花の庭巡りならここ! 南国ならではの植生が楽しめる「フラワーパークかごしま」
「フラワーパークかごしま」は、花き生産の盛んな地域を盛り上げようと、市民の交流の場として鹿児島県が整備した花の公園です。四季を通して地元で生産された草花で彩られ、いつ訪れても楽しめます。年間を通して多様なイベントも開催され、約12万人が訪れる、活気あふれる公園へと成長。南国ならではの、トロピカルな景色を楽しめるのも魅力の一つです。
目次
島々を入れると南北に長い鹿児島県ならではの
珍しく、貴重な植物コレクションを楽しめる
1996年にオープンした「フラワーパークかごしま」は、「花・風・光のシンフォニー」をテーマにした、花と緑であふれる公園。花き生産の盛んな地域性を生かし、花き生産者と市民の交流の場として設立されました。敷地面積は36.5ヘクタール(東京ドーム7個分)にも及び、大人の足でゆっくり歩いて2時間ほど。年間約12万人が訪れ、市民の憩いの場となっています。
園内には2,400種、およそ40万本の植物が。1月から開花する桜‘イズノオドリコ’から始まり、チューリップ、ポピー、ダリアなど、季節を通して満開の花畑が楽しめます。また、「シャクナゲの森」「ツツジの森」「バラ花壇」「ジャングル花の谷」など、エリアごとにテーマ性のある展示があり、それぞれに異なるスタイルの花壇やガーデンを観賞できます。
「フラワーパークかごしま」では、一年を通してさまざまなイベント、園芸教室、カルチャー教室が開かれており、参加型の企画をたくさん用意しているのも特徴です。売店では地元特産品が充実しており、サツマイモのアイスクリームが大人気。園内には飲食店は入っていないので、一日かけて遊ぶつもりならお弁当やおやつ、飲み物を持参するのがオススメです。売店でパンや飲み物、お菓子を購入するのもいいですね!
敷地の広さを生かした、面で魅せる花畑は圧巻
写真映えする添景物を置いたフォトスポットも人気
写真の‘イズノオドリコ’は、1月中旬から2月中旬まで約1カ月咲き続ける、早咲きの桜です。熱海で造園業を営んでいた石井武夫さんが発見し、命名した品種で、「フラワーパークかごしま」に寄贈されました。樹齢40年ほどで、花色は色鮮やかなピンク。約60本が植栽されており、いち早く桜の花見が楽しめます。
2月〜3月中旬になると、「フラワーパークかごしま」は5万本のチューリップで彩られる「チューリップ祭り」が開催されます。開花調整して長く満開の景色を楽しめるように演出。ユリ咲きや原種など、珍しい品種も揃い、同時期に咲くビオラやパンジーとの共演も見どころです。また、イベント期間内には「チューリップ展示会」のコーナーが設けられ、終了後には恒例の開花株即売会が開かれています。
3月末から4月にかけては、オレンジや黄色、白などのポピーが花盛りになり、1万本以上で花畑を埋め尽くします。この写真にも写っている通り、風車などの添景物を取り入れて、インスタ映えスポットを作っているので、ぜひご利用を! 同じ時期には、シャクナゲ、ハヤトミツバツツジも見頃になります。
「西洋庭園」のエリアは、ツゲのトピアリーで幾何学模様を描いた、イギリス式ガーデンです。敷地内にある、標高の高い展望回廊から眺めると、美しい幾何学模様が浮き立ちますよ! 背景にある白い建物では、園内で収穫したハーブを使って、ハーブティーの入れ方やハーブを使ったデザートの作り方、ハーブの虫除けスプレーづくりなど、体験講座のイベントが開催されます。
5月の「花広場」エリアは、ダリアの季節。約10品種、10万本が満開になります。イベントとして、「ダリア収穫祭」も。1回目は花を摘み取って持ち帰ることができ(開花状況によって変更あり)、2回目は開花が終わる頃のタイミングで行われ、球根ごと掘り上げて10株ずつ持ち帰ることができます。気に入った品種を選んで自庭に植えれば、翌年開花するとあって、毎年人気の高いイベントです。
島々を抱く南国鹿児島ならではの植生を再現
トロピカルな花々の景色を楽しもう
こちらは「ジャングル花の谷」のエリア。鹿児島県は、島々を入れると南北約600kmにも渡り、東洋のガラパゴスといわれるほど珍しく貴重な植物が見られます。ここでは、奄美や種子島、屋久島の植物を入り口に、だんだんと北上していくように植物を配置。南北に長い鹿児島県を実感する、多彩なジャングルの景色を楽しめます。
「屋内庭園」エリアは、明るい透明な屋根が設けられた、ウィンドウスルー形式の半人工的な環境の庭園です。防風壁、自然の山の尾根に囲まれているため、オープンエアながらも冷たい風や寒さから植物が守られ、バナナやヤシの木が枝葉を大きく伸ばしています。大型コンテナの寄せ植えは季節によって草花を模様替えし、四季を通してカラフルに演出しています。
「屋内庭園」の春から秋にかけては、トロピカルフラワーのハイビスカスやブーゲンビリアがこぼれるように咲き続け、南国ならではの景色を楽しめます。このエリアの隣には、ヒメショウジョウヤシが迫力たっぷりに植栽されている温室もあるので、悪天候の際の雨宿りにちょうどいいスポットですね。
展望回廊から海を望むナイスビューを楽しんで
園内では年間を通して多彩なイベントを開催
展望回廊は標高約40mで錦江湾を一望できるビュースポット。すがすがしい潮風が感じられ、大隈半島が見渡せるほか、種子島宇宙センターから打ち上げられるロケットも見ることができます。天候に恵まれた日は、ここでお弁当を広げるのもいいですね。写真中央の海に突き出している「竹山」は、地元では「スヌーピー山」と呼んで親しまれています。「スヌーピーが仰向けに寝ているようだから」ということですが、スヌーピーのお昼寝姿、ぜひ見に行ってみましょう!
「フラワーパークかごしま」では、さまざまなイベントが開催されています。12月上旬〜1月上旬はイルミルーションで彩られ、優しい光に包まれるナイトガーデンを満喫できます。写真は毎年冬に開催されるクリスマスローズ展の様子で、1,000株が品種によって系統立てて展示され、コレクターの熱い視線が集まります。ほかに定期的に園芸教室やカルチャー教室も開催されており、ホームページでその都度告知されます。参加希望の場合は、事前に予約が必要です。
Information
フラワーパークかごしま
所在地:鹿児島県指宿市山川岡児ヶ水1611
TEL:0993-35-3333
http://www.fp-k.org/
アクセス:公共交通機関/JR鹿児島中央駅から指宿駅まで約80分、JR指宿駅からバスで約35分
JR山川駅からバスで約20分
車/鹿児島市内から車で約90分(約60km)
山川港から車で約15分
オープン期間:通年
休園日:12月30、31日
営業時間:9:00~17:00(最終入園16:30〜)
料金:高校生以上620円 小・中学生300円 幼児無料
駐車場:525台(無料)
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Credit
取材&文/長田節子
ガーデニング、インテリア、ハウジングを中心に、ライフスタイル分野を得意とするライター、エディター。1994年より約10年の編集プロダクション勤務を経て、独立しフリーランスで活動。特にガーデニング分野が好きで、自身でも小さなベランダでバラ6姉妹と季節の草花を育てています。草花や木の名前を覚えると、道端で咲いている姿を見て、お友達にばったり会って親しく挨拶するような気分になれるのが醍醐味ですね。
https://twitter.com/passion_oranges/
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