日常が豊かになる、飾る花、育てる花。『西荻百貨店』東京・西荻窪 今日はてくてく、「花屋さん日和」Vol.4
「シェアショップ」って聞いたことはありますか? シェアハウスのように、ひとつの空間を分け合うショップ。東京・西荻窪にある『西荻百貨店』が、その形態をとっています。
入っているお店は4つ。花屋さんと、カフェ、山野草のお店。そして地下では内装と家具のショップが開店準備中です。オープンしたのは5年前の2013年。『草と花 一草(isso)』の砂森聡さんが、発起人となって生まれた場所です。
ペパーミントグリーンのドアを開けて、最初にあるのは、そう、前回ご紹介した花屋さん『イッカ』。季節の草花をメインに少量多品種で揃えています。
オーナーの西野純子さんの花選びの基準は、ニュアンスのある色合いで、きれいなラインをもつ花。たとえば、取材時に店内にあった、この写真の花、エンシクリアがそう。カラフェやコップにさりげなくいけても、様になりますよね。日常の花でも、ちょっとだけおしゃれに決まります。
壁沿いに並んだ花器や多肉植物に似合う鉢を見ながら奥へと進むと、右手に、大小のテーブル席が4つ並ぶ部屋が現れます。ここがカフェの『くろもじ珈琲』。
引き戸の向こうのテラスは『草と花 一草(isso)』のスペースです。山野草のなかでも、楚々として、身近なものを選んで、ここに迎えているそう。
取材時に見つけた、この白い花は台湾梅花カラマツ。細いワイヤーのような茎咲きに可憐な花を次々と咲かせます。ほかに、テラスにあるのは落葉樹と実がなる木。色づき、実が膨らむたびに、季節の移ろいを知らせてくれる植物たちです。
カフェの『くろもじ珈琲』に戻って、ちょっと座ってみましょう。取材のときには、窓の向こうにはハンカチの木の青葉が広がっていました。窓辺や棚で、いつも山野草をいけている一輪挿しは、砂森さんと以前、ともに働いていた『カタチ製作所』の器です。
ほら、見ていて、ゆったりとした気持ちになってきませんか? 外の景色を眺めて過ごす時間が好きで、ひとりで訪れる人も多いよう。これから訪れる雨の季節にも、潤う花と緑で楽しませてくれる西荻窪の小さな隠れ家です。いける花と育てる花。ふたつの楽しみを探しにお出かけしてみませんか?
最後に、カフェメニューも少しだけ紹介しておきますね。サイフォンで煎れるコーヒーは、埼玉のコーヒー専門店で特別にブレンドしてもらった豆を使用。
最近、始めたカヌレはひとつ250円。
そして、これが、訪ねる日の朝からわくわくしてしまうキーマカレーです。スパイスのバランスがよく、トマトの酸味もさりげなく効いています。ポーチドエッグを割って、召し上がれ。サラダつきで870円。
おなかをすかしてお訪ねを!
Shop Data:西荻百貨店
ホームページ/http://isso-1999.com、http://icca-flower.com
住所/東京都杉並区西荻北4-35-10 西荻百貨店内
電話/03・3395・3122(西荻百貨店代表)
営業時間/11~18時
定休日/木・日曜(臨時休業、夏季休業あり)
アクセス/JR中央線・総武線 西荻窪駅北口より徒歩10分
Credit
構成と撮影と文・鈴木清子
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