花の庭巡りならここ! 麗しき英国式庭園「みつけイングリッシュガーデン」
四季がはっきり変化する日本には、豊かな自然と幅広い植物群、そして花を美しく咲かせる技術力があり、海外からも注目されているガーデンがたくさんあります。全国各地で育まれ、訪れる人々を感動させる花咲く数々のスポット。人生で一度は訪れてほしい観光ガーデンへご案内します。
目次
ボランティアにより維持される本格的なイングリッシュガーデン
2009年にオープンし、広さ22,000㎡(公園部分は16,000㎡)の敷地を持つ「みつけイングリッシュガーデン」は、新潟・見附市が管理する観光ガーデン。見附市の緑地帯を活用し、市内の緑化と交流の拠点としてイングリッシュガーデンに整備されました。デザイン監修は、英国園芸研究家のケイ山田さんです。イギリス式の植栽はもちろん、ガゼボやアーチ、ベンチ、オーナメントなどのガーデン資材は全て英国製にこだわり、本場の雰囲気を再現。現在も年に2回は訪れて、植栽やメンテナンスなど、景観維持のためのアドバイスをしています。
「みつけイングリッシュガーデン」は、正面入り口のアイアンゲートをくぐると、「ボーダーガーデン」「ウェディングガーデン」「池とガゼボ」「アナベルロードと芝生広場」「バラロード」「展望台(ガゼボ)とロックガーデン」「メドウガーデン」など、各エリアに分けられ、それぞれに変化に富んだ植栽が見られます。イギリスの庭園さながらの洗練された景色には、ため息がもれるばかりです。
特筆すべきは、「みつけイングリッシュガーデン」のメンテナンスは、市民ボランティア団体「ナチュラルガーデンクラブ」が行っていること。水やりや草取り、植え替え、剪定、苗の生産(ナーセリー)など、初期は不慣れな点も多かったものの、ボランティア参加者たちは年々スキルを磨いていったそう。今やガーデニングの専門知識や技術を、ガーデニング教室やワークショップの開催によって、来園者に還元しています。園内への入場料は無料のため、気軽に訪れることができるのも嬉しいところ。もともと見附市が目指した「緑化と交流の拠点」が実現し、理想的な憩いの場となっています。2018年には新しくカフェ&ショップもオープン。見附市民のみなさんが愛して育んできた、温もり感あふれる観光ガーデンに、ぜひ足を運んでみませんか。
息を呑むほどの壮麗な景色にうっとり!
ケイ山田さん監修の英国式庭園
「みつけイングリッシュガーデン」の春を彩るのは、クロッカス、クリスマスローズ、パンジーなど。4月中旬〜5月上旬にはチューリップが見頃になり、「ボーダーガーデン」「ウェディングガーデン」、コンテナを中心に、それぞれのエリアで色彩テーマを変えて植栽しています。写真はパステルピンクのチューリップとパステルブルー&パープルのパンジーの組み合わせで、ソフトで優しい雰囲気。
高さ2.5m、奥行き10mのアーチに仕立てた藤は、樹齢約15年の‘フロリバンダ’。見頃は5月いっぱいです。頂部から長い花穂がたわわに枝垂れる藤のトンネルはダイナミックで、その下を歩くと至福のひとときを味わえます。
「みつけイングリッシュガーデン」には、約150種700株のバラが植栽されています。パーゴラ、アーチが3カ所にあり、それぞれにつるバラを誘引した壮麗な景色は、眼福そのもの。この写真は「ボーダーガーデン夏エリア」で、アーチに仕立てたバラ‘ブラッシュ・ランブラー’を主役に、ピンクをテーマカラーにして植栽。毎年、一年草で模様替えをして、異なる雰囲気を演出しています。
写真は、赤いバラで統一したトンネル。‘エトワール・デ・オランダ・クライマー’、‘ギネー’、‘エクセルサ’、‘ニュードーン・レッド’、‘アレン・チャンドラー’、‘チェビーチェイス’などのつるバラを誘引しています。紫の花穂を立ち上げている下草はキャットミント。色のコントラストがシックで、圧巻の景色です。赤バラのトンネルをくぐり終えたら、ぜひ後ろを振り返ってください。最後のアーチの裏側のみ、白いバラ‘ガーデニア’、‘フラウ・カール・ドルシキー・クライマー’で覆われており、これまで見てきたトンネルとはまた違った印象の景色が広がります。
「みつけイングリッシュガーデン」の園内は、どの通路も車椅子や乳母車が通れる広めの設計で傾斜もゆるやかなので、誰でも気軽に訪れることができます。写真のエリアは「アナベルロードと芝生広場」。見頃は6月下旬〜7月中旬で、芝生の周囲に列植された西洋アジサイ‘アナベル’が満開となって、見事な景色をつくりだします。‘アナベル’の下草は毎年「ボランティア植栽会」で一般の参加者が植栽。花の種類は毎年変わるので「今年はどんな色合わせが楽しめるのかな」と、リピーターが楽しみに訪れるスポットです。
写真手前の草花は「ウェディングガーデン」の一角です。「華やかさ」をテーマにしたエリアで、植栽によるカラーコーディネートの妙を楽しめます。奥に見えるガゼボは休憩スポット。「みつけイングリッシュガーデン」への飲食の持ち込みは自由で、飲食可能なスペースは「ガゼボ」「ガーデンテント」「子ども広場」です。また、園内にはゴミ箱が設置されていないので、ゴミは各自で持ち帰るようにしましょう。
毎年秋に開催される「オータムフェア」では
来園者参加型の楽しいイベントを開催!
