園芸の手仕事は春や秋のガーデニングシーズンだけでなく、一年中コンスタントにあるもの。それだけに、日常的に行う庭仕事に欠かせないガーデニングツール選びは、作業効率や花のコンディション、さらにはガーデナーのモチベーションにも大きく影響します。今回は、花のプロが監修した、植物との付き合いがもっと楽しく快適になるガーデニングツールをご紹介します。
目次
「あったらいいな」の声から生まれたガーデニングトレイ
今回お話を伺ったのは、東京都文京区にある園芸店「グリーンショップ 音ノ葉」で寄せ植えの講師を務める、芳野敬子さん。草月流師範で、海外における生け花の普及活動を長きにわたり牽引したのち、近年では講談社グループの「グリーンショップ 音ノ葉」をはじめ都内各所で、寄せ植えを通して植物を育てる楽しさを広める活動を行っています。そんな芳野さんが寄せ植えを生徒さんに教える中でアイデアが浮かび、生み出したガーデニングツールがあります。
「今、私が講師を務める寄せ植えサークルでは、お借りした会議室を利用しているのですが、テーブルの上に新聞紙などを敷いて寄せ植え作りをしていただくと、土がこぼれたり床が汚れてしまうことがよくあります。寄せ植えをするたびに新聞紙を使い捨てなくてはいけないことや、水に弱く、花が引き立たない新聞紙を使うことに違和感がありました。そこで、持ち運びがしやすくてトレイ状になるいいアイテムがないか考えている中で、オリジナルで作ろうと思いつきました」
「このガーデニングトレイ、特徴はスナップボタンを留めれば四隅が立体的に立ち上がることと、表面に防水加工を施している点です。これなら土はこぼれにくく、お子さんにも、この中で作ってねと伝えれば分かりやすいですし。また、スナップボタンを外せば汚れを拭き取るのが簡単なうえ、畳めばかさばらず運搬がラクです。このトレイのおかげで、片付けもしやすくなりました」と、芳野さん。
広げた状態で約72cm四方のシートは、スナップボタンを留めると周囲が11cmほど立ち上がった52cm四方のトレイになります。多くのテーブルに収まるサイズで、トレイの中で作業もしやすい寸法です。
もともとは芳野さんにとって使い勝手がいいように、サークルの活動内容などに合わせて作ったガーデニングトレイですが、「私も欲しい!」という声が多く聞かれるようになりました。そして、寄せ植え教室の生徒さんにとどまらず、観葉植物をメンテナンスする会社からも購入希望が来るなど、思いがけず多方面に活用できる製品だと気づかされたと言います。
ガーデニング以外でも活躍する便利なアイテム
このガーデニングトレイには、四隅に取っ手がついています。これはキャンプ好きな友人の「取っ手があれば、大きなものを包んで持ち運んだり、アウトドアシーンでも活躍しそう」という発案から取り入れられたもの。トレイでもあり袋でもある、変幻自在な風呂敷のような使い勝手のよさが生まれました。実際に芳野さんの周囲では、ガーデニングだけでなく、生け花の稽古や、キャンプで薪を集めるときなど、使う人によって自由な発想で活用されています。また、この取っ手のおかげで、どこにでも引っ掛けて干せるのも、後から気づいた利点です。
上写真のように、シートに苗を乗せたら四隅の取っ手を持つだけで運搬できるので、袋に物を出し入れするような手間もなく使えるのも魅力です。また、大きさがバラバラで袋に収めにくい物も、シートを2つ折りにすればストレスなく運ぶことができます。素材は丈夫でしなやかなキャンバス地で、縫製も日本国内。耐久性の高さはメイドインジャパンの折り紙付きです。
お手入れ簡単! サッと片付けられてキレイが続く
シートには、丈夫で耐久性のあるオーガニックコットンのキャンバス生地に撥水加工を施したオリジナル素材を使用。生地に厚みがあるためしっかりとトレイ状になるのも、使いやすさのポイントです。土などの汚れはサッと拭き取るだけでOK! 清潔感があり、花や緑が映える白色を選んだのも芳野さんのこだわりです。
日々花や緑と共に過ごす芳野さん考案のガーデニングトレイを、ガーデンストーリーウェブショップで限定販売します。初回数量限定ですので、ぜひお早めにチェックしてみてくださいね。
ガーデニングトレイの商品ページはこちら
https://www.gardenstory.shop/shopdetail/000000000177
花と手指に寄り添う、老舗メーカーの花バサミ
花の手入れやフラワーアレンジをするときに必須の道具の一つ、花バサミ。自分に合う花バサミを選ぶには、何を決め手にすればいいのか迷いますよね。
