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上野ファームの庭便り「バラも宿根草も! 思いっきり楽しむ夏の庭」

上野ファームの庭便り「バラも宿根草も! 思いっきり楽しむ夏の庭」

母娘で17年間、北海道の大地にガーデンをつくり続けている上野砂由紀さんは、楽しみながら自然と親しむ方法をよく知っている女性です。そんな彼女が北海道旭川の「上野ファーム」を舞台に、庭づくりをしながら感じたこと、発見したこと、感動したことを季節の写真とともにご紹介します。ガーデンは思いがけない感動をくれる、心の栄養補給ができる場所ですよ。

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バラが咲く華やかなシーズンが到来

いよいよ北海道もバラのシーズンに入りました。バラを主役とした庭園は、全国にたくさんありますが、上野ファームの庭は、バラだけが主役ではなく、宿根草の中にバラが混じって咲いているような雰囲気です。バラと同じ時期から最盛期を迎える宿根草もたくさんあるので、すべての花が美しく咲き誇り、どの花も主役といえるくらい華やかなシーズンが、バラの咲く季節なのです。

黄色系のバラと合わせて、涼し気なブルーのゲラニウムとバーバスカムがバラの周りを囲みます。

大きな葉やボリュームのある花に埋まりそうになりながら、上野ファームのバラたちは、宿根草の隙間から私が主役といわんばかりに顔を出し、たくましく開花しています。いろいろな草花と一緒に咲くバラたちはとても素敵です。

周囲の植物によって表情が変わるバラ

アルケミラ・モリスやゲラニウム、シレネなどの茂った緑に赤バラが浮かび上がるよう。

バラは一輪でも十分美しい花だと思いますが、共演させる花たちによって表情がまた違ってくるように思います。周りをどんな役者で囲むかによって、バラの雰囲気も変わるのだと思います。静かな小花と合わせたり、時には大輪のシャクヤクと競わせたりと、どんな植物と一緒に咲かせると面白いのか。いろいろと考えながら、あまりルールにはとらわれずに、バラと宿根草の庭づくりを楽しんでいます。

マザーズガーデンに咲くバラたち。
宿根草とバラが遊ぶように、自由気ままに花咲くマザーズガーデンのバラたち。大胆な植栽が好きな母の庭です。

華やかなバラは、シンプルで素朴な野草とも実は相性がいいのです。野草とバラと聞くと、ちょっとアンバランスな気もしますが、その土地の植物と合わせて咲くバラも、オリジナリティーのある地域性が出て魅力的だと思っています。

大型の植物とバラのコンビネーション

背景にクレマチスや北海道に自生する野草、エゾクガイソウを合わせたサークルボーダー。
バラと合わせやすいネペタやゲラニウムは定番の組み合わせですが、実はバラの背後には野山で見かける巨大なオニシモツケが咲いています。

ボリュームある小さな花の塊とバラは、どちらの魅力もより引き立て合いながら、とてもよい関係をつくることができます。大型の植物を近くに植えることは、バラにとっては日陰をつくることになるので、あまりよくないとは分かっているのですが、上野ファームでは思い切って大きな植物を背景にもってくることもよくあります。豪華なバラと相まってダイナミックな植栽となり、それもまた楽しいシーンとなります。

例えば、サークルボーダーのホワイトエリアでは、2m近くになる大きなレースフラワーのような、バレリアナ・オフィシナリスを背景に、白いバラが重なるように見えて、とても素敵なイメージになります。

手前にはジギタリス、背後には大きなバーバスカムでバラを挟むように植栽しました。尖った雰囲気の植物は、丸い顔のバラととても相性がいいのです。また、写真では見えませんが、バラの後ろには細い園路があり、バラの背景に見えている植物は実は離れた場所に植わっています。こうした環境ならば、バラの背景に大きな植物をもってくることが可能です。見る角度や位置によって、バラの背景に何が見えるのかを考えながら植物を選ぶのは、とても楽しいことです。

上野ファームのバラは7月から見頃に

北海道はこれからがバラのベストシーズン。バラが咲き終わると今度は盛夏の花たちが一斉に開花を始めます。夏の間も途切れることなく、のびのびと花咲く植物が楽しめる北国の庭に、ぜひ遊びにいらしてください。

美しいバラと合わせて、さまざまな庭を楽しめる「北海道ガーデン街道」もチェックを!

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