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花の庭巡りならここ! 200品種以上のシャクナゲが咲き誇る「赤塚シャクナゲガーデン」

花の庭巡りならここ! 200品種以上のシャクナゲが咲き誇る「赤塚シャクナゲガーデン」

三重県の「赤塚シャクナゲガーデン」は、アメリカで魅せられたシャクナゲを日本でも普及させようという、熱い思いからスタート。日本の気候に合うように品種改良したシャクナゲを植栽し、試験栽培しながら20年かけてつくり上げた見本庭園です。そこには「シャクナゲは日本でこれほどの進化を遂げてきたのか」という、驚きと感動があります。

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品種改良の歩みが見て取れる
シャクナゲの見本庭園

「赤塚シャクナゲガーデン」は、1972年に赤塚植物園社長(現会長)の赤塚充良氏がアメリカの公園や庭園に咲く見事なシャクナゲに衝撃を受けたことから始まります。子どもの頭ほどのシャクナゲの花が色とりどりに咲いている姿は、まさに「花木の女王」と呼ばれるにふさわしいものでした。

この花を日本中に普及させて、多くの方に楽しんでもらいたいと考え、約40万本の苗を輸入。しかしアメリカからの輸入苗は、夏の暑さが厳しい日本の気候に合わず、苦労の連続だったといいます。日本の気候に合うシャクナゲは、日本でつくるしかないと、1981年から自社でオリジナル交配を開始。耐暑性に優れ、育てやすく、数多くの優良個体の作出に成功しました。

赤塚シャクナゲガーデン
シャクナゲが咲き誇る園内。手前から‘ワダズイエロー’、‘紅衣’、‘さきがけ’、‘ハイドンハンター’、‘筑紫シャクナゲ’、‘太陽’。

多くの方にシャクナゲの魅力を伝えるには、シャクナゲは弱くてすぐ枯れるというイメージを完全に覆す必要があります。そこで高山性のシャクナゲの栽培には適さない低地、しかも多くの車が通る県道沿いの自社農場に、あえてシャクナゲを植え付けることに。育種した品種の栽培試験を行いながら、将来の見本庭園を想い描き、20年の歳月をかけて育んできたそうです。

そしてついに、2013年に「赤塚シャクナゲガーデン」として一般公開を開始しました。海外から導入してきた品種や、オリジナル品種などを含め、200品種以上、約3,000本ものシャクナゲが咲き誇る姿は日本有数の規模です。

赤塚シャクナゲガーデン
サクラとシャクナゲの豪華な共演。

園内の広さは、約10,000㎡で、大人の足でゆっくり散策して40分ほどかかります。3m以上の大きな株が多数植えられており、平地にあるガーデンながら、高さを感じる植栽となっています。また、シャクナゲの開花時期に合わせた花木も植えられており、シャクナゲとの共演も見どころです。

開園期間はシャクナゲが見頃となる4月上旬〜5月上旬の約1カ月という短い期間ですが、例年約1万人が来園して花見を楽しんでいます。「色とりどりの花に圧倒され、心も洗われます」「どの木も嬉しそうに輝いていて、お手入れの愛情が感じられます」「西洋の宮殿を思わせるような美しさ」といった、感動の声が寄せられています。日本におけるシャクナゲの品種改良の歴史が垣間見られる、感動のシャクナゲ庭園に、ぜひ足を運んではいかがでしょうか。

日本の気候にあうように品種改良された
ダイナミックに咲くシャクナゲが大集合!

赤塚シャクナゲガーデン

多くの車が行き交う県道10号線に面する「赤塚シャクナゲガーデン」。500mにわたって続くシャクナゲによる垣根の途中に入口があります。写真からも、ガーデンの規模の大きさが伺い知れますね。このシャクナゲが咲く道、地元では「シャクナゲロード」と呼ばれ、親しまれています。

