゆる手間代は不要です。その浮いた分で、ほかのアイテムを試していただきたいですからね」と東さん。
ところ狭しと並ぶ
暮らしまわりの雑貨コーナー
ガーデンパーティーやキャンプでも活躍してくれそうな食器やキッチンツール、ファブリックも充実。丈夫でカジュアルな価格なので、庭でも惜しみなく使えるものばかりです。


テーマパークのデコレーションのような楽しさあふれるコーディネートも必見。眺めているだけで、ワクワクする空間です。
佐藤真昭さんイチオシの
日本製の小さな鉢
輸入鉢が多い中、最近佐藤さんが注目しているのが、メイドインジャパンのもの。「日本の伝統工芸品にはどこか雅な雰囲気が残っていて、観葉植物に合わせにくいところがあるのですが、地元の信楽や岐阜県の美濃焼など、とくに若い作家さんの作る鉢で合わせやすいものを見つけたんです。これからほかの産地のものを含めて、どんどんアイテムを増やしていきたいですね」。

右/ひび割れがユニークな国内鉢メーカーのオリジナルの手焼きと、ざっくりとした塗りの信楽焼。
植物をいかに美しく暮らしに取り入れるかを追求し続ける「グリーンロフトザパーク」。お客様を飽きさせない、最旬の提案でいっぱいです。『café KaimanaLio(カフェ・カイマナリオ)』も併設しているので、地場野菜を使ったフードやドリンクを頂きながらショッピングできます。ぜひ訪れてみてください。アクセスは、JR琵琶湖線「草津」・バス「陽の丘団地口」下車より徒歩約8分。名神高速道路「栗東」ICから車で約15分。

【GARDEN DATA】
グリーンロフトザパーク
滋賀県草津市北山田町3268番地1
TEL :077-584-5310
営業時間:10:00~18:00 カフェは※L.O テイクアウト~16:00・ イートイン~15:30
定休日:火曜日 カフェは火曜日、金曜日
Credit
写真&文 / 井上園子 - ライター/エディター -
いのうえ・そのこ/ガーデニングを専門としたライター、エディター。一級造園施工管理技士。恵泉女学園短期大学園芸生活学科卒。造園会社、園芸店を経て園芸雑誌・書籍の編集者に。ガーデニング以外の他分野のPR等にも携わる。自身もガーデニングを楽しみながら、美術鑑賞や旅行を趣味にする。植物を知っていると、美術も旅も楽しみの幅が広がりますね。
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