上野ファームの庭便り「鮮やかな夏を彩る、エキナセアの世界」
母娘で17年間、北海道の大地にガーデンをつくり続けている上野砂由紀さんは、楽しみながら自然と親しむ方法をよく知っている女性です。そんな彼女が北海道旭川の「上野ファーム」を舞台に、庭づくりをしながら感じたこと、発見したこと、感動したことを季節の写真とともにご紹介します。ガーデンは思いがけない感動をくれる、心の栄養補給ができる場所ですよ。
目次
夏の庭に欠かせない主役花、エキナセア

強い日差しにも負けず、上野ファームの夏の庭をいつも元気に彩ってくれる植物はいろいろありますが、その中でもエキナセアは、夏の主役ともいえるくらい華やかで鮮やか。上野ファームの夏の庭には、もはや欠かせない存在です。

夏から秋の終わり近くまで咲き続ける開花期の長さも魅力です。多少の雨であれば倒れることも少なく、病害虫にも強いので、庭づくりを始めたばかりの方でも気軽に植えられる、オススメ植物です。エキナセアと聞くと、ピンクのイメージですが、最近では、黄色やオレンジなどの色のバリエーションも増えて、八重咲き品種などもあり、さまざまな植物との組み合わせを楽しめるようになりました。

以前は、エキナセアは“背が高くて使いにくい”というイメージをもっていた方も多かったようですが、最近では、背の低い品種が多く登場しているので、いろいろな草丈が選べるようになりました。ひざ下くらいの草丈であれば、倒れにくく庭でも場所を取らずにコンパクトに楽しめます。エキナセアは、数年育ててもそれほど株が大きくなる植物ではないので、ボリューム感を出したい場合は同じ品種を数株まとめて植えると、こんもりしたボリュームでより華やかなコーナーをつくることができます。

白のエキナセア‘ベイビーホワイトスワン’と組み合わせた優しいブルーのアスター。夏こそ鮮やかな色でまとめたほうが、強い日差しに負けません。

濃い色は使いにくいと思われがちですが、ちょっとした庭の差し色としてビビッドな色をピンポイントで使うと、ガーデンにスパイスが入ったように引き締まります。
ダイナミックな群植を楽しむ

限られたスペースの庭に植えるときは、コンパクトにまとまるような品種を選びますが、上野ファームでは、エキナセアの色の迫力をより魅力的に見せるために、群れで咲くようなイメージで植栽している場所もあります。いつも見慣れているシンプルなエキナセアも、組み合わせやボリューム次第で新しい表情が生まれます。

ピンクとも相性がいい、ブルーのエリンジウムやアリウムをパレットの絵の具のように混ぜ合わせて。エキナセアの背景に見えるピンクの花はフィリペンデュラ‘マグニフィカ’。

白とピンクのエキナセアの間に、オーナメンタルグラスを入れることで、より花の輪郭がはっきりします。濃い色合い同士の組み合わせも、間にグラスを入れることで庭の表情が柔らかになります。
よりナチュラルに楽しむ
派手な組み合わせだけでなく、オーナメンタルグラスと合わせて、草原の中の野草のようなイメージで表現することができるのもエキナセアの魅力です。シンプルな組み合わせでも、エキナセアは十分に魅力を発揮します。

オーナメンタルグラスから透けて見えるエキナセアも風情があります。

オミナエシとグラスのシンプルな組み合わせ。素朴な花と一緒に合わせてもなじみます。夏も終わりに近づくと、エキナセアの鮮やかな色が次第に抜けて色あせてきますが、アンティークカラーに変化してゆく様子もとても魅力的に見えます。花が終わって秋にシードヘッド(タネの頭)になった姿もまた違った魅力があるので、ぜひ最後まで楽しみ尽くしてみてください。

シードヘッドだけになったエキナセア。最後は色ではなく、形としてドライフラワーのように楽しむ観賞にもエキナセアは向いています。

ボーダーでも彩りを添えてくれる、エキナセア‘ピンクダブルデライト’(手前)。淡いピンクのソープワートと一緒に爽やかに。

夏の庭を華やかにも、ナチュラルにも自在な表現で使える植物はなかなかありません、魅力的なエキナセアの新しい世界、ぜひ皆様もお庭で楽しんでみてください。
北海道の夏の庭の本番はこれからです。夏も途切れることなくさまざまな花がボリュームいっぱいに咲く北国の庭に、ぜひ遊びにいらしてください。
夏から秋も魅力がいっぱいの「北海道ガーデン街道」もチェックを!
Credit
写真&文 / 上野砂由紀 - ガーデナー -

うえの・さゆき/北海道旭川にある「上野ファーム」のガーデナー。大学卒業後、アパレル会社に勤務し、園芸を学ぶため退社して渡英。2001年から実家である「上野ファーム」で庭づくりを始め、旭川ではいち早くオープンガーデンをスタート。2008年に放送されたTVドラマの舞台となった富良野の「風のガーデン」や「大雪 森のガーデン」の植栽デザインのほか、全国で講演会・トークショーなども行う。二男の母。
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