「咲くやこの花館」は鉄骨造の総ガラス張り、2階建ての温室で、日本最大級の規模を誇る植物園。グリーンが少なくなる冬の時期は、暖かく整備された環境で生命力に満ちる草いきれの中を歩くと、元気をもらえそうです。バックヤードで開花調整し、常に見頃を迎えるように整備された植物園に、ぜひ出かけましょう!

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地球上のさまざまな気候帯に根づく
多様な植物をコレクション

1990年にオープンした「咲くやこの花館」は、建築面積約4,750㎡、延床面積約6,890㎡で、じっくり展示を眺めて歩くと約1時間以上かかる広さ。大阪市で開催された「国際花と緑の博覧会」のメインパビリオンとして建設された植物園です。園内には、5,500種、1万5,000株がコレクションされ、そのうち常に300〜400種が開花するように栽培されています。

咲くやこの花館

館内は「熱帯雨林植物室」「熱帯花木室」「乾燥地植物室」「高山植物室」にゾーニングされ、地球上のさまざまな気候帯に生息する植物を見学することができます。ヒマラヤや青いケシ(メコノプシス)、フニーバオバブなど、数々の珍しい植物が揃う点も見どころです。館内ではバックヤードで温度調整、開花調整を行って、一年を通じてさまざまな花が見られる工夫がなされ、なんと夜に咲く月下美人も日中に開花させる技術も披露しています。

咲くやこの花館の青いケシ

また、屋外に外部庭園も整備されているので、こちらにも足を運んでみたいもの。熱帯の水辺を設けたロータスガーデン、熱帯植物の中でも耐寒性のある植物を集めたトロピカルガーデン、ジャカランダがシンボルツリーのブロッサムガーデン、地中海式気候で息づく植物を集めたメディタレニアンガーデン、英国様式の見本庭園プチイングリッシュガーデン、乾燥地気候に根差す植物を集めたデザートガーデン、山野草の栽培に好適な、岩を組み合わせて作ったロックガーデンなど、多様な庭園スタイルを見学できます。

「咲くやこの花館」では、一年を通してさまざまな企画展やイベントを行っているのも魅力の一つです。「咲くや塾」と題し、植物など生物に関する大切な話や、企画展のテーマに合わせた話などを行っています。他にも寄せ植えやドライフラワー、プリザーブドフラワー制作の講習会、収穫体験会、クラフト体験会など幅広く展開しています。

咲くやこの花館

館内にはレストランがあるので、ランチを楽しむのもいいですね。営業時間は11:00〜15:30(ラストオーダー15:00)、定休日は月曜です。メニューはお弁当、カレー、麺類など軽食がメインで、価格は500円〜。また、吹き抜けのフラワーホールではカフェ(不定期)もオープンしています。館内への飲食の持ち込みも可能で、限られたエリア内で飲食できます。

また、ミュージアムショップも大人気。植物に関する雑貨や「咲くやこの花館」ならではのオリジナルグッズ、書籍、食品、植物、花苗などが多様に揃い、お土産や記念品などのショッピングも満喫できます。年間約23万人が訪れるという「咲くやこの花館」は、一度は訪れておきたい、充実の植物園です。

ガラス張りから燦々と光が差す温室では
自生地で見るような自然な姿に植栽

咲くやこの花館

「熱帯花木室」では、熱帯の果樹類やヤシ類、美しい花の咲く熱帯性の花木などをメインに植栽しています。トロピカルフルーツは、スターフルーツ、バナナ、マンゴー、パパイヤ、ライチ、レンブ、ジャボチカバ、ドラゴンフルーツ、アセロラ、パイナップルなど多彩。日本では自生するのが難しいものばかりのため、どんな木姿で、どのように実をつけるかを子どもと一緒に観察すると、食育の場にもなりそうです。

咲くやこの花館

「熱帯雨林植物室」では、熱帯雨林のジャングルをイメージしています。ジャングルに自生する植物を植栽し、着生して育つ多種多様なラン類は樹木につけるなど、自生地に近い姿で再現。また、沖縄そして東南アジアに自生する植物として有名なサガリバナや世界一横に大きな葉の植物で有名なオオオニバス、色とりどりの熱帯スイレンなども見られます。基本的に、同じ仲間の植物を近い場所に配置しており、同属内での形や色の変化などを視覚的に分かりやすくした展示も特徴的です。

咲くやこの花館

「咲くやこの花館」では、毎日フラワーツアーを開催しています。個人での参加の場合は当日受け付けOK(団体の場合は要予約)。参加費は無料で、約30分かけて館内の植物の見どころやイベントの紹介などのガイドを受けられます。館内案内所で申し込みができ、受け付l開始は10:30〜、12:30〜、14:30〜。出発時間は11:00、13:00、15:00で、先着20名まで。

季節を通してさまざまな企画展を開催
体験型のワークショップにもぜひ参加を

咲くやこの花館

「咲くやこの花館」では、季節によってさまざまな企画展を行っているのも、リピーターが多い理由の一つです。毎年3月頃に開催されるのは、約200品種が展示される春の洋蘭展。1階フラワーホール中央のステージを中心に、「大阪愛蘭会」の会員のみなさんが手塩にかけて育てた、数々の洋蘭が見られます。この企画に合わせ、育て方の講習会や展示解説が行われるほか、約2,000株の洋蘭が販売されます。

