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外壁を植物で覆っておしゃれな雰囲気に! どんなメリット・デメリットがある?

外壁を植物で覆っておしゃれな雰囲気に! どんなメリット・デメリットがある?

Nnattalli/Shutterstock.com

環境汚染による気候変動が懸念されている昨今ですが、日本の夏も年々暑くなってきています。そこで、植物の力によって少しでも涼しい環境を得ようと、注目されているのが壁面緑化です。「わが家も外壁の緑化に取り組んでみたい」と考えている方も多いのではないでしょうか。この記事では、壁面緑化のメリット・デメリットやおすすめの植物、撤去時の方法などについて解説します。

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外壁を植物で覆う壁面緑化とは?

壁面緑化
saimonstock/Shutterstock.com

壁面緑化とは、文字通り建物の外壁を植物で覆うことをいいます。旺盛に枝葉を伸ばして生育するつる植物を建物に這わせるのが最もポピュラーで、初心者でも取り組みやすい緑化の方法です。ほかにも植物を植栽できる壁面パネルを建物に設置する方法や、プランターを積み重ねて壁面状にする大掛かりな方法、苔を壁面に繁殖させる方法などがありますが、この記事では一般家庭で実現しやすい、つる植物を取り入れる方法についてご紹介します。

外壁を植物で覆う4つのメリット

壁面を緑化することで、4つのメリットを得ることができます。ここでは、それぞれのメリットについてご紹介します。

1.外観がおしゃれな雰囲気になる

旺盛に枝葉を伸ばして生育するつる植物を、外壁などの広い面に這わせることで、みずみずしいシーンを作り出すことができます。建物の外壁をグリーンで覆えば、ナチュラルな雰囲気となり、周囲の景観に調和しながらもランドマーク的に個性を発揮することが可能です。また外観デザインが味気ない場合も、みずみずしいグリーンで覆って目隠しすることで、見映えが格段によくなります。海外のおしゃれな街角でもつる植物を外壁に誘引している事例は多く、つる植物は外観デザインをセンスアップするためのアイテムとしても重宝されています。

2.断熱効果がある

外壁を植物で覆うことにより、太陽光による熱が建物に伝わるのを防ぎ、断熱効果が高まります。主に窓辺をつる植物で覆うグリーンカーテンは、夏は葉を茂らせて緑陰をもたらすことで涼しくしつつ、冬は暖かい日差しを取り入れるためならば、一年以内に枯死する一年草や冬は葉を落とす落葉樹を選びます。しかし、建物の外壁に這わせる場合は、冬も葉を落とさず、落ち葉の掃除の頻度が少ない常緑樹が効果的。冬も美しい景色を保つだけでなく、建物内の暖房熱を逃さない効果も期待でき、夏は熱を遮断し、冬は断熱効果を得られます。また、真夏の強い紫外線による外壁の傷みを軽減する効果も期待できます。

3.省エネになる

外壁に常緑性のつる植物を誘引することで、夏は強い日差しを和らげて室温を下げ、冬は室内の温まった空気を外に逃さずに屋外の冷たい空気も伝えにくい効果が得られます。そのため、室内で使う冷暖房費が抑えられることになり、結果的に省エネに繋がります。エネルギー問題によって電気代が高くなる一方の昨今、壁面緑化を導入するのも一案です。

4.環境や人にやさしい

壁面を広く植物で覆うことで緑の量が大幅に増え、それによって二酸化炭素の削減に寄与することにもつながり、環境にやさしい取り組みといえます。また、青々とした葉が茂ることで、見た目にもリラックスや癒やしの効果が得られるのもいいですね。さらに花が咲くタイプの植物を選べば、暮らしに彩りや香りが加わり、季節の移ろいを強く感じることができます。

外壁を植物で覆う4つのデメリット

壁面緑化
Dmitrii Pridannikov/Shutterstock.com

外観がおしゃれになるとか、環境にやさしいなどといった、壁面緑化のメリットについて解説しましたが、よい面だけを見て悪い面に目をつぶるのはフェアではありませんね。「こんなはずじゃなかった」という失敗を防ぐためにも、デメリットについてもご紹介しましょう。

1.虫が発生しやすい

植物も食物連鎖を構成する要素の一つなので、捕食者としての虫がつくことは避けられません。大量に発生してしまうと、不快なばかりかご近所に迷惑がかかってしまうこともあります。壁面を植物で覆ってしまうため被害が大きくなりやすく、またそうなると駆除に手間がかかることも。薬剤を散布するまでに至った場合は、薬剤を散布する日を知らせて、作業する時間帯に窓を開けないようにしてもらうなど、近隣の方々に配慮する必要があります。しかし、虫を呼ばない植物を選ぶことで回避できる場合が多いです。

