素敵な発見がたくさん! 園芸ショップ探訪18 東京「グリーンギャラリーガーデンズ」
ひと口に園芸店といっても、今やさまざまなスタイルのショップがあります。それぞれの個性が色濃く反映されたこだわりの空間は、ガーデニングのセンスを磨ける最高の場所。今回は、アンティークアイテムの宝庫「グリーンギャラリーガーデンズ」を訪ねました。
目次
のどかなエリアに広がる
何でも揃う園芸店
広々とした売り場が魅力の「グリーンギャラリーガーデンズ」。スタジオジブリの映画「平成狸合戦ぽんぽこ」の舞台となった、多摩丘陵の西部ののどかなエリアにあります。地域密着型の店ですが、遠くから足を運ぶ人も多く見られます。
まずメインの建物に入ると、青々としたたくさんの観葉植物が目に飛び込んできます。高い天井を生かした売り場では、多種多様なインドアグリーンが生き生きと枝を伸ばし、空間は潤いに満ちあふれています。
自宅でも「心地よい暮らし」を実践しているという専務の吉田祐治さん。「忙しい日々、家に帰ってくるとほっとする……そういう空間づくりは、家の内外どちらにも大切なことです」。その大切さをお客さまに伝えたいという思いで、グリーンのインテリアへの取り入れ方を、イメージしやすいように提案。落ち着いたトーンの照明が陰影を生み、雰囲気たっぷりに構成されています。
自然の風景を熱帯性植物でコンパクトに再現する、今注目のパルダリウムやアクアリウム、テラリウム。これらに必要な各種部材も豊富に取り扱っており、専門的知識を持つスタッフに丁寧な説明もしてもらえるので、ビギナーからベテランまで安心・満足できます。
おしゃれな園芸ツールで
ガーデニングのテンションアップ!
ガーデニングライフを楽しくするためには、自分のスタイルに合ったガーデンツールを見つけることが大切。ここでは、国内外の「見せながら収納」できる、見映えのよいアイテムがセンスよく並んでいます。
このショップの最大の魅力!
リーズナブルなアンティークアイテム
インドアグリーン売り場の脇にあるらせん階段を2階へ上がると、イギリスから買い付けてきたというアンティークの品々が並びます。異国情緒たっぷりで、まるで秘密の屋根裏部屋といった趣。ここに並ぶ古い家具や雑貨類は、年2回ほどイギリスで買い付けてくるもので、イギリスをはじめとしたヨーロッパのものがメイン。
「グリーンギャラリーガーデンズ」は、約100年前に開業した観賞魚店が始めた園芸店。現在も観賞魚を販売しており、海外で大人気の鯉の輸出も行っています。
園芸店を始めてしばらく経った頃に鯉の輸出量が増え始め、渡英する機会も多くなった吉田さん。イギリス滞在中に見て回ったガーデンセンターや個人邸の素敵なディスプレイには、使い古した農具などが、よくあしらわれていることを発見。それから骨董市やアンティークショップで買い集め、本格的なアンティークアイテムの直輸入が始まりました。
吉田さんが直に仕入れを行っているため、価格はとてもリーズナブル。破損したり不具合があったりするものは専門の職人が修理、使える状態にしてから店頭に並べています。
造園業も行っている吉田さんの
お墨付きが並ぶ植物売り場
吉田さんは、造園・庭づくりの専門家。一般家庭の小さな空間から学校などの大規模な庭まで、さまざまな規模・スタイルの仕事を幅広く請け負っています。常に多様な依頼に対応しながら植物と向き合っている吉田さんがおすすめする、丈夫で使いやすいおしゃれな植物を並べています。
広いショップならではの
大型のオーナメントや資材類も充実
空間のメリハリを出すのに活躍する、カップ型のコンテナや動物のオーナメント。一つ置くだけで、シーンの雰囲気をぐっと高めてくれます。
【グリーンギャラリーガーデンズ流
アンティークアイテムの楽しみ方を学ぶ】
本場のガーデンセンターなどを見尽くしている吉田さんが輸入したアンティーク類が、店内の随所に点在。センスのよいスタッフが手掛ける素敵なディスプレイは必見です。
人気の寄せ植え講師2人に出会える!