咲くやこの花館

ゴールデンウィークに合わせて開催されるのは「熱帯フルーツ展」です。約20種の熱帯フルーツや実際に木になっている様子を展示。写真のように色とりどりのタイの傘を吊るして、熱帯地域のステージショーも開催し、会場全体を熱帯地域の雰囲気を演出しています。

咲くやこの花館

7月頃〜9月頃に開催されるのは、食虫植物を約50品種集めて展示する「虫を食べる植物展」。特に子どもに人気の高い企画展で、毎年テーマを変えて展示しています。展示に合わせて食虫植物が虫を食べる様子を、実演を交えつつ行うライブ解説や食虫植物の育て方講習会、食虫植物グッズをつくるワークショップなど、多彩なイベントを実施しています。

クリスマスを盛り上げる飾りつけが素敵!
毎年開催する音楽コンサートも大人気

咲くやこの花館

クリスマスのシーズンには、毎年テーマを変えた飾りつけが行われます。世界各地のツリーの展示を行うほか、色とりどりのポインセチアやクリスマスツリーやリース、イルミネーションなど、華やかなディスプレイが見どころ。フォトスポットも登場するので、訪れた記念にぜひSNS映えする写真を撮りましょう!

咲くやこの花館

毎年、大温室では地元中・高校吹奏楽部によるクリスマスコンサートも開催されます。定番のクリスマスソングから、どの世代でも楽しめる音楽を楽しめます。2019年のスケジュールは以下の通りです。

  • 日程と出演:
    12月15日(日)大阪信愛学院中・高等学校
    12月21日(土)大阪国際滝井高等学校
    12月22日(日)大阪府立四條畷高等学校
  • 演奏時間:15:00〜16:15
  • 会場:1Fフラワーホール
  • 参加費:無料(別途入館料)

※イベント内容・展示は変更となる場合があります。

年明けからもイベント目白押し
冬の「咲くやこの花館」を満喫しよう!

1月5日(日)~26(日)は、「POPなきのこ展」を開催。前回の初開催では、14日間で1万3,000人を超える来場者があり、大反響でした。きのこの標本に、虫から出てくるきのこ「冬虫夏草」標本。そして、きのことコケの融合「きのこリウム」の展示は、おそらく日本初⁉︎

SNSで話題になった、きのこリウムの世界に入ったようなフォトスポットも再び登場します。きのこにまつわるさまざまなワークショップが行われ、ここでしか手に入らないきのこグッズも販売。ポルチーニアイスの試食も予定(土・日曜・祝祭日限定)。1月25日(土)にはきのこ博士の講座に、さまざまなきのこ分野で活躍する方々のトークショーを開催。最終日に予定されている、きのこお洒落が集うきのこのファッションショー「きのこコレクション2020」も大注目です。

2月1日(土)~3月1日(日)は、若い世代に大人気の「カカオとコーヒー展」を開催。実際に実がついているカカオやコーヒーノキを目の前で観察できます。

そして、「カカオとコーヒーのなるほど!ライブ解説」(1日3回無料)では、人とカカオやコーヒーの歴史、関わりを紹介。チョコレートの原料となるカカオニブスの試食も体験できます。

行列ができる人気ロースターやバリスタチャンピオンによるセミナー、グルメに関するワークショップが実施されるほか、3月1日にはミニ・ライブも開催。ワールドトラベルカフェ(期間中毎日開店)では、世界13カ国のアレンジコーヒーやカカオティーを楽しめます。

冬の「咲くやこの花館」は、「おいしい、あったか、いい香り」。

植物が生い茂る温室で、ほっこりしませんか?

※イベント内容・展示は変更となる場合があります。

Information

咲くやこの花館

所在地:大阪府大阪市鶴見区緑地公園2-163
TEL:06-6912-0055

https://www.sakuyakonohana.jp/

アクセス:Osaka Metro長堀鶴見緑地線「鶴見緑地」駅より徒歩約10分

オープン期間:1月5日~12月27日

休園日:月曜(祝祭日の場合は翌平日)

営業時間:10:00~17:00(入館は16:30まで)

料金:大人500円
※中学生以下、障がい者手帳等をお持ちの方(介護者1名を含む)、大阪市内在住の65歳以上の方は無料【要証明(生徒手帳、健康手帳、敬老優待乗車証等の原本)】
※団体割引あり

駐車場:有(中央第2駐車場 大型車8台 普通車200台)

Credit


取材&文/長田節子
ガーデニング、インテリア、ハウジングを中心に、ライフスタイル分野を得意とするライター、エディター。1994年より約10年の編集プロダクション勤務を経て、独立しフリーランスで活動。特にガーデニング分野が好きで、自身でも小さなベランダでバラ6姉妹と季節の草花を育てています。草花や木の名前を覚えると、道端で咲いている姿を見て、お友達にばったり会って親しく挨拶するような気分になれるのが醍醐味ですね。
https://twitter.com/passion_oranges/
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