毎年秋には「オータムフェア」を開催(2018年は9月29日〜10月8日)。「みつけイングリッシュガーデン」内各所にハロウィンスポットが登場します。ぜひ一緒に写真を撮って、ハロウィンを楽しみましょう。また、多肉植物の寄せ植えづくりやスワッグづくりなど、クラフトを楽しむワークショップが催され、クラフト作家が販売する「青空マーケット」も展開。「ハロウィンこども DAY!」(2018年は10月8日)では、仮装した子どもたちが遊びに来て、園内をさらに盛り上げます。
2018年4月よりオシャレなカフェがオープン!
併設の土産物売り場も充実の品揃え
「みつけイングリッシュガーデン」では、来園者から「くつろぐ場所が欲しい」との要望を受けて、2018年4月にオシャレなカフェ「MEG CAFE 511」がオープンしました。営業日は開園中(4〜11月)は無休、閉園中(12〜3月)は火曜定休、年末年始は休館。営業時間は10:00〜21:30、ラストオーダー21:00(季節により変動)。店内40席のほか、テラス席が12席ほどあります。価格帯はランチプレート1,080円〜、ディナープレート1,280円〜、本日のケーキ360円〜。オススメは3日間熟成させるモチモチのピザ、インスタ映え間違いなしのドリンク「ローズレモネード」など。テイクアウトメニューもあります。
写真は、カフェ「MEG CAFE 511」の人気スイーツメニュー「ふわとろフレンチトースト」(S580円、M780円)。フレンチトーストの上にアイスクリームがのっています。蜂蜜をたっぷりかけて、召し上がれ! 秋には季節感たっぷりのフレンチトーストが登場します。
写真は、カフェ「MEG CAFE 511」のインスタ映えドリンク。手前はローズレモネード×ブルー、奥はローズレモネード×ピンク(各400円)。シロップとレモネードが別々に出され、生レモンスライスたっぷりのドリンクに、ローズペダルの入ったシロップを注ぐと、なんとなんと、レモネードの色が変化します! 話題のドリンクをぜひ味わってください。
カフェ「MEG CAFE 511」店内には、土産物売り場が併設されており、新潟・見附市の特産品やオリジナルグッズ、花苗などを販売。オススメは、ニットの街「見附」×イングリッシュガーデンのコラボ商品「ニットのテディベア」4,800円〜、「みつけイングリッシュガーデン」で収穫した見附産100%ローズヒップ(無農薬)がたっぷり入ったフィナンシェ(6個入り)1,000円です。
秋〜冬には、ガーデンや「MEG CAFE 511」店内で、ワークショップを不定期開催しています。あらかじめ公式ホームページをチェックして、参加の計画を立てるのもいいですね。
Information
みつけイングリッシュガーデン
所在地:新潟県見附市新幸町6-35
TEL:0258-66-8832
http://www.city.mitsuke.niigata.jp/ (見附市ホームページ内)
アクセス:公共交通機関/信越本線JR見附駅から1.2km(車で5分)
車/北陸自動車道 中之島見附I.C.から2km(車で3分)
オープン期間: 4月1日~11月30日
営業時間:8:40~日没
料金:無料(草花の管理協力金として、1人100円程度の寄付をお願いします)
駐車場:145台(無料)
Credit
取材&文/長田節子
ガーデニング、インテリア、ハウジングを中心に、ライフスタイル分野を得意とするライター、エディター。1994年より約10年の編集プロダクション勤務を経て、独立しフリーランスで活動。特にガーデニング分野が好きで、自身でも小さなベランダでバラ6姉妹と季節の草花を育てています。草花や木の名前を覚えると、道端で咲いている姿を見て、お友達にばったり会って親しく挨拶するような気分になれるのが醍醐味ですね。
https://twitter.com/passion_oranges/
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