近年SNSの口コミにより、大人気の「板橋区立熱帯環境植物館」は、東南アジアの熱帯地域を再現した植物園です。ジャングルを体感できる温室と、熱帯ながらも高山地の冷涼な気候を再現した冷室があり、わずかな時間で東南アジアの植生を堪能できます。年間を通してさまざまな企画イベントが開催され、リピーターが多く訪れる人気のスポットです。

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東南アジアの熱帯雨林から高山までを
コンパクトにまとめた植物園

「板橋区立熱帯環境植物館」は、1974年に高島平温水プールが開設された際、1階部分に区民の憩いの場として「熱帯植物園」を整備。清掃工場の余熱利用により、当時からバナナやヤシ、スイレンなどが植栽されていました。

その後1994年に、現在の「板橋区立熱帯環境植物館」にリニューアル。世界三大熱帯雨林の中から、日本と関係の深い東南アジアの熱帯雨林に特化して再現しています。海底に見立てた水族館から始まり、標高2,000mの高山(キナバル山)まで順次ジャングルを登っていくような展示内容で、「潮間帯ゾーン」「熱帯低地林ゾーン」「集落景観ゾーン」「雲霧林ゾーン」の4つに分かれています。

板橋区立熱帯環境植物館

植栽面積は約1,000㎡で、ゆっくり観賞しながら回ると大人の足で1時間くらいかかります。水族館の魚は約150種、植物園の植物は約700種をコレクション。特に花が美しい熱帯植物はプルメリアやビワモドキ、ヒスイカズラ、メディニラ・マグニフィカ、バニラ、ラン、果実はミズレンブ、ビワモドキ、バナナ、パラミツ、ビヨウタコノキなどです。友好提携マレーシアのペナン植物園から寄贈されたものも多く、足元や壁際などまで視線を巡らせると、珍しい植物が見つかる楽しみがあります。

板橋区立熱帯環境植物館

日曜・祝日はガイドツアーが行われ、13:00から約1時間かけてスタッフによる解説を受けられます。水族館では餌やり体験も実施、参加費は無料。企画展の内容や季節、咲いている花などによって毎回解説内容が変わるので、何度参加しても楽しめます。企画展やイベントが一年を通して開催されているため、リピーターも大変多く、年間約12万人が訪れる人気の植物園です。

海底を再現した水族館からスタート!
海水、汽水、淡水に棲む魚たちを観察

板橋区立熱帯環境植物館

「板橋区立熱帯環境植物館」に入場すると、まずはミニ水族館に出迎えられます。チンアナゴやカクレミノなどカラフルな熱帯魚が泳ぐ海水、淡水と海水が入り混じる河口域に棲むテッポウウオやハゼの仲間がいる汽水、アジアアロワナ、ボルネオカワガメが生息する淡水へとエリアごとに展示。海底から河口、川へと上がっていくイメージです。

板橋区立熱帯環境植物館

こちらは世界最大の淡水エイ、ヒマンチュラチャオプラヤが優雅に遊泳する淡水エリア。上部には熱帯の河口域に根を下ろす植物が見え、水中から上を眺めているような気分になれる展示です。緩やかなスロープを上がって、次はいよいよ植物が息づくエリアに向かいます。

標高の低い熱帯低地から高冷地まで
上るにつれて、植生も変わっていく

板橋区立熱帯環境植物館

水族館を後にして現れるのは、潮の満ち引きによって、露出と水没を繰り返す「潮間帯ゾーン」。地表に呼吸根を出す姿が特徴的なマングローブや、ヤシ類などが茂るほか、水辺を好む植物が垣間見えます。

板橋区立熱帯環境植物館

次に進むと、「熱帯低地林ゾーン」が広がります。ラワン材としても知られるフタバガキの仲間など多様な熱帯植物が見られ、ジャングルに分け入った気分に。アコウやガジュマルなど、他のものに絡まるように育つ「しめ殺し植物」も見られ、実際に宿主が枯れて乗っ取られた姿も展示されています。

板橋区立熱帯環境植物館

写真は「集落景観ゾーン」に設けられたマレーハウス。中のベンチで一休みしながら園内を一望できるビュースポットです。この周辺には、低地林より少し高い台地で、人々が集落を作る環境を想定し、生活に利用される植物を植栽。バナナやパパイヤなどのフルーツや、キャッサバ、イモ類などの食用植物、薬や香料に用いられる植物、観賞に向く美しい植物など、人が持ち込んだとされるさまざまな植物が見られます。

板橋区立熱帯環境植物館

順路を進むと、「雲霧林ゾーン」が現れ、ひんやりとした空気を感じて「わあ、涼しい!」という声も聞こえてきます。それもそのはず、このゾーンは標高約1,400m以上の、雨や霧の多い熱帯の高山地を再現しているため。苔や背丈の低いツツジ科の植物、ランなどの着生植物が多く見られます。

企画展やスタンプラリー、体験会など
興味深いイベントが目白押し!

