休日の花を探しに! 週末限定の花屋さん『イリア』東京・等々力 今日はてくてく、「花屋さん日和」Vol.7
カフェを併設していたり、雑貨を充実させていたり。花屋さんの形態が、どんどん多様化するなか、今回は営業日を限定しながらも、素材にこだわる人気の花屋さんを訪ねました。
それは、東京・等々力(とどろき)にある『イリア』。ウインドーには、こんなノートが吊るされています。
そう、ここは週末の金・土・日曜の3日間だけオープンする花屋さんなのです。
等々力駅からまっ直ぐ伸びる坂道を上がっていくと、白い壁と白いドアのショップがあります。看板代わりは「イリア」の文字。イリアとはアイリスの古代の呼び名。この花をこよなく愛する田野崎 幸(さち)さんがオーナーです。
白いドアを開けると、まっ白な空間をキャンバスであるかのように、花々が美しく飾られています。
何か特別なディスプレイのように見えても、じつは、ここから花を選んでいいんです。そう、花の陳列棚。訪ねた日は、ニュアンスのある色彩の花に紛れて、テーブルにはトロピカルなアダンの実がオブジェのように置かれ、長い葉もののスマイラックスがいきいきと野趣を添えていました。
反対側の壁には、ドライフラワーが。聞けば、イリアのサイトを見た花の生産者が「ドライフラワーにして活用してほしい」とわざわざ、育てた生花を届けにきたこともあったそう。
その隣には小さな飾り棚。
中にドライフラワーなどを入れて飾れる薬瓶や、個展で出合った陶芸家の器などがひっそりと収まっています。
イリアの花スタイルも気になりますよね? 赤いワンピースの女性が田野崎さん。鈴が鳴るような声で話す、とてもたおやかな女性です。
テーブルに並んだ花材から選んでもらい、できたのが↓のグラスブーケ。仕入れにいくと、ラインの面白い花材に目が留まってしまうというだけあり、この花束でもコーラルファンで少しワイルドなひねりを加えてくれました。ちょっと魚の骨に似ているグリーンがそれです。
「イリアの花スタイルをあえて言葉にするなら、素材優先ということでしょうか。自分の型にはめ込まず、その季節に出会った花のよさを引き出してあげたいし、人がそうであるように、植物も無理をしていない状態がいちばんきれいだと思うのです」
生まれ故郷の札幌で、花屋さんでアルバイトしながら、いけばなを習っていたという学生時代。その後、東京の花屋さんの現場も見てみたいという一心で上京し、『青山フラワーマーケット』で10年間、赤坂店などの人気店でショップマネージャーを務めていました。自らのショップを立ち上げたのは2015年。
「週末だけの営業なので、ほかの日はどうしているのかとよく聞かれるんですが(笑)、平日はウエディング装花の打ち合わせをしたり、元の職場で商品開発にも携わったりしています」
訪ねたら、店内のどこかに、こんな落書きが見つかりますよ↓。フランスで知り合った友人が店に訪ねてきたときに残していったもの。ここは君の秘密のガーデンだと、田野崎さんを応援する言葉が綴られています。
Shop Data:イリア(Iria)
ホームページ/http://iria-sachitanosaki.com
住所/東京都世田谷区等々力3-21-22 1F
営業日/金・土・日曜 12~20時
※訪ねる前に、ホームページのイベントページで確認してください。
アクセス/東急大井町線等々力駅より徒歩約5分
Credit
構成と撮影と文・鈴木清子
新着記事
-
ガーデン&ショップ
都立公園を新たな花の魅力で彩る「第3回 東京パークガーデンアワード」都立砧公園で始動
新しい発想を生かした花壇デザインを競うコンテストとして注目されている「東京パークガーデンアワード」。第3回コンテストが、都立砧公園(東京都世田谷区)を舞台に、いよいよスタートしました。2024年12月には、…
-
ガーデン&ショップ
都立公園を花の魅力で彩る画期的コンテスト「第3回 東京パークガーデンアワード 砧公園」全国から選ばれた…
2022年に代々木公園から始まった「東京パークガーデンアワード」。第2回の神代植物公園に続き、3回目となる今回は、東京都立砧公園(世田谷区)で開催されます。宿根草を活用して「持続可能なロングライフ・ローメ…
-
園芸用品
【冬の庭仕事】鉢カバーでイメージチェンジ! 庭を整えよう
地植えではない方法で植物を育てるのに欠かせない容器「植木鉢」。コンテナガーデニングや屋内の観葉植物を育てる際にも必須の鉢は、庭の景色やインテリアの雰囲気を簡単に変えることができるガーデニングアイテム…