海外で生け花の普及活動をし、花との付き合いも長い芳野さん。2023年秋冬に発売された創業100余年の老舗花鋏メーカーによる人気シリーズの新色監修をした芳野さんに、花バサミ「ハンドクリエーション F170」の魅力を教えていただきました。
「ハンドクリエーション F170」は、刃物や洋食器の製造が盛んな新潟県三条市で1903年の創業以来、主に生け花や盆栽用のハサミにおいて優れた製品を世に送り出してきた「坂源」のベストセラー商品です。そのクオリティは業界から高く評価され、全国の生花店や華道家、フラワーデザイナーからも厚い支持を得ています。
「なんといっても使いやすい。切れ味がよいのはもちろん、軽量で、人差し指をかけられるくぼみがあるので手にフィットし、持ちやすく、手が疲れにくいのが特徴です。太さ1cmほどの枝から茎の細い切り花まで、そして庭で育つ草花の手入れや剪定にも活用できますよ。刃はフッ素樹脂加工されていて錆びにくく、ハンドルの末端まで鋏の素材が入っているため丈夫さも抜群です。華道家である私は花バサミの使い勝手にはこだわりがありますが、ハンドクリエーション F170は愛用品のひとつです」と、芳野さん。
芳野さんが監修した新色は、秋冬をイメージしたくすみカラーの4色。「ハンドクリエーション F170」の新色登場は11年ぶりで、従来のパキッとした鮮やかな色展開とはガラリと雰囲気が変わった新鮮なナチュラルカラーが仲間入りしました。
ハンドル部分の色違いに加え、白刃と黒刃の2タイプがあり、白刃はカジュアルな印象、黒刃はスタイリッシュな雰囲気。長く飽きのこない色調のハサミは、庭仕事の相棒として活躍してくれるでしょう。また、刃当てケースが付いているので、保管や持ち運びにも安心です。
これまで多くのファンに長く愛されてきた「ハンドクリエーション F170」。ご紹介の白刃、黒刃の各新色を、ガーデンストーリーウェブショップでお求めいただけます。切れ味がよく、手が疲れない、プロに選ばれている花バサミ。ガーデニングシーズン到来の今、自分へのご褒美にハサミを新調したり、花仲間へのプレゼントにもおすすめです。
花バサミ【ハンドクリエーション F170】の商品ページはこちら
https://www.gardenstory.shop/shopdetail/000000000178
旬の花を見つけにガーデンショップへ出かけよう
今回2つのイチオシアイテムを教えてくださった芳野さんが、毎月寄せ植え教室を開いている園芸店「グリーンショップ 音ノ葉」。桜の頃には海外からの観光客も多い、ホテル椿山荘の隣という立地で、『緑から四季の移り変わりを感じる』をコンセプトに、季節の花や宿根草、ハーブなどこだわりの苗セレクションのほか、樹木や観葉植物、花鉢、ガーデニング資材など、ガーデニングに欠かせない商品が揃う、都内でも貴重なガーデンショップです。
クリスマスローズやバラに精通したスタッフも在籍しているので、購入時にアドバイスをもらったり、育て方やお手入れ方法などの相談も可能。また、朝食からディナーまで楽しめるカフェが隣接しているので、お買い物だけでなく、緑豊かな景観の中でゆっくりひと息もおすすめです。
記事協力
グリーンショップ 音ノ葉
東京都文京区関口2-11-31
TEL:03-3942-0108
営業時間:10:00~18:00
定休日:月曜日(祝日は営業)
Credit
話 / 芳野敬子 - 華道家 -
よしの・けいこ/草月流師範会会員。1980年草月流入門。1984年パリに留学し、フランス商工会公認エタラジスト&デコラターの資格を取る。1999年からパリ日仏文化会館の初代いけばな講師、ロンドンいけばな展を7回主催、N-Parksでのいけばな指導を行うなど、海外におけるいけばな普及に寄与する。近年では園芸店「グリーンショップ音ノ葉」や千代田区の九段生涯学習館などで寄せ植えの講師を務めるなど、いけばなと園芸の両方で花のある生活を多くの世代と楽しむ。
写真 / 3and garden
スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。
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文 / ガーデンストーリー編集部
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