箱根登山鉄道敷設に伴って別荘地が整備されるなか、憩いの場として誕生した「箱根強羅公園」。その歴史は古く、100年以上も前に日本人造園家によって手がけられた名園です。日本庭園、洋風庭園、温室など、四季を通して見どころが移ろい、レストランや土産物店が充実するほか、クラフト体験などもできるレジャースポットとして、人気の高い観光公園です。

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抜ける青空の下、箱根の山々を借景に
花々で豊かに彩られる癒やしの公園

1914年開園という古い歴史を誇る「箱根強羅公園」。開園時は1910(明治43)年にロンドンで開催された日英博覧会場に日本庭園をつくった、一色七五郎氏が設計・監督を担当。洋風庭園と和風庭園があり、地質を生かして多数の巨岩を用い、風景になじませた造成が見られて、当時の高い造園技術を垣間見ることができます。

「箱根強羅公園」は、26,500㎡の敷地をもち、ゆっくり歩いて30〜40分くらいで一巡りできる広さです。現在の園内は、大きく分けて「バラ園」「噴水周辺」「体験施設(クラフトハウス)」「温室」「お茶室」にゾーニングされています。

箱根強羅公園

特に園内の中央に位置する、噴水広場からの箱根の山々の眺めは素晴らしいので、ぜひ立ち寄りましょう。このビュースポットの花壇は、主に一年草で構成され、年に4回の植え替えを実施。春はホワイトで統一して爽やかに、夏はブルーと黄色でコントラストをつけ、秋はハロウィン仕様、冬はハボタンで彩ります。「箱根強羅公園」は標高約600mに位置するため、昼夜の温度差によって花色が冴え冴えとしているのも魅力です。

また、特筆すべきは冬でも楽しめる3つの温室。熱帯植物館(約211種 3,000株)、ブーゲンビレア館(ブーゲンビレア48種)、熱帯ハーブ館(約70種125株)、イベント館があり、じっくり観賞して約30分で周遊できます。

熱帯植物館では、ジャングルをイメージして熱帯植物を植栽。バナナ、パパイヤ、パイナップルなどのトロピカルフルーツや、レンブ、ソーセージの木なども観られます。

箱根強羅公園

写真のブーゲンビレア館は年間を通して華やかに咲く姿を楽しめます。ブーゲンビレアは夏の花のイメージがありますが、南米コロンビア原産の短日植物で、一番の見頃は秋から春先(11~3月)です。短日植物のため夏は花が少なくなりますが、この時期はハイビスカス(長日植物)などが華やかに咲き競い、年間を通して花盛りとなるよう配慮されています。

一方、熱帯ハーブ館では、香辛料の元になる植物を展示。温帯性のハーブと熱帯性ハーブの違いを観賞できるように、熱帯ハーブ館近くの外に温帯性ハーブ園をつくっているので、香りを比べてみるのもいいですね。

「箱根強羅公園」は、一年を通して豊かな花々で彩られ、開園当初から親しみを込めて呼ばれていた「夢の花園」の愛称を、今も守り続けている観光庭園です。その他カフェやレストラン、セレクトショップ、クラフト体験など、レジャースポットとしてのコンテンツも魅力たっぷり。一日ゆっくりと時間を過ごすつもりで、出かけてみてはいがでしょうか。

標高約600mに位置する公園では
四季を通して花色が冴え冴えと輝く

箱根強羅公園

5月中旬〜下旬は、ツツジが見頃を迎えます。噴水池の周囲を中心に、赤、紫、白など約1,000株が満開に。園内には、高地でしか見られないアカヤシオ(3月下旬)、シロヤシオ(3月下旬)、天城ツツジ(4月上旬)などの姿も見られます。枝葉を埋め尽くすように咲き、色の塊となる満開の時期は、大変鮮やかで見応えがあります。

箱根強羅公園

バラの見頃は5月下旬〜6月下旬。約200種1,000株のバラが爛漫に咲き誇ります。香りのよいバラを集めたコーナー、オールドローズを集めたコーナー、皇室にまつわる名前を冠したバラのコーナーなど、テーマを設けた展示も見どころ。バラの魅力を最大限に引き出すため、木製アーチを連ねたバラのトンネルやバラと宿根草を組み合わせたダイナミックな花壇など、歩を進めるのが楽しくなるローズガーデンです。

箱根強羅公園

アジサイの見頃は6月中旬〜7月上旬。園内に咲く、多くの山アジイや西洋アジサイがしっとりとした表情で出迎えてくれます。特に清楚な白花が人気の高い‘アナベル’の群生や‘イワガラミ’の大株が目を惹く存在です。「アジサイ展」の期間中は、約80種のアジサイが展示され、山アジイや西洋アジサイの苗も販売されます。

