素敵な発見がたくさん! 園芸ショップ探訪19 愛知「garage NAGOYA」
一口に園芸店といっても、今やさまざまなスタイルのショップがあります。それぞれの個性が色濃く反映されたこだわりの空間は、私たちの想像力を刺激し、ガーデニングのセンスを磨ける最高の場所。今回は名古屋駅から徒歩圏内にある園芸店「garage NAGOYA」を訪ねました。
目次
名古屋駅・南エリアの複合施設『グローバルゲート』内にあるガーデンショップ
リニア中央新幹線開通に向けて開発が進む、名古屋駅・南エリアのささしまライブ地区。その中心部に2017年秋開業した複合施設『グローバルゲート』内に、「garage NAGOYA」が同時オープンしました。
人気店の第2号店として
新たな展開でオープン
ガーデニングとインテリアを融合させた暮らしを提案し、感度の高い人たちの人気を博している愛知県・豊橋にある園芸店「garage」。「garage NAGOYA」は豊橋で得たノウハウを生かしつつ、さらに都会の人々のライフスタイルに進化させたショップです。
売り場は上下2フロアを使い、2つの異なるテーマで構成。「アーバンなhome」をテーマとした下の階では、植物のある暮らし周りに合わせたい雑貨や家具が揃い、「ラフなyard」がテーマの上階では、植物を求める人のためのインドアグリーンやガーデンツールなどが並んでいます。
つややかな空間で
植物の魅力をたっぷり感じて
植物好きな方は、まずはエスカレーターで「ラフなyard」のフロアに上がって。ここには、マンション暮らしにおすすめのコンパクトなものから、オフィスなどにも向く大型のものまで、多様な空間に対応する多彩な植物や鉢が揃い、さまざまな人々が癒やしを求めて訪れています。
ジャングルのように緑にあふれた店内は、「計算され尽くした、ラフ」な、さりげないディスプレイが施されています。これは、ガーデニングショウで人気のオーナーである二村昌彦さんと、彼のセンスに憧れて集まったインテリア&グリーンが好きなスタッフによるもの。そこかしこに「心地よいラフさ」を演出するための技が盛り込まれています。
実家が種苗会社だったことで、幼い頃から植物に親しんできたという二村さん。大学卒業後はホームセンターに勤め、店長やバイヤーとしてさまざまなことを学びました。けれど、そこでは「植物は育てるもの」という感覚がなく、モノとして扱われていることに違和感が募り、9年後に退社。以前からインリアなどにも興味があったことから、見聞を広めるために渡欧し、しばらくはオランダを拠点として精力的にあらゆるものを吸収していきました。
ホームセンターに勤務中から考えていた「植物を育てること」と「植物のある空間づくり」の併存を、すでに実践していたオランダの人々の生活。普段から花を飾り、古い家具や農具を大切に使いながら、シーンづくりにも生かしている……そんな、おしゃれでありながらつつましい暮らしがとても新鮮に感じられ、そんな刺激を受けているうちに、自身のやりたかったことが明確になり、帰国して提案型の店をオープンさせたのです。
センスアップの参考にしたい
ディスプレイの連続
モダンでクールなアイテムと古びたアイテムを絶妙なバランスで組み合わせるコーディネートは、子どもの頃からインテリアに興味があったという二村さんならではのもの。店内には眺めているだけで楽しい丁寧なシーンづくりが、随所に施されています。
ジャングルのような緑滴る空間には、緑を引き立てながら味わいを添えている、渋いアイテムがたくさん。さりげないあしらいが参考になります。
おすすめのガーデンツールが並ぶコーナー。二村さんやスタッフの「良い!」というお墨付きのものばかり。
外から来たお客様がワクワクするように、ガラスにも遊び心を加えておしゃれに演出。どんな小さな場所も手を抜かず、見せ場をたくさん作っています。
植物と合わせたい暮らしまわりの
アイテムが充実するフロア
下の階はナチュラルな雰囲気とインテリアの「home」がテーマ。上の階とはがらりと趣が変わり、ぬくもりあふれる空間です。ここでのメインは「植物」ではなく、「植物と合わせたい暮らしのアイテム」。植物を日常の暮らしに取り入れたい園芸初心者のためのきっかけづくりの場としての役割も担っています。
