花の庭巡りならここ! 平和のモニュメントがランドマーク「荒牧バラ公園」
兵庫県伊丹市・北部荒牧地区に整備されたローズガーデン。六甲山系を借景に、傾斜を生かした露段形式庭園で、南欧風の明るい雰囲気が特徴的です。バラの見頃は5月中旬〜6月中旬と10月中旬〜11月中旬で、シーズンにはたくさんの市民が憩いに訪れ、地元に愛されている公園です。
目次
「毎年のバラの季節が楽しみ!」と
市民に愛される憩いのローズガーデン
1992年にオープンした「荒牧バラ公園」。1983年から始まった区画整理事業により、北部荒牧地区に公園用地が確保され、市民に愛される公園にしたいと、バラ園が整備されました。1.7ヘクタールの広大な敷地で、バラ好きな方がゆっくり歩いて、1時間ほどかかる規模です。
「荒牧バラ公園」は、六甲山系を借景とし、天神川堤の傾斜を生かした露段形式のバラ園で、設計はSEN環境計画室の三宅祥介さんが手がけました。高低差をつけたことで、多くのバラを一度に愛でることができます。またバラの美しさを最大限に表現するために、脇役として多くの建造物や樹木の緑、カナール(水の流れ)をしつらえています。
園内は「平和モニュメント広場」「ハッセルトのバラコーナー」「ふるさとのバラコーナー」「花と流れのアプローチ」「バラの原種コーナー」の5区画にゾーニング。世界のバラ約250種、1万本が南欧風のおしゃれな園内一帯に咲き乱れます。
伊丹生まれで世界的に名高い‘天津乙女(あまつおとめ)’や‘マダム・ヴィオレ’などが見られる「ふるさとのバラコーナー」、姉妹都市のベルギー・ハッセルトにちなんだ「ハッセルトコーナー」は特に見どころです。
アーチやフェンス、パーゴラ、スロープに沿わせるなど、立体資材を使った仕立て方も見応えがあり、自邸の庭のヒントにもなりそう。風が吹くとゆらゆら揺れる花の帯が、ため息がこぼれるほど優美な景色をつくり出します。
2019年4月〜2020年1月の来場者数は約18万人で、市民に愛される憩いの場となっている「荒牧バラ公園」。飲食の持ち込みはOKなので、バラの花見を楽しみながら青空の下でお弁当やおやつを広げ、くつろぎのひとときを過ごしてはいかがでしょうか。
せせらぎが聞こえる「カナール」を巡らせた
南欧風の洗練されたランドスケープが魅力
春のバラの見頃は、5月中旬~6月中旬頃。写真は、正面ゲートから平和モニュメント広場までのアプローチです。スペイン風の円柱とリズミカルに流れる水が、来園者をお出迎え。レイズドベッドが多数設けられており、目線に近い位置で豊かに咲き誇る花々が楽しめます。
こちらはハッセルトのバラコーナー。伊丹市は、ベルギーのハッセルト市と国際姉妹都市を提携しています。壁面のアイキャッチになっているのは、ハッセルト市から贈呈された「小便小僧」のレプリカ。周囲にはベルギーで作出された品種‘アンネ・フランクの思い出’や純白のバラ‘パスカリ’が植えられています。
秋のバラの魅力は気温差による
冴え冴えとした花色の美しさ
秋のバラの見頃は、10月中旬〜11月中旬。春ほどの花数はないものの、花色は気温の低下とともに鮮やかになり、秋らしいしっとりと落ち着いたバラを楽しめます。青空に凛と咲く、バラの健気な姿を愛でましょう。
平和を願って建てられたモニュメントが目印!
企画展や講習会を行う「みどりのプラザ」が隣接
伊丹市が重点施策の一つとして掲げてきたのは、「平和な社会づくり」。市民からの寄付によって、荒牧バラ公園内に「平和モニュメント広場」が建設されました。バラともマッチし、公園のシンボリックな存在となっています。
荒牧バラ公園の隣には、「みどりのプラザ」があります。開館時間は9:00〜17:30、休館日は火曜、祝日の場合は翌日(5〜6月、10〜11月を除く)と年末年始(12月29日〜1月3日)。休憩コーナーとして、テーブルがいくつか置かれているので、歩き疲れたらご利用を。図書室があるほか、展示室では定期的に押し花展やハーバリウム展などが開催され、フラワーアレンジ教室や植物相談会などの講習会も実施しています。
Information
荒牧バラ公園
所在地:兵庫県伊丹市荒牧6丁目5-50
TEL:伊丹市公園課 072-784-8134
伊丹市立みどりのプラザ 072-772-7696
http://hccweb1.bai.ne.jp/midoriplaza/(バラの開花状況が確認できます)
アクセス:公共交通機関/市バス JR伊丹駅2番のりばまたは阪急伊丹駅2番のりばから荒牧バラ公園行き終点すぐ
車/中国自動車道宝塚インターチェンジから東へ10分
オープン期間:周年
休園日:毎週火曜日(5月1日~6月30日、10月~11月は無休)、年末年始(12月29日~1月3日)
開園時間:9:00~17:00(5月15日~6月30日は18:00まで)
料金:無料
駐車場/約230台 普通車500円/回
※マイクロバス1500円/回 ※大型バス3,000円/回(※印は公園課へ要予約)
Credit
取材&文 / 長田節子 - ライター/エディター -
おさだ・せつこ/ガーデニング、インテリア、ハウジングを中心に、ライフスタイル分野を得意とするライター、エディター。1994年より約10年の編集プロダクション勤務を経て、独立しフリーランスで活動。特にガーデニング分野が好きで、自身でも小さなベランダでバラ6姉妹と季節の草花を育てています。草花や木の名前を覚えると、道端で咲いている姿を見て、お友達にばったり会って親しく挨拶するような気分になれるのが醍醐味ですね。
- リンク
記事をシェアする
新着記事
-
ガーデン&ショップ
「第3回 東京パークガーデンアワード 砧公園」 ガーデナー5名の“庭づくり”をレポート!
第3回目となる「東京パークガーデンアワード」が、東京・世田谷区にある都立砧公園でキックオフ! 作庭期間は、2024年12月中旬に5日間設けられ、書類審査で選ばれた5名の入賞者がそれぞれ独自の手法で、植物選びや…
-
宿根草・多年草
花束のような華やかさ! 「ラナンキュラス・ラックス」で贅沢な春を楽しもう【苗予約開始】PR
春の訪れを告げる植物の中でも、近年ガーデンに欠かせない花としてファンが急増中の「ラナンキュラス・ラックス」。咲き進むにつれさまざまな表情を見せてくれて、一度育てると誰しもが虜になる魅力的な花ですが、…
-
ガーデン&ショップ
都立公園を新たな花の魅力で彩る「第3回 東京パークガーデンアワード」都立砧公園で始動
新しい発想を生かした花壇デザインを競うコンテストとして注目されている「東京パークガーデンアワード」。第3回コンテストが、都立砧公園(東京都世田谷区)を舞台に、いよいよスタートしました。2024年12月には、…