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カモミールを育てて、カモミール染めをしてみよう!

カモミールを育てて、カモミール染めをしてみよう!

野原に咲き広がる、可憐なカモミール。あなたの庭でも、小さなカモミールの茂みを作ってみませんか。春から初夏にかけて花が咲いたら、摘みたての花でお茶を入れたり、染め物をしたり、ガーデンの楽しみが広がります。素敵な風合いの黄色に染まるカモミール染めを、新潟県のハーブ園「ハーブランドシーズン」の永嶋節子さんに教えていただきます。

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小花が可愛いジャーマンカモミール

ジャーマンカモミール
新潟市のハーブ園「ハーブランドシーズン」に咲くジャーマンカモミール。

カモミールの代表的な品種には、一年草のジャーマンカモミールと、宿根草のローマンカモミールがありますが、今回はジャーマンカモミールをご紹介します。草丈30~60cmの一年草で、1円玉サイズの小さな花を春から初夏にかけて咲かせ、こぼれ種で再び生えてきます。香るのは花の部分。中央の黄色い部分が次第に山形に盛り上がり、白い花びらは反り返ってくるのが、ジャーマンカモミールの特徴です。

カモミールティー
心を落ち着かせるカモミールティー。HETIZIA/Shutterstock.com

ジャーマンカモミールは、カモミールティーとして広く飲まれています。ドイツなど欧州では民間薬として古くから用いられており、リラックスしたい時や、食べすぎなどでおなかの調子を整えたい時にぴったりのお茶です。

お庭から旬の花を摘んでポットに入れ、熱湯を注いで、少し蒸らす。それだけで、フレッシュなカモミールティーを楽しめます。収穫後よく乾燥させれば、ドライハーブとしても保存できます。

カモミール
ワイルドメドウに咲くカモミール。Grisha Bruev/Shutterstock.com

ジャーマンカモミールの種まきと苗の植え付けは、春と秋のタイミングになります。早く収穫を楽しみたい方は、苗を購入して育てるのがよいでしょう。栽培は日当たりがよくて、水はけのよい場所が適当ですが、乾燥しすぎるのはよくありません。肥えた土を好むので、野菜栽培用の培養土などが向いています。「ハーブランドシーズン」の永嶋さんも、「野菜の感覚で育てるとよいでしょう。用土に堆肥を混ぜたほうが、しっかりした花になって、よいお茶になります」と、おっしゃいます。

(注意)キク科植物やブタクサのアレルギーのある方は、カモミールの栽培や利用に注意が必要です。

●カモミールの育て方は、こちら

カモミール染めのストール 作り方

カモミール染め
カモミール染めのストール。右は媒染剤にミョウバンを、左は木酢酸鉄を使ったもの。

さあ、ジャーマンカモミールを煮出して使う染め物を、「ハーブランドシーズン」で教えていただきましょう。

カモミール染めは、発色を促す媒染剤に何を選ぶかによって、染め上がりの色が変わってきます。上写真右の黄色はミョウバンを使った場合。カモミールの花そのままをイメージできる、明るい黄色です。一方、左は木酢酸鉄(もくさくさんてつ)を使った場合。カーキ色のような、渋めの色に仕上がります。今回は、ミョウバンを使ってストールを染めてみます。

カモミール染め

【材料】

  • ジャーマンカモミール
    旬の摘みたてカモミールを大鍋にいっぱい(ドライハーブでも染められますし、庭がなくて育てられないという方は、市販のカモミールティーでも染められます)
  • ストール
  • 媒染剤として、ミョウバン(もしくは、木酢酸鉄)
カモミール染めの作り方

染める前のストール。「絹が一番よく染まりますが、このような軽やかな印象の、化繊の混じったストールも使いやすいですよ」と、永嶋さん(今回使ったストールは、綿、絹、ナイロン、レーヨンの混紡です)。

ストールのカモミール染めの手順

  1. たらいに水を張って、染める前のストールを漬けておきます。
    カモミール染めのやり方
  2. コンロの上にセットした大鍋で湯を沸かし、たくさんのジャーマンカモミールを投入。
    カモミール染めのやり方
  3. くつくつと80℃以上で20分ほど煮出します。
    カモミール染めのやり方
    このくらいの色になればOK。
  4. ボウル(もしくは別の鍋)の上に目の細かいザルを置き、まず、カモミールの花や茎、葉を取り出します。
    カモミール染めのやり方
  5. 煮出した液をザルに空けて、濾します。
    カモミール染めのやり方
  6. 濾した液の中に、絞って水を切ったストールを漬けていきます。
    カモミール染めのやり方
  7. ストールの入ったボウル(もしくは鍋)を再びコンロにかけ、加熱しながら、80℃から100℃の間で15分ほど、箸でかき混ぜながら煮ます(布が傷むため100℃を超えないよう注意)。この時、長く煮ると布の色が濃くなっていきます。だいたいこの色かなと思ったところで、取り出してください。
  8. ストールを取り出して、水の中でゆすぎます。
    カモミール染めのやり方
  9. 次に、流水でよくもみ洗いします。もみ洗いして絞ったら、媒染剤の工程へ。
    カモミール染めのやり方
  10. 水2Lに対し、ミョウバンの量は小さじ1。まず、カップの水100mlほどで小さじ1のミョウバンを溶いてから、ボウルに張った2Lの水に流し入れて、ミョウバン液を作ります(カーキ色の仕上がりにする場合は、ミョウバンの代わりに、小さじ1/2の木酢酸鉄を使います)。
    カモミール染めのやり方
  11. ミョウバン液にストールを浸し、箸で時々ゆらゆらと布を動かしながら、5~7分漬け込みます。だんだん発色していくので、色を見ながら、引き上げのタイミングはお好みで。
    カモミール染めのやり方
  12. ミョウバン液からストールを取り出して、流水でもみ洗いします。
    カモミール染めのやり方
    カモミール染めのやり方
    もっと濃い黄色に仕上げたい場合は、⑥~⑫の工程をもう1度繰り返して、2度染めします。
    カモミール染めのやり方
    2度染めして水洗いしたストール。黄色の色が濃く出ています。
  13. よく水洗いしたら、絞って、自然乾燥させてでき上がりです。
カモミール染め
スカーフを手に、代表の永嶋節子さん(中央)と取材スタッフ。

ナチュラルな風合いの黄色に、ストールが染め上がりました。中央の永嶋さんが持っている淡い黄色のストールは1度染め、両脇の深い黄色のストールは2度染めしたものです。同じカモミール染めでも、かなり異なる印象の仕上がりになりますね。身にまとってみると、カモミールの香りがふんわりと漂って、いい気持ち。自然の恵みをいただいた、素敵な染め物です。

*「ハーブランドシーズン」では、カモミールの他にも、ラベンダーや蘇芳(すおう)、くるみなど、植物を使った染め物講座を行っています。「ハーブランドシーズン」についての記事はこちらでもご紹介しています。

Information

ハーブランドシーズン

〒950-2261 新潟県新潟市西区赤塚5073番地
TEL/FAX: 025-239-3288

開園時間: 9:00~18:00 (冬期は17:00)
定休日:毎週水曜日

Credit


取材&文/ 萩尾昌美 (Masami Hagio)
早稲田大学第一文学部英文学専修卒業。ガーデン及びガーデニングを専門分野に、英日翻訳と執筆に携わる。世界の庭情報をお届けすべく、日々勉強中。20代の頃、ロンドンで働き、暮らすうちに、英国の田舎と庭めぐり、お茶の時間をこよなく愛するように。神奈川生まれ、2児の母。
写真/3and garden

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