赤塚シャクナゲガーデン

シャクナゲの最盛期は4月中旬頃。ただし園内には開花期の異なるさまざまな品種がバランスよく植えられているため、4月上旬から5月上旬にかけて、順次花が見頃となっていきます。大きく分けると早生(4月上旬)、中生(4月中旬)、晩生(4月下旬)で、開園期間中はお色直しのように園内の様子が変わっていくので、数回の見物もおすすめです。写真のエリアは、ケヤキやカツラ、ヤマボウシの新緑も楽しめる、西洋庭園の雰囲気を演出。やわらかな木漏れ日の中でゆっくりと散策できます。

赤塚シャクナゲガーデン

写真の‘ウェディングブーケ’は一番人気の品種です。光沢感のある淡いピンクで、満開になるとほぼ白になる上品な花。ふんわりと盛り上がり、美しい花束のような花房をつくることから命名されました。見頃は4月中旬頃。光沢のある小判型の葉を持ち、樹形もコンパクトにまとまります。花つきが非常によいうえ、花もちが大変よく観賞期間が長いのも特長です。

シャクナゲと開花期が揃う
花木も植栽され、爛漫に咲く

赤塚シャクナゲガーデン

シャクナゲと開花が揃う花木も、さまざまに見られます。後ろに大きなボール状の白い花を咲かせているのは、オオデマリ。開花が進むにつれてグリーンから白へと花色が移ろいます。手前の赤いシャクナゲは‘太陽’、後ろの白系の花は‘ウェディングブーケ’です。

赤塚シャクナゲガーデン

写真は、八重咲きの桜‘福禄寿’とシャクナゲ‘太陽’が見せるダイナミックな景色。高さ約6mの大木に育ったシャクナゲ‘太陽’と桜の共演は素晴らしく、園内の見どころの一つです。

赤塚シャクナゲガーデン

シャクナゲと同じ頃に咲く花木の一つ、桃も園内のそこかしこに植栽されています。写真は1本の木に赤と白の花が咲く源平桃。優美ですね。ほかにも菊のような花が咲く、キクモモも一見の価値があります。

赤塚シャクナゲガーデン

園内には、ところどころにベンチが置かれ、シャクナゲを眺めながら休憩できます(ただし飲食の持ち込みは不可)。写真は桜とシャクナゲ、サツキ、チューリップが、豪華に咲き競う様子です。

毎週末のガイドツアーにぜひ参加を
100品種以上が揃う苗売り場も見て回ろう!

赤塚シャクナゲガーデン

「赤塚シャクナゲガーデン」では、毎週土曜・日曜にガーデン担当者によるガイドツアーを行っています。時間は10:30~と11:30~の1日2回 で、所要時間は約40分です。予約不要で、入園料以外の別途費用はかかりません。ガイドさんからは、見どころのほか、品種の紹介、育て方のアドバイスなどの解説もありますよ!

赤塚シャクナゲガーデン

園内では、例年シャクナゲを中心に100品種以上の苗が販売されています。主な価格帯としては1,200~1,800円。人気の品種ベスト3は、1番が光沢感のある淡いピンクが美しい‘ウェディングブーケ’。2番が咲き始めは淡いピンクで、後に真珠光沢のあるやわらかい白色になる‘真珠姫’。大変香りがよいのも特徴です。3番がややワイン色を含んだ濃赤紅色の大輪で、フリルのある花が20輪ほど集まって大きなドーム状の花房をつくる‘プロミネンス’。いずれもアカツカオリジナル品種のシャクナゲです。

Information

赤塚シャクナゲガーデン

所在地:三重県津市高野町字西久野1902番地の1

問い合わせ先:アカツカFFCパビリオン059-230-2121(受付時間/10:00〜18:00、火曜定休)

赤塚シャクナゲガーデン 公式 (jp-akatsuka.co.jp)

アクセス:公共交通機関/JR・近鉄津駅東口4番乗り場より三重交通バス 系統52椋本行き「新出」バス停より徒歩約1分
車/伊勢自動車道芸濃I.Cから車で約3分

オープン期間:令和2年4月3日(金)〜5月6日(水)
※開花状況や気象条件により変動あり

休園日:なし

営業時間:9:00〜16:30(最終入園 16:00)

料金:大人 700円(シャクナゲガーデンで使える植物100円引券付)、中高学生350円、小学生以下 無料

駐車場/120台、無料

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