2.管理の手間がかかる

外壁に這わせる植物は、美しい外観を保つ必要があります。枯れ葉をそのままにしていたり、害虫の発生をそのままにしていたりすると不潔感が漂ってしまい、住んでいる本人も近隣住人も、気持ちよく暮らせないでしょう。ひいては「だらしのない、つけ入るスキのある家」と見られてしまい、防犯の面でもよくありません。水やりや施肥、枯れ葉の整理などはもちろん、枝が暴れてしまわないように剪定や誘引も必要です。枯れ葉などは雨樋や排水溝を詰まらせがちなので、予防のためこまめに掃除をしておきましょう。

3.外壁や建材を傷める恐れがある

フィカス・プミラ
気根を壁に吸着して育つオオイタビ(フィカス・プミラ)。NPvancheng55/shutterstock.com

つる植物は、他者に絡んで生育範囲を広げていく性質があります。特に気根と呼ばれる吸着力のある根を出して生育するタイプは、建物を傷めてしまうことがあるので注意。レンガや石などの丈夫な材を外壁に使っている場合は問題ありません。しかし、つる植物を這わせることを想定していない建材を使用している場合は、気根が中まで食い込もうとして傷めてしまい、雨漏りやひび割れを招くことがあります。また、家の周りに室外機や配管があれば、そちらにつるの勢力を伸ばして、故障させたり、破損を招いたりするケースもあるようです。

4.外壁自体のメンテナンスがしづらい

植物で外壁を覆ってしまうと、外壁の再塗装などのメンテナンスができなくなります。塗装が必要な外壁材を使っている場合は、劣化が進みやすいので注意が必要です。

外壁に植物を這わせるパターン

つる植物
Radovan1/Shutterstock.com

外壁に植物を這わせる方法は2通りあります。ここでは、それぞれの方法について解説していきます。

直接這わせるパターン

レンガや石など、耐久性の高い資材を使った外壁の場合は、つる植物を直接這わせても傷がつきにくいので、問題ありません。幼苗を植え付ける際に壁際に支柱を立てておき、つるが少し伸びたところで支柱に誘引していきます。あとは支柱から枝を広げて壁に伝わっていくので、ある程度伸びたら支柱は抜いてもかまいません。自力で這い上がっていくタイプのつる植物なら、まめに手をかける必要もないでしょう。ただし、繁茂しすぎて風通しが悪くなっている部分などがあれば、適宜間引くように剪定し、バランスよく枝葉が伸びるように調整する必要があります。

ネットやワイヤーを使うパターン

コンクリート造りやサイディングなど、経年劣化によるメンテナンスが必要な外壁材を用いている場合は、壁を傷つけないように仕立てる工夫が必要です。その場合は、つるが外壁に這わないように、外壁に沿ってネットやワイヤーを設置してワンクッション置きます。つる植物を植え付けた後は、外壁まで至らないように、つるをネットやワイヤーに這うように誘引するメンテナンスが必要です。撤去したい時はワイヤーやネットを外せば済むので、直接外壁に這わせるより簡単になります。

外壁から植物を撤去する方法3選

つる植物
swinner/Shutterstock.com

「イメージしていたよりもつる植物が繁茂しすぎて手に負えなくなってしまったので、もう撤去したい」。メンテナンスが負担になってしまうようなら、廃棄するのも一案です。ここでは、外壁から植物を撤去する方法についてご紹介します。

1.手作業ではがす

手軽で費用がかからない方法が、手作業で撤去する方法です。ただし、ツタなどのように気根を伸ばして壁に吸い付くように生育するタイプは、けっこうな労力がかかります。そのうえ、建物を傷つけないように剥がすのに手間がかかり、ヘラなどを使いながらの作業が必要です。手間と時間のかかる作業だと、心づもりをしておいてください。

2.除草剤を使う

植物の根元などに除草剤を施し、強制的に枯らしてしまう方法もあります。周囲の植物も枯れてしまうことがないように、注意して取り扱いましょう。ただし、植物が枯れたからといっても、壁や資材にしっかり張りついたつるが剥がれるというわけではなく、枯れても撤去の手間はかかります。

3.専門業者に依頼する

自力での撤去を試みたものの、「これはもうムリ!!」と心が折れてしまった方には、専門業者に頼ることをおすすめします。業者に依頼する際にかかる費用は、2階建てで5〜20万円ほどが相場のようです。まずは専門業者に状況を見てもらい、見積りを依頼してみましょう。

