花の庭巡りならここ! 大小2つの温室で植物の息吹を感じる「手柄山温室植物園」

冬になると休眠する植物が多くなり、庭の景色も寂しくなりがち。そんな季節は温室が充実した植物園に出かけて、思いのままに枝葉を伸ばし生命力に満ちた植物の姿を観賞するのがおすすめ。きっと元気をもらえますよ! 今回は兵庫県姫路市の「手柄山温室植物園」にスポットを当てました。
目次
熱帯植物や砂漠植物が息づく
大小2つの温室が充実する植物園
1980年にオープンした、歴史のある「手柄山(てがらやま)温室植物園」。敷地面積は11,334㎡で、ゆっくり散策して30〜40分ほどかかる規模です。植物を通して市民が交流できる憩いの場として、また植物の知識を普及する場として手柄山中央公園内に整備された植物園で、年間約3万もの人々が訪れます。

特筆すべきは、大小2つの温室。サボテン、洋ラン、ベゴニア、食虫植物を中心とした熱帯、亜熱帯、砂漠に生きる植物を120科1,500種、2万5,000株を展示しています。温室内にも四季があり、カエンボク→ブーゲンビレア→マンゴー→ラッセレア→グアバ→バナナ→アリストロキア・ギガンティア→オドントネマ→カリアンドラへと開花リレーが繋がり、見どころは季節とともに移ろいます。

温室以外にも、一年草など季節を彩る草花が植栽される大きな花壇、主にオーストラリア産の植物で構成されるロックガーデン、ラベンダーやセージ、タイムなど多様なハーブが植栽されたハーブ園などがあります。春は芝桜、パンジー、バラ、初夏はラベンダー、アジサイ、夏はペチュニア、ベゴニア、ヒマワリと、四季を通してさまざまな花木や草花で彩られ、いつ訪れても華やかです。
また、定期的に多様なイベントが開催され、リピーターが多いのも特徴。夏は子どもたちを対象にした「ジャコウアゲハとウマノスズクサ観察会」、「食虫植物観察会」、「市花さぎ草観察会」、秋は「手柄山散策ツアー」、3月には市花であるサギソウの球根を植え付け、育て方を学ぶ「さぎ草ふれあい教室」があります。

その他、エントランス展示室・レンガ広場展示室では、四季折々に旬の植物に注目し、年に十数回の展示入れ替えを実施。いつ訪れても楽しい企画展が開催され、「毎回の展示会が楽しみ」という声が寄せられています。園内では花苗の販売も行っており、企画展の内容に合わせて品種を豊富に揃えた花苗を目当てに訪れる人も多いとか。売店では土産物や雑貨も販売しているので、お買い物を楽しむのもいいですね、ぜひお出かけを!
日差しが燦々と降り注ぐ温室内で
熱帯や砂漠の植物が旺盛に育つ

写真は大温室の様子。約660㎡のドーム空間では、オオギバショウ(タビビトノキ)、マンゴー、ガジュマルがシンボリックな存在。数々のトロピカルプランツが元気いっぱいに枝葉を広げ、冬でも植物の強い生命力が感じられます。写真に写っているのは、タコノキ、ラン類、食虫植物など。途中、階段の上には滝の噴出口があり、大温室内を巡る水のせせらぎにも癒やされます。

こちらの写真は小温室の様子。サボテンを中心に砂漠で生息する多肉植物を、原産地別に展示しています。写真に見えるのはブリンチュウ(武倫柱)、リュウジンボク(竜神木)、キンシャチ(金鯱)など。大きく立派に育った姿には、歳月を重ねたからこそ得られる迫力が備わっています。
ロックガーデン、ハーブ園も見どころ
四季の企画展も多様に展開

写真は、園内のロックガーデンの4月の様子で、約1,000株の芝桜が見頃を迎えています。岩の合間を縫うように這い広がり、密に花をつけてピンクの濃淡に染め上げる様子は一見の価値あり。季節が進むと、このロックガーデンではグレビレア、バンクシア、ゼフィランサス、カリステモン、プロテア、メラレウカ、ルリマツリなどの植物が開花します。
また、ハーブ園には、約100種類のハーブが植栽されています。ミント、タイムなどの香りを楽しむものや、ラベンダー、ローズマリー、セージなど花の美しい種類も多くあります。

色や形が「白鷺」にそっくりなことから名づけられたサギソウ。姫路市は、市のシンボルである姫路城(別名白鷺城)にちなみ、昭和41年8月に姫路市の市花に定めました。手柄山温室植物園では、約1,000株が栽培されており、8月が見頃です。また季節に関係なく観賞できるよう専用の栽培温室を設け、周年咲くように開花調整しています。夏には「市花さぎ草展」を開催。

毎年12月にはシクラメン展を開催。約50種、200株のシクラメンがクリスマスツリーやリース、スワッグなどとともに展示され、クリスマスカラーで華やかに彩られます。展示会期間中は、シクラメンの奥深い世界を解説する展示ガイドが行われるほか、クリスマスにちなんだアロマ小物づくり、カラーベル演奏会なども開かれますよ!
レストハウス「花の家」で一休み
花苗や土産物のショッピングも楽しもう!

「手柄山温室植物園」には、レストランや喫茶店はありません。飲み物やアイスクリームなどは自動販売機で、また休憩コーナーのあるレストハウス「花の家」では、コーヒー、紅茶、パンなどの販売をしています。お弁当や飲み物、おやつなどの持ち込みもOK。園内には写真のように姫路市の南部地域を一望できるデッキテラスが設けられているので、風を感じながらランチやおやつタイムを楽しむのもいいですね。

園内のレストハウス「花の家」では、季節の草花や園芸資材のほか、各種展示会に応じた植物を販売しています。写真はシクラメン展期間中の様子で、多品種が揃っています。オリジナルブレンドの培養土も人気商品の一つです。
また、手柄山温室植物園オリジナルのポストカードほか、さぎ草グッズ、ハーブグッズ、雑貨、「姫路モノレールグッズ」のレアアイテムを扱う売店もあり、お買い物も楽しめますよ!
Information
姫路市立手柄山温室植物園
所在地:兵庫県姫路市手柄93(手柄山中央公園内)
TEL:079-296-4300
姫路 手柄山 温室 植物園 (公式)(@tegara_shokubutsuen)
アクセス:電車/山陽電車、「手柄駅」下車、のち西へ徒歩約10分
バス/神姫バス、(JR姫路駅北口発)94系統「手柄山中央公園口」下車、のち西へ徒歩約5分(※土日祝日・夏休みには、園真下の停留所に留まる便利な『手柄山ループバス』が運行。神姫バス、(JR姫路駅南口発)97系統「武道館植物公園前」下車すぐ。詳しくは神姫バスHP「手柄山ループバス」参照)
車/姫路バイパス「中地ランプ」から約10分
休園日:金曜日(祝祭日の時はその前日が休園日)、12月29日~1月1日
営業時間:9:00~17:00(※入園は16:30まで)
料金:大人210円、小人(6歳から中学生)100円
※団体(30人以上)の場合、大人170円、小人50円
駐車場:普通車/手柄山中央公園内駐車場(温室植物園前駐車場 または手柄山中央公園内駐車場 徒歩約5分) 1日1回200円
大型バス/山上まで上がれないので、ふもと近くで乗客下車後、車両だけ野球場西駐車場 または文化センター南駐車場へ停車を。1日1回800円。
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