板橋区立熱帯環境植物館
撮影/板橋区立熱帯環境植物館

「板橋区立熱帯環境植物館」では、環境や生き物にまつわる企画展を年に11回(合間の小規模展示は8回)行っています。夏休みの「昆虫展」、1月の「ラン展」、春休みの「体感水族館」が、毎年恒例の人気企画。写真は、食べると味覚が変わる「ミラクルフルーツ体験コーナー」で、園内で育った果実を試食するイベントです。

毎回テーマを変えて、年10回以上のオリジナルスタンプラリーを行うほか、フラワーアレンジメントやリース作り、植物画、聞香体験などの講習会も開催しています。

板橋区立熱帯環境植物館

館内には、貸し衣装コーナーもありますよ! トロピカル気分を味わえるアロハシャツやレイなどを纏って、撮影スポットで記念写真を撮るのもいいですね。

土・日、祝祭日は東南アジア料理に舌鼓を
ミュージアムショップも多彩な品揃え

板橋区立熱帯環境植物館

「板橋区立熱帯環境植物館」では、土日・祝祭日のみ、「喫茶室クレア」がオープンします。営業時間は11:00~17:00(ラストオーダー16:30)で、客席は25席。温室側はガラス張りになっており、ナイスビューが広がります。営業のない平日は飲食物を持ち込んでの休憩もOKです。

板橋区立熱帯環境植物館
撮影/板橋区立熱帯環境植物館

「喫茶室クレア」のメニューは、東南アジアをイメージさせるラインナップ。マレーシアカレー&ライスまたはナン&ミニサラダ、ナシゴレン、ガパオライスが各800円、野菜のキッシュ、ピザフリッタ各400円、お子様セット550円など。飲み物はソフトドリンク、タピオカ、アルコール350円~。写真は大人気のパンケーキ500円。

※値段は税込

板橋区立熱帯環境植物館

館内にはミュージアムショップもあるので、ぜひ立ち寄りを。オリジナルの缶バッジやポストカード、スタンプ、オリジナルコーヒー、ドライフルーツ、雑貨などが揃います。企画展や季節によって取り扱い製品のラインナップも変わり、毎年1月のラン展の際はランの苗も販売しています。2020年のラン展は最終日が1月13日で、展示品が安く販売されるので、ぜひお出かけください!

Information

板橋区立熱帯環境植物館

所在地:東京都板橋区高島平8-29-2
TEL:03-5920-1131

https://www.seibu-la.co.jp/nettaikan/

アクセス:電車/都営三田線「高島平」駅下車、東口より徒歩7分
バス/国際興業バス「高島第一中学校」下車、徒歩1分
※土・日曜、祝祭日、板橋区立小学校の夏休み期間は無料送迎バスあり。
時刻表はHP参照(https://www.seibu-la.co.jp/nettaikan/files/timetable2.pdf)

休館日:月曜(祝祭日の時はその直後の平日)、12月28日~1月1日

営業時間: 10:00~18:00(※入館は17:30まで)

料金:大人260円、小・中学生130円、未就学児無料
※土・日曜、区立小学校の夏休みは小・中学生無料
※団体は20名以上で1名50円引き
※障がい者手帳、愛の手帳などをお持ちの方は、大人130円、小・中学生と65歳以上60円、付き添い1名無料

Credit


取材&文/長田節子
ガーデニング、インテリア、ハウジングを中心に、ライフスタイル分野を得意とするライター、エディター。1994年より約10年の編集プロダクション勤務を経て、独立しフリーランスで活動。特にガーデニング分野が好きで、自身でも小さなベランダでバラ6姉妹と季節の草花を育てています。草花や木の名前を覚えると、道端で咲いている姿を見て、お友達にばったり会って親しく挨拶するような気分になれるのが醍醐味ですね。
https://twitter.com/passion_oranges/
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