外壁におすすめの植物5つ

外壁のように広い面積を植物で覆うのであれば、生育旺盛でよく広がっていくタイプのつる植物を選ぶとよいでしょう。ここでは、旺盛に生育するつる植物をピックアップしてご紹介します。

【ヘデラ】

アイビー
Adrian Eugen Ciobaniuc/Shutterstock.com

ウコギ科キヅタ属の常緑性つる植物です。ヘデラは学名で、アイビーやキヅタといった別名のほうがイメージしやすいかもしれません。原産地は北アフリカ、ヨーロッパ、アジアで、寒さにも暑さにも強い性質です。白や黄色の斑が入る園芸品種も数多く揃い、選ぶ楽しみがあります。つるは気根を出しながら、他所に張りついて枝葉の範囲を伸ばしていき、その長さは10mに及ぶことも。日向から半日陰の風通しのよい環境を好み、丈夫で放任してもよく育ちます。繁茂しすぎる場合は適宜剪定して、景観に調和させるとよいでしょう。

【テイカカズラ】

テイカカズラ
High Mountain/Shutterstock.com

キョウチクトウ科テイカカズラ属の常緑性つる植物です。5月中旬〜6月中旬頃に白い花が咲き、甘い香りを漂わせます。原産地は日本、朝鮮半島で、暑さに強く、寒さにも耐えます。つるから付着根を出し、他所に食い込んで枝葉を広げていき、その長さは10mほどに。半日陰の環境でも育ち、むしろ真夏に直射日光が強く照りつける場所はやや苦手です。乾燥を苦手とするので、日照りが続くようであれば水やりをしましょう。あまりにつるが繁茂しすぎるようなら、適宜剪定して風通しをよくしてください。強めに刈り込みたい場合は、開花後すぐに行います。

【オオイタビ】

オオイタビ
Regreto/Shutterstock.com

クワ科イチジク属の常緑性つる植物です。学名はフィカス・プミラで、卵型の小さめの葉を密につけるのが特徴です。斑入り種も出回っています。原産地は東アジア南部で、暑さに強く、寒さにはやや弱い性質です。日本では関東以南の暖地での栽培に向いています。つるから気根を出して、他者に絡んで枝葉を旺盛に伸ばして生育。つるの長さは2.5〜4mくらいです。雌雄異株で、イチジクに似た実がつきます。日当たりのよい場所を好みますが、半日陰でも生育可能です。

【ツルハナナス】

ツルハナナス
tamu1500/Shutterstock.com

ナス科ナス属の常緑性つる植物です。7〜10月頃に2cm前後の5弁花が開花。咲き始めは白ですが、咲き進むと淡いブルーへと変化し、花弁もだんだんと反り返っていきます。葉に黄色い斑が入る園芸品種‘バリエガタ’が人気です。原産地はブラジルで、暑さに強く、寒さにも耐えますが、戸外での植栽は霜がおりない暖地向きです。つるの長さは2mくらい。日当たり、風通しのよい場所を好みます。真夏に日照りが続いて乾燥するようなら、適宜水やりをしてください。つるがあまり込み合いすぎているようであれば、春か秋に剪定しましょう。

【カラロイナジャスミン】

カロライナジャスミン
Chonlawut/Shutterstock.com

ゲルセミウム科ゲルセミウム属の常緑性つる植物です。開花期は4〜6月で、花径1〜3cmの黄色い花からは、ジャスミンに似た芳香が漂います。ただし、ジャスミンとはまったく異なる植物で、全草に毒を持っているので注意。ハーブティーにして飲用するといった行為は厳禁です。原産地は北アメリカ南部です。暑さに強い一方で寒さはやや苦手で、栽培は関東以南の太平洋側など霜のおりない暖地向き。生育旺盛で、つるは3〜7mほど伸びます。日照不足になると花つきが悪くなるので、日当たり、風通しのよい場所に植え付けましょう。春の開花期と真夏は乾燥による水切れに注意し、日照りが続く場合は水を与えてください。真夏に翌シーズンの花芽ができるので、剪定したい場合は開花後すぐに行います。

外壁を植物で覆うかはメリット・デメリットを考えて

壁面緑化
Julia Faerber Summer 23/Shutterstock.com

外壁の緑化には断熱効果があって環境に優しく、見た目にも美しいという多くのメリットがあります。一方で、意外にメンテナンスが必要なことや、害虫発生の心配があることなど、デメリットも看過できません。両方を天秤にかけて、壁面緑化にトライするか否か、じっくり吟味することが大切です。

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