四季がはっきり変化する日本には、豊かな自然と幅広い植物群、そして花を美しく咲かせる技術力があり、海外からも注目されるガーデンもたくさんあります。全国各地で育まれ、訪れる人々を感動させる花咲く数々のスポット。人生で一度は訪れて欲しい観光ガーデンへご案内します。

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大阪・泉南市にある「デビッド・オースチン イングリッシュローズガーデン」は、バラのナーセリー、デビッド・オースチン・ロージズ社が作出したバラ、「イングリッシュローズ」の品種群で構成され、世界最大級のイングリッシュローズ・コレクションを誇る庭園です。約7,500㎡の敷地に約120種、およそ3,000本のイングリッシュローズが植栽され、バラの季節には芳しい香りとともに、素晴らしい景色が広がります。開花の見頃は5月中旬〜下旬ですから、今からカレンダーにマークをつけて、お出かけの予定に入れておくことをオススメします!

大人気のバラ、イングリッシュローズとは?

「デビッド・オースチン イングリッシュローズガーデン」の母体は、イギリスのナーセリー「デビッド・オースチン・ロージズ」です。このナーセリーを起こしたデビッド・C.H・オースチンさんは、世界から高く評価されているバラの育種家。彼が「イングリッシュローズ」と名づけて作出したバラの品種群は、日本でも1990年代に大ブームとなり、一気に広まりました。イングリッシュローズの魅力は、多数の花弁からなるカップやロゼット型の麗しい花姿と芳醇な香り、そして四季咲きで年に何度も開花する上、病気にも強いことにあります。その人気は今も衰えることなく、毎年数種の新品種が発表されるたびに注目を集めている人気のナーセリーです。

そのイングリッシュローズの品種群を集めたガーデンが、「デビッド・オースチン イングリッシュローズガーデン」。花の大きさ、香り、枝の伸び方、花姿など、品種それぞれの特性を観察できる、見本園としての役割も持っています。

上写真左/左から孫のリチャード・オースチンさん、デビッド・C.H.オースチンさん、息子のデビッド・J.C.オースチンさん。現在3世代でナーセリーを運営しています。

右/オールドローズの美しさと香り、モダンローズの豊富な花色と四季咲き性を併せ持つイングリッシュローズ。ピンクの発色が美しい手前のバラは、‘プリンセス・アレキサンドラ・オブ・ケント’。

イングリッシュローズの魅力を存分に発揮させたガーデン

手前のピンクは‘プリンセス・アン’、奥の赤は‘ムンステッド・ウッド’、オベリスクに這わせたパステルピンクは‘ストロベリー・ヒル’。

「デビッド・オースチン イングリッシュローズガーデン」をデザインしたマイケル・マリオットさん。

「デビッド・オースチン イングリッシュローズガーデン」の全景。

「デビッド・オースチン イングリッシュローズガーデン」のデザインは、マイケル・マリオットさんが手がけました。大きく9つのエリアに区切り、それぞれにテーマを持たせ、整形式を取り入れたフォーマルなガーデン、水路とバラを組み合わせたエリア、宿根草と組み合わせたカジュアルなガーデン、広い芝生を植えた周りにバラを植栽したガーデンなどで構成。歩を進めるごとに、フォーマルからカジュアルまで、どんなシーンにも違和感なく映えるイングリッシュローズの多様性に驚かされることでしょう。大人がゆっくり歩いて30分ほどで回ることができますが、1時間以上たっぷり時間をとって、バラに囲まれる幸せを堪能する愛好家の姿がよく見られるそうです。

写真は、斜面につくられた水路の両脇に、イングリッシュローズが植栽されたエリア。

‘モーティマー・サックラー’を這わせたアーチ。庭園内には、現在40以上のアーチがあります。

「デビッド・オースチン イングリッシュローズガーデン」では、イングリッシュローズと相性のいい宿根草や配色のバランスなど、参考にしたい植栽テクニックが満載。また、アーチやオベリスクへの仕立て方も注目すべきポイントです。つるをどの程度伸ばせるのか、シュートはどのくらい出てくるのか、花茎が出る位置はどこか、上を向いて咲くのか、うつむき気味に咲くのか、それぞれの品種の特性を確認できます。「花が咲いていない冬に訪れると、剪定や誘引の仕方が参考になる」と冬に訪れる愛好家も多いとか。イングリッシュローズの見本園としての役割を持っているため、配布されるガーデンマップが充実しており、気になった品種の名前がすぐに分かるように整理されているのも嬉しいところです。

上写真は、アーチやオベリスクを効果的に使った、フォーマルなガーデンの一角。

ガーデンを巡ったあとは、ショッピングを楽しもう!

「デビッド・オースチン・ロージズ」直営のガーデンだからこそ、苗のお買い物も楽しめます。つるバラ仕立てや大鉢植えも揃い、配送も可能です。「デビッド・オースチン イングリッシュローズガーデン」で見かけて一目惚れした品種を、すぐに手に入れられます。常時70〜80品種を販売しており、「あの子も、この子も連れて帰りたい!!」とテンションが上がること間違いなし! イベント期間中には、バラに詳しい専門家がレクチャーやデモンストレーションなどを行っています。

「デビッド・オースチン イングリッシュローズガーデン」では、土産物用のショップも充実。ガーデニング用品のほか、ギフトに最適な雑貨、デビッド・オースチンオリジナルのバッグ、ノート、食器などを取り扱っています。シーズンごとに品揃えが変わるので目新しさがあるうえ、今後はオリジナル商品のラインナップを増やしていく予定だそうです。

Information

「デビッド・オースチン イングリッシュローズガーデン」

所在地:大阪府泉南市幡代2001番地 花咲きファーム イングリッシュローズガーデン

TEL:072-480-0031(デビッド・オースチン・ロージズ株式会社)

TEL:072-483-0878(プランツセンター:ガーデン併設ショップ)

https://www.davidaustinroses.co.jp/

アクセス: 阪和自動車道の泉南IC (19番)より約1.2km
JR阪和線の和泉砂川駅よりタクシーで10分、南海本線樽井駅よりタクシーで15分

Open:10:00〜16:00(1~3月)、9:00〜:00 (4~6月)

平日9:00~17:00、土・日曜10:00~16:00(7~10月)、9:00~17:00 (11月)、10:00~16:00 (12月) 季節によって変動あり

入園料:無料

Credit


取材&文/長田節子
ガーデニング、インテリア、ハウジングを中心に、ライフスタイル分野を得意とするライター、エディター。1994年より約10年の編集プロダクション勤務を経て、独立しフリーランスで活動。特にガーデニング分野が好きで、自身でも小さなベランダでバラ6姉妹と季節の草花を育てています。草花や木の名前を覚えると、道端で咲いている姿を見て、お友達にばったり会って親しく挨拶するような気分になれるのが醍醐味ですね。
https://twitter.com/passion_oranges/

写真/デビッド・オースチン・ロージズ株式会社

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