店頭には、園芸誌などで活躍中の寄せ植え講師でスタッフの堀田裕大さん(右)と園芸家の土谷ますみさん(左)が立つことも。ショップでは定期的に二人の寄せ植え教室が行われているので、ぜひチェックを。苗選びに困ったら遠慮せずにアドバイスをもらってみて。2人とも気さくに答えてくれます。
【土谷ますみさんの寄せ植え】
女性らしい愛らしくエレガントなアレンジ
【堀田裕大さんの寄せ植え】
若々しくロマンティックなアレンジ
ガーデニング売り場同様、大人気の
‘マルシェ’とレストラン‘Au coju(オコジュ)’
「産地で朝採りされた本当に美味しい野菜を、身近なお店で味わえたら…」という思いからスタートした食品売り場コーナー‘マルシェ’。パリの市場をイメージした明るく楽しい空間です。提携農家から届いた野菜はとにかく新鮮で、手に取るだけで本来の色や香り、力強さを感じられます。また、こだわりの乳製品や調味料などの品揃えもバラエティーに富み、料理好きにはたまらない売り場です。
【レストラン「Au coju(オコジュ)」】
マルシェで販売する産地直送野菜の美味しさを多くのお客様に味わってもらうために、2011年にオープンした、レストラン「Au coju(オコジュ)」。店名は多摩エリアの古い方言‘おこじゅ’をフランス語風にアレンジしたもので、‘仕事の合間にとるお茶の時間’を意味します。アンティーク家具が並ぶ落ち着きのある空間で、おいしい食事とゆったりとした時間を楽しんでください。
店長・入谷利幸さんのイチオシアイテム
「グリーンギャラリーガーデンズ」に入社して15年の入谷さん。DIYを得意とする店長さんです。そんなベテランスタッフがおすすめするのは、これ。観葉植物の鉢をカバーしながら小さなテーブルにもなる「Hang out plant box(ハングアウトプラントボックス)」。使い方は簡単で、六角柱のカバーに鉢を入れ、半円の板を2枚向かい合わせになるように乗せるだけ。簡単で、おしゃれな便利アイテムです。色はプレーンとこげ茶の2色あります。価格は、プラントボックス\6,490/プラントテーブル\5,390。
ショッピングのあとは
観賞魚を眺めて癒されよう
グリーンギャラリーガーデンズでは、もちろん鯉をはじめとする観賞魚が販売しています。たくさん並ぶ水槽にはカラフルで美しい鯉や熱帯魚などがいっぱい。普段みられないユニークな魚もいるので、子どもも大人も楽しめます。
園芸植物、アンティーク、食品、観賞魚と、あらゆるものが揃う「グリーンギャラリーガーデンズ」。ライフスタイルをトータルでデザイン・サポートすることへの意気込み・思いが強く伝わってくる、頼もしいショップです。ぜひ訪れてみてください。アクセスは、京王相模原線「京王堀之内駅」から徒歩で約15分。中央自動車道「国立IC」より車で約25分、「八王子IC」より約30分。
【GARDEN DATA】
グリーンギャラリーガーデンズ
東京都 八王子市松木15-3
TEL:042-676-7115
10:00~19:00 (火曜日10:00~17:00)
Credit
写真&文/井上園子
ガーデニングを専門としたライター、エディター。一級造園施工管理技士。恵泉女学園短期大学園芸生活学科卒。造園会社、園芸店を経て園芸雑誌・書籍の編集者に。おもな担当書に『リーフハンドブック(監修:荻原範雄)』『刺激的ガーデンプランツブック(著:太田敦雄)』『GARDEN SOILの庭づくり&植物図鑑(著:田口勇・片岡邦子)』など。自身もガーデニングを楽しみながら、美術鑑賞や旅行を趣味にする。植物を知っていると、美術も旅も楽しみの幅が広がりますね。
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