季節の切り花も扱っており、この日はたくさんのユーカリが入荷。すっとした香りがあたりに漂っていました。ドライフフラーとしても楽しめる花がメインで、「気軽に一輪からでも買うことができ、切り花で楽しんだ後はドライにして、より長く飾って楽しむことができます。さまざまな形で植物と親しんでもらいたいですね」と生花スタッフの渡邉亜希子さん。花束、リース、スワッグなどの注文も受けています。
「garage」と古くから縁のある遠州織物‘HUIS’の衣類も販売。デザインはもちろん、軽くて動きやすいのが特徴で、スタッフたちも愛用しているとか。
豊橋店から始まり、さらに広げたものが「ギャラリー」です。「garage」と感性の合う作家さんを招いて、植物とアートの空間を発信しています。
屋外スペースでは
苗ものも販売
庭づくり・店舗ディスプレイなどのデザイン・施工も受けている「garage」。ショップおすすめの個性的な植物を、外のデッキエリアで販売しています。ここ数年人気のオージープランツや、それに合わせやすい低木や草花がメイン。屋上庭園のような心地よい空間を作りながら、植物を販売しています。
「クラフトラボ」で受けられるDIYレッスン
「garage」ではDIYの技と楽しみ方を伝えようと、月に3回、木製のアイテムを作るワークショップを開催しています。「カフェのような心地よい空間・クラフトラボで、楽しいレッスンを受けられる」と評判を呼び、大人気。参加は予約制なので、スケジュールをホームページでチェックして。
garageのイチオシアイテム
コンパクトで機能性・実用性に優れたワンランク上のホースリール。スタイリッシュなフォルムとカラーも魅力で、出しっぱなしでも絵になるアイテムです。
【コンパクトガーデンリール(garage特別カラーBlack)】
・ホース10m(写真左):¥9,000+tax
・ホース30m(写真右):¥15,000+tax
植物と暮らしの関わり方を模索し、抜群のセンスと丁寧さが支持されている「garage」。庭づくりや店舗づくり、ウェディングディスプレイなども手掛け、さまざまな人との関わりで得られる新たな感覚を取り込みながら、店舗を進化させています。暮らし丸ごとセンスアップさせたい人が集まるショップ、「garage NAGOYA」。ぜひ訪れてみてください。アクセスは、名古屋駅から徒歩で約15分。名古屋臨海高速鉄道・あおなみ線「ささしまライブ駅」下車・徒歩約3分。
【GARDEN DATA】
garage NAGOYA
名古屋市中村区平池4-60-12 グローバルゲート3F/4F
TEL:052-485-7241
11:00~20:00
第三木曜日(3,4,5月は定休日なし)
http://www.garage-garden.com/docs/nagoya.html
*愛知県以外の初の店舗「garage YOKOHAMA」は、緊急事態宣言を受け、現在オープン時期を見送っております。正式なオープン日は、ホームページでご確認ください。
garage YOKOHAMA
神奈川県横浜市金沢区白帆5-2
三井アウトレットパーク横浜ベイサイドCブロック2F
TEL:045-370-8793
10:00~20:00
年中無休
Credit
写真&文/井上園子
ガーデニングを専門としたライター、エディター。一級造園施工管理技士。恵泉女学園短期大学園芸生活学科卒。造園会社、園芸店を経て園芸雑誌・書籍の編集者に。おもな担当書に『リーフハンドブック(監修:荻原範雄)』『刺激的ガーデンプランツブック(著:太田敦雄)』『GARDEN SOILの庭づくり&植物図鑑(著:田口勇・片岡邦子)』など。自身もガーデニングを楽しみながら、美術鑑賞や旅行を趣味にする。植物を知っていると、美術も旅も楽しみの幅が広がりますね。
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