箱根強羅公園

紅葉の季節を迎える秋は、一年を通して最も見応えのある景色を楽しめます。見頃は11月上旬〜11月下旬で、イロハモミジやヤマモミジの大木を中心に植栽され、園内全体が朱色に染まります。また、10月中には、秋らしい深みを帯びた色で咲く秋バラが楽しめ、パンパスグラスの穂とのコラボが見事です。

箱根強羅公園

12月〜翌年3月は、園内に植栽された約100株のクリスマスローズが見頃に。12月下旬にニゲル種、12月下旬〜1月下旬にニゲル交配品種、2月中旬に木立クリスマスローズ、2月下旬に細葉クリスマスローズ、2月中旬〜3月中旬にレンテンローズと、次々に咲き継がれていきます。

食事どころは2店舗あってオシャレ!
こだわりの食材を使ったメニューが揃う

箱根強羅公園 サンドイッチ料理 一色堂茶廊

園内には、食事どころが2店舗あります。写真は「サンドイッチ料理 一色堂茶廊」で、素材にこだわったサンドイッチ料理が楽しめるお店です。人気メニューは「自然有精卵のだし巻きサンド」(1,210円)、たっぷりのローストビーフをレタスとともに挟んだ「和牛ローストビーフサンド」(1,760円)。営業時間は10:00〜17:00(ラストオーダー16:15)で、テイクアウトもできます。

箱根強羅公園 フレンチトースト

「サンドイッチ料理 一色堂茶廊」では、写真のフレンチトースト(770円)が大人気! 牛乳と生クリーム、自然有精卵を混ぜ、パンを浸してじっくり一日寝かせてから焼き上げ、しっとりとした食感。季節のフルーツと生クリームが添えられます。

箱根強羅公園 カフェPIC

一方、こちらの写真はカフェ「PIC」のパンシチュープレート(1,078円)。丸くくりぬいたフランスパンの中に、白ワインとハーブで漬け込んだ鶏肉と地場産の野菜を煮込んだミルクたっぷりのシチューを注ぎ、チーズをのせて焼き上げたものです。他に1日40食限定の強羅カレー、20食限定のポーチドエッグカレーも人気。手作りハーブクッキー付きのハーブティー(605円)もおすすめです。営業時間は10:00〜17:00(ラストオーダー16:15)。

工芸品を集めたセレクトショップは必見!
6種の工芸体験も楽しめる

箱根強羅公園 セレクトショップ

園内には箱根の土産物が揃う「おみやげショップ」があり、雑貨やお菓子などが豊富に揃います。注目したいのは、2019年夏にオープンした、セレクトショップの「こまもの屋 箱根」。「アート&クラフト」をテーマに、箱根の伝統工芸品や国内で活躍している工芸作家の作品を販売しています。ぜひ立ち寄って、旅の記念になりそうなショッピングを楽しみましょう。

箱根強羅公園 箱根クラフトハウス

園内には、「箱根クラフトハウス」があり、6種の工芸体験を実施しています。料金と所要時間の目安は以下の通り。吹きガラス(3,800円〜、約15分)、陶芸(3,600円〜、40〜60分)、サンドブラスト(2,100円〜、約60分)、とんぼ玉(2,500円〜、約15分)、ポタリーペインティング(2,900円、約60分)、切子(3,500円〜、約60分)。いずれもマンツーマンで、懇切丁寧な指導が受けられます。

Information

箱根強羅公園

所在地:神奈川県足柄下郡箱根町強羅1300
TEL:0460-82-2825

https://www.hakone-tozan.co.jp/gorapark/

アクセス:電車/箱根登山鉄道「強羅駅」下車徒歩5分

オープン期間:通年

休園日:なし

営業時間:9:00~17:00(最終入園は16:30)※季節変動あり

料金:中学生以上550円、小学生以下無料

駐車場/43台、1時間300円

Credit


取材&文/長田節子
ガーデニング、インテリア、ハウジングを中心に、ライフスタイル分野を得意とするライター、エディター。1994年より約10年の編集プロダクション勤務を経て、独立しフリーランスで活動。特にガーデニング分野が好きで、自身でも小さなベランダでバラ6姉妹と季節の草花を育てています。草花や木の名前を覚えると、道端で咲いている姿を見て、お友達にばったり会って親しく挨拶するような気分になれるのが醍醐味ですね。
https://twitter.com/passion_oranges/
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