いつか、自分のショップを持ちたいと夢見る人も多いかもしれません。そこで、東京・世田谷の隠れた花屋さん激戦区で人気の『イリア』を訪ねました。店作りに役立つ、おしゃれな店内の様子をご紹介します。
週末の金・土・日曜の3日間だけ営業する『イリア』。オーナーは田野崎 幸(さち)さん。全国展開の大手生花店『青山フラワーマーケット』で10年間、赤坂店や二子玉川店などのショップマネージャーとして活躍した人です。
イリアのオープンは2015年。東京・等々力のバス通りに、その店はあります。

季節ごとに変わるウインドーの花を眺めながら、さあ、店内へ。誰もが驚くのは、まず花の陳列法です。週末限定だから、そんなに大量に花を仕入れる必要がないとはいえ、テーブル上にファッションブランドのディスプレイさながらに並べています。ここから、花を買って、欠けてしまうのは、ちょっと忍びない?なんて思ってしまうほどの美しさ。

対面側の壁際には鏡を置いて、映り込む花でも、イリアの世界を広げています。ちなみに、写っている赤い服の女性はオーナーの田野崎さんです。

そして、花を引き立てるためにと田野崎さんが選んだのは、白い空間でした。
「アトリエも兼ねた場所をと探していたときに見つけた物件で、以前はブティック。広すぎず、狭すぎないちょうどよい広さ。店内は、すべて白い壁に塗り直しました」。内装を手掛けたのは、以前、ご紹介した『西荻百貨店』内にあるカラクタ工房。近寄って見ると、かすかにグレーを帯びた箇所や自然な凹凸があります。それは、新しい店でも、何十年も時を経たような風合いを演出するため。壁って重要なんですね。

田野崎さん曰く、中近東の白い家のイメージ。店内の仕切り壁に、小窓も丸くくり抜いています。

さらに細部も見ていきましょう。ランプシェードやドアノブ、看板はすべて、少し鈍い色のゴールドで統一。

シンプルなだけに、花を並べるテーブルなどの家具もポイントになりそうですが、アンティーク風の家具の多くは意外にも、ネットで探した掘り出し物とか。↓の一枚板の重厚なテーブルもそう。使ううち、味わいが増してきたそうです。

店内奥には、レトロなソファ。

店内の隅を見やると、キャンバスに描かれた花の絵が置かれています。これは田野崎さんが描いたもの。

こうは思いませんか? 花屋さんの空間は、花器のようなものだと。シンプルでも、風合いの心地よい空間を作ることで、そこに迎えた花はさらに美しさを増して咲いてくれます。店内を構成する最低限のものさえ、丁寧に、自分のテイストで選び抜けば、過剰な飾り立ては不要なのかもしれませんね。取材時、田野崎さんがいつも置くようにしている芳しい花も、いっそうピュアに香りを感じ取らせてくれました。
Shop Data:イリア(Iria)
ホームページ/http://iria-sachitanosaki.com
住所/東京都世田谷区等々力3-21-22 1F
営業日/金・土・日曜 12~20時
※訪ねる前に、ホームページのイベントページで確認してください。
アクセス/東急大井町線等々力駅より徒歩約5分
Credit
構成と撮影と文・鈴木清子
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