カフェを併設していたり、雑貨を充実させていたり。花屋さんの形態が、どんどん多様化するなか、今回は営業日を限定しながらも、素材にこだわる人気の花屋さんを訪ねました。

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それは、東京・等々力(とどろき)にある『イリア』。ウインドーには、こんなノートが吊るされています。

『イリア』東京・等々力

そう、ここは週末の金・土・日曜の3日間だけオープンする花屋さんなのです。

等々力駅からまっ直ぐ伸びる坂道を上がっていくと、白い壁と白いドアのショップがあります。看板代わりは「イリア」の文字。イリアとはアイリスの古代の呼び名。この花をこよなく愛する田野崎 幸(さち)さんがオーナーです。

『イリア』東京・等々力

白いドアを開けると、まっ白な空間をキャンバスであるかのように、花々が美しく飾られています。

『イリア』東京・等々力

何か特別なディスプレイのように見えても、じつは、ここから花を選んでいいんです。そう、花の陳列棚。訪ねた日は、ニュアンスのある色彩の花に紛れて、テーブルにはトロピカルなアダンの実がオブジェのように置かれ、長い葉もののスマイラックスがいきいきと野趣を添えていました。

反対側の壁には、ドライフラワーが。聞けば、イリアのサイトを見た花の生産者が「ドライフラワーにして活用してほしい」とわざわざ、育てた生花を届けにきたこともあったそう。

『イリア』東京・等々力

その隣には小さな飾り棚。

『イリア』東京・等々力

中にドライフラワーなどを入れて飾れる薬瓶や、個展で出合った陶芸家の器などがひっそりと収まっています。

『イリア』東京・等々力

イリアの花スタイルも気になりますよね? 赤いワンピースの女性が田野崎さん。鈴が鳴るような声で話す、とてもたおやかな女性です。

『イリア』東京・等々力

テーブルに並んだ花材から選んでもらい、できたのが↓のグラスブーケ。仕入れにいくと、ラインの面白い花材に目が留まってしまうというだけあり、この花束でもコーラルファンで少しワイルドなひねりを加えてくれました。ちょっと魚の骨に似ているグリーンがそれです。

『イリア』東京・等々力

「イリアの花スタイルをあえて言葉にするなら、素材優先ということでしょうか。自分の型にはめ込まず、その季節に出会った花のよさを引き出してあげたいし、人がそうであるように、植物も無理をしていない状態がいちばんきれいだと思うのです」

生まれ故郷の札幌で、花屋さんでアルバイトしながら、いけばなを習っていたという学生時代。その後、東京の花屋さんの現場も見てみたいという一心で上京し、『青山フラワーマーケット』で10年間、赤坂店などの人気店でショップマネージャーを務めていました。自らのショップを立ち上げたのは2015年。

「週末だけの営業なので、ほかの日はどうしているのかとよく聞かれるんですが(笑)、平日はウエディング装花の打ち合わせをしたり、元の職場で商品開発にも携わったりしています」

訪ねたら、店内のどこかに、こんな落書きが見つかりますよ↓。フランスで知り合った友人が店に訪ねてきたときに残していったもの。ここは君の秘密のガーデンだと、田野崎さんを応援する言葉が綴られています。

『イリア』東京・等々力

Shop Data:イリア(Iria)
ホームページ/http://iria-sachitanosaki.com
住所/東京都世田谷区等々力3-21-22 1F
営業日/金・土・日曜 12~20時
※訪ねる前に、ホームページのイベントページで確認してください。
アクセス/東急大井町線等々力駅より徒歩約5分

Credit

記事協力

構成と撮影と文